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2017-02-26 12:06:00

会津若松市のICT産業集積の取り組み

テーマ:地方創生

213日と14日に参議院総務委員会として、福島県の「ふるさとワーキングホリデー」や会津若松市の「スマートシティ会津若松」の取り組みを視察した。

 

総務委員長として会津若松市を視察先に選んだことにはいくつかの理由がある。地域の基幹産業であった電子部品製造業がリーマンショック以降急速に縮小し、現在の従業者数は平成20年の56%にまで落ち込んでいる。そのような中、市が選択したことは市内にあるコンピューター理工学専門大学の県立会津大学との連携によるICT産業の振興と雇用創出だ。

 

2014年に市の「ビッグデータ戦略活用のためのアナリティクス拠点集積事業」が内閣官房の地域活性化モデルケースに採択され、翌年には地域再生計画の認定を受けている。2016年には「地方版IoT推進ラボ」に採択され、市のICTを活用した地方創生の取り組みは、政府をはじめ各方面から注目されるようになった。

 

会津若松市では、「スマートシティ会津若松市」の取り組みについて市の担当者らと意見を交換した。私が注目したのは総務省事業の「ふるさとテレワーク」を体験・実証できるICTオフィスの整備をしようとしていることだ。

 

会津大学は卒業生の県内留保率が30%以下で、優秀なICT人材の多くが県外に就職していく。そこでICT人材の地域定着を図るために地方創生拠点整備交付金事業を利用してICT産業集積の象徴となるオフィスビルを作ってしまおうと言うのだ。

 

市内には体験型サテライトオフィスとして旧市長公舎がすでに利用されており、第2オフィスとして旧黒河内病院の整備が進められていた。会津の伝統的建築物の中で先端産業に従事するというのは、歴史を大事にする会津らしさが出ていて「かっこいい」と思った。

 

さらに、オフィスビルではデータ分析の中心地も目指している。会津若松市では「IoTヘルスケアプラットフォーム事業」を実施しており、市民からウェアラブル端末等を介して個人の健康情報を提供してもらい健康サービス産業を創出しようとしている。これには、総合病院が多いことや市と医師会や薬剤師会との連携がとても良いことなどが背景にある。

 

会津大学では会津大学復興支援センター「LICTiA」において会津大学およびアクセンチュアの関係者らと意見交換の場を持った。様々な取り組みが行われている中で私が興味を持ったのは人材育成事業だ。東京オリパラに向けてサイバーセキュリティー人材はより専門的に、より多く養成することが求められている。ビッグデータの利用には欠かせないアナリティクス人材は我が国では少なく、早急な養成が必要な分野だ。これらの人材育成に向けて会津大学はよりよいオフィスと人的環境を備えていると感じた。また、「ふくしま女性プログラマ育成塾事業」はまさに時代の要請と言えるものと感心した。これはICT分野への女性人材の活用のために、eラーニングなどの利用によってプログラミング技術を習得し、テレワークを含めIT企業に就職してもらおうというものだ。

 

この視察では、ほかにも興味のある話題がたくさんあったのだが、紹介はここまでにしておく。衆参の委員会視察というと委員長の所在地が視察先になることが多いのだが、私は、総務省関連の事業に先進的に取り組んでいる企業や自治体を視察したいという、当たり前のことを実行した。

最後に、この視察では、内堀雅雄福島県知事、室井照平会津若松市長、渋川恵男会津若松市商工会議所会頭、会津大学岩瀬次郎理事、アクセンチュア福島イノベーションセンターの中村彰二朗センター長など多くの皆さまにお世話になった。ここに記してお礼を申し上げる。

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2017-02-21 21:54:38

過疎PTで松江市の水道事業を視察

テーマ:上水道・簡易水道

220日に公明党過疎に関するプロジェクトチーム(過疎PT)では、全国過疎地域自立促進連盟会長である溝口島根県知事を訪問し、議員立法の過疎法改正に向けて意見を交換した。その後に松江市役所に移動し、松浦市長と面談するとともに上下水道局から松江市の水道事業について説明を受けた。

 

この背景には、松江市の水道事業の運営を視察し、簡易水道事業の課題を探りたいとの狙いがあった。というのも、過疎法改正にあたって過疎連から、過疎対策事業債の対象に市町村立の大学、各種学校、専修学校、特別支援学校等の整備のほかに、上水道に移行した簡易水道の整備を新たに加えるよう要請されていたからだ。

 

松江市は、平成17年に近隣の8町村と合併。さらに平成23年には東出雲町を編入合併し、山陰最大の人口規模の特例市となった。周辺町村との合併は、上水道3事業と簡易水道26事業を抱えることになり、安全な水の確保と健全な事業運営のために水道事業の再編を余儀なくされた。この困難な課題に対し松江市は、地方交付税措置や国庫補助を利用して簡易水道を統合し上水道と一体的な運営とすることを決めた。平成20年から施設整備を行っており現在も継続中だ。

 

視察では、最初に美保関町の笹子浄水場を訪れた。ここでは山間の約50世帯の集落に供給する水道水を作っていた。上水道に繋がっているが、上水道は渇水期の利用にとどめ、普段はこの浄水場から配水している。当日は、あいにくの雨ではあったが、これぞ水道技術者と拍手を送りたくなるような管理者から熱い説明を受けた。説明の内容以上に安全な水づくりへのこだわりが伝わってきてうれしくなってしまった。

 

次に向かったのは、旧雲津浄水場。半島の先にある雲津地区は約70世帯の集落で、以前は治山ダムを水源として集落にある浄水場で水道水を確保していた。現在はこれらを廃止して上水道に移行している。一見すると、雲津川治山ダムにはきれいな水が溢れており、簡易水道で十分ではないかと思った。しかし、担当者によると、70世帯の給水世帯で簡易水道を利用するにはコストが嵩んでしまう上に施設更新が難しいとのことであった。

 

松江市上下水道局は、水道施設を維持するには地理的条件の悪い合併地域で、26もの簡易水道事業の上水道への移行に取り組んでいた。これは、安全な水の安定的な確保には砂防ダムのような不安定な水源を見直し、施設整備もままならない簡易水道の給水収益という現実を直視した結果、導き出されたものと思う。人口減少社会にあっての先駆的取り組みだと感嘆する視察となった。今後、一部過疎地域の簡易水道を上水道に移行しようとする自治体には、その事業を支援する仕組みが必要と強く感じた視察でもあった。このことを過疎債の対象事業とするのがよいのかも含めてさらに議論していく必要があろう。

 

最後に、松江市上下水道局では「縁の水」を発売している。2年連続のモンドセレクション金賞に輝く美味しい水だ。ペットボトルのラベルにはハートが1つ描かれているが、これを2本並べてみるとハートが3つ現われる。縁結びの松江らしい演出だ。

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2017-01-28 10:38:10

安定的な海上輸送の確保

テーマ:予算要望・政策提言

昭和50年代には1,000隻を超えていた日本籍船の日本商船隊は、平成10年代には100隻を切るほどに激減しました。安定的な海上輸送の確保のために、日本商船隊の隻数増加は緊急の課題となっています。

 

この対策として、トン数標準税制を平成21年から導入しています。トン数標準税制は、日本籍船と日本人の船員を確保するために作成された「日本船舶・船員確保計画」が国土交通大臣の認定を受けると、法人税の代わりにみなし利益課税を選択できるというものです。黒字が多くなった年も赤字になった年もみなし利益に課税されるため、外航船舶運航事業者は毎年の納税額を予見できるようになり、船舶投資を計画的に行うことが可能となります。

日本船舶・船員確保計画は、日本船舶を計画期間内に2倍以上に増隻することや、船舶1隻当たり日本人船員4人を確保することなどの基準を満たす必要があります。

平成25年度には、日本船舶に加えて外航船舶運航事業者の海外子会社が所有する準日本船舶も対象とするように制度が拡充されました。

こうした対策によって、日本商船隊の隻数は、平成27年度には238隻にまで回復しました。しかし、我が国の経済安全保障を確保するには450隻が必要とされています。

そのため、海事振興連盟は、トン数標準税制の拡充を要請してきました。私もこれを実現するために、昨年9月の海事振興連盟の苫小牧タウンミーティングに参加しての外航海運業界との意見交換や、11月22日には超党派の海事振興議員連盟として財務大臣に申し入れを行ってきました。こうした取り組みを経て迎えた昨年末の与党税制大綱では、準日本船舶の認定対象に日本の船主の海外子会社保有船を追加することになりました。

ただし、これを実施するには、海上運送法と船員法の改正が必要となります。公明党では、1月24日に同法の党内手続きを終え、通常国会での成立を目指しています。

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