人は未来に想いを馳せるとき、今を全ての基準として考えてしまう。このままの状況がずっと続くかのように想像して、人生設計と呼ばれるような計画を立てたりする。
でも、数年先ぐらいまではある程度見えたとしても、10年・20年先の状況をはっきりと思い描ける人は誰もいない。不確実なことに対して、確実な計画を当てはめることはできないんだ。
僕は、10年も先のことは考えないようにしている。今から5年のことは思い描いているけれど、その先は本当に真っ白だ。
この5年でやるべきこと・やり遂げたいことに集中して、その後のことは5年後に考える。その間に自分も次のステージに上がっているし、そこから見える景色は今とは全く違うはずだ。
そこにいる自分で、次の5年を考える。自分だけでなく時代も確実に変わっているから、今とは全く違うものに惹かれているかもしれないし、日本にいるのかどうかも分からない。
まだまだ道半ばで、今の生活をもう少し続けてみようと考えているかもしれない。決めていないことが、逆に楽しみを与えてくれるんだ。
究極を言えば、5年後に自分が生きているかどうかも分からない。そう思えるから、今感じていることを後回しにせず今やることができる。
将来のためにと、お金を銀行などに貯めこんでいてはいけない。貯金していたところで、今の日本円の価値がずっと続くということもあり得ない。
今やろうと思っていること・行ってみたいこと・体験してみたいことに、どんどん使っていく。お金なんて、無くなればまた入ってくる。それよりも、早く様々な経験を積んで自分を高めておくことが大切なんだ。
自分の将来を分かったような気になって、何となく描けてしまうと、日々のパワーがなくなって人は一気に老け込んでしまう。
どうなるのか分からない・なれるのかどうかも分からないから、逆に今が楽しくなって頑張ろうと思える。
現時点の自分で全てを思い描くと、将来が全て今の範囲内で限定されていく。10年も経てば、自分の考え方や周りの景色も全く違ったものに変わっている。
今の自分をがんじがらめにしてしまうと、未来の自分は身動きができなくなってしまうんだ。