魔法の物質 <たんぱく加水分解物>
さて、今日は
魔法の物質<たんぱく加水分解物>のお話です。
前回のお話の中でも書かせていただきましたが、
皆さんの周りにある食品の裏面表示の<原材料名>の欄に
『たんぱく加水分解物』の文字は発見できましたか
それが、日本人の舌をとりこにしてしまう魔法の物質です。
日本人は古くから、味噌や醤油などの時間をかけてたんぱく質が分解されて出来上がったアミノ酸に旨みを感じてきました。
ならば『たんぱく質を酸で科学的に分解してしまえ!』 と大豆や肉を使ってつくられたのがこの『たんぱく加水分解物』なのです。(厳密に言うと、この物質は食品添加物の仲間には入っていません)
この物質の代表的な製造方法は2種類あるそうです。
①酵素を使ってたんぱく質を分解する方法
②塩素を使ってたんぱく質を分解する方法 (塩酸分解)⇒ 早く簡単にできる
*塩素で水の中の大豆を分解するから『加水分解』といい、
その分解物を中和すると複雑なアミノ酸の液体が出来上がる。
問題なのは②の方法。
塩素は、例えば消毒効果などその使用方法によってはメリットの高いものですが、言うまでもなく劇薬です。
これを分解過程に使用することによって副産物である『塩素化合物』が出来てしまう恐れがあるといわれています。ご存知の方も多いと思いますが、これは発がん性の恐れが疑われています。
魔法って怖いんです。
しかも日本中の多くの人が老若男女問わずこの魔法にかかっちゃってるんです。そしてこの魔法の物質はありとあらゆる種類の加工食品に入っているのです。台所の中を探してみてください。冷蔵庫や冷凍庫にも恐らく見つかると思います。
添加物が食品製造の現場に、
いわば日常的に使用されるようになってから約30年。
世界が注目する<身体に優しい・ヘルシー>な食事のはずの日本食は、実は添加物の宝庫と化てしまっているのが現状です。
■昔のおばあちゃんは言いました
『インスタントラーメンは食べちゃだめ』って。
■今のおばあちゃんは言うでしょう
『今日何にもないからインスタントラーメンでもいい?』って。
30年かけて日本の常識は変化し、いつしか簡単便利であることを優先に食品を選ぶ時代になってしまったのです。簡単便利なことは悪ではありません。大切なことです。でも、それが何であるかを解って使うのとそうでないのでは大きな差がでます。
<消費者側>
添加物だらけの加工食品を口にし、味の濃いのものにしか旨みを感じない子どもが増え続けていることは大変恐ろしいことです。そして何より残念なのは、それを知らず知らずのうちにに子ども達に与えてしまっているという現状です。現代の大人は皆忙しく働いています。簡単便利なものを手軽に利用することは当然の時代ですので仕方の無いことです。
<製造側>
本来時間をかけて作り上げるべき旨みを、化学物質を用いて簡単に、速く、そして大量に作ればコストダウンに繋がります。コストダウンしてどんどんと価格を下げなければ消費者は買ってくれません・・・・・。また一口食べて『旨い!』とバイヤーに言わせるためには濃い味でなければ駄目なんです。『1人前を完食した時の評価をしてください』と、どれだけお願いしても一口だけで評価が決まるのです。
いいものを作りたいと言う気持ちと、売れるものを作らなければならないという矛盾との狭間で、ものづくりの現場は悲鳴を上げています。
私達日本人はそろそろ考える時期に来ていると思います。
簡単便利で安いものを求めて止まない・・・・・・本当にそれでいいのでしょうか?
正しい知識を『知って』 『選ぶ』こと、
<安心・安全>に対する対価を支払うこと、
そしてより良いものを得るための『昔への回帰』。
それをテーマに、これからもよりよい情報をお伝え出来るように日々勉強していきたいと思います。
食品の開発や品質管理の責任者として苦悩してきたからこそわかることを、出来る限り解りやすくお話させていただきたいと思っています。
誤った情報や流行に流されず本物の健康を手に入れること
それが体内環境師/フードコンシェルジュの願いです。
二回に亘りなんだか眉間にシワが寄るような
硬~いお話で疲れましたよね。
次回は楽しい話題にしま~す。
なにがいいかな・・・・・お楽しみに。
最後までお読み頂きありがとうございました。