震えを止めなくてもいいじゃないか、身体の好きにさせてやりなよ。恥じることなんか何も無い。 | あざみの効用

あざみの効用

或いは共生新党残党が棲まう地

統帥なき兵など烏合の衆にすぎぬ。一旦旗色が悪くなれば、連中は我先に逃げ出すだろう」

「そのようなもので」
「わしはもはや連中の機嫌を取り結ぶのにあきあきした。大坂に味方したいならそうするがいいのだ」
「で、どうなさいます?」
「使者を送って、彼らの怠慢を責める」
「怠慢と言われますと?」
「なぜ目の前の岐阜城を攻めぬ。岐阜城を落としてみせてくれたら、わしとしても連中の信義を信じてもよい」

考えてみれば、随分勝手な言い草であった。だが、そこに勝利の要諦とでもいったものが含まれていることも、認めないわけにはいかなかった。いずれにせよ、この冷血は家康にあり、三成にはないものだった。叱責の使者を送るのも悪くはない。いや、客将たちの本音を探るいい機会である。叱責されたぐらいで敵に奔るようなら、とても頼むには足りないのである。いざ合戦となって裏切られるよりいまの内、色分けがはっきりしたほうがずっといい。一本取られたな、そうした感嘆の色が正信の顔に浮かんだ。


「で、使者には誰を?」

「誰が良いかな」と家康は言った。「できるだけ愚直な者がいいな」

また一本取られた、と正信は思った。たしかにこの使いは才子には務まらない。才長けた男が行けば、無意識の内に客将たちの怒りをなだめようとするだろう。使者は家康の猜疑と冷酷をなんの修辞も加えず、ずけっと投げ出せる男でなければならなかった。

「村越茂助はどうかな」

「けっこうかと存じます」

主従は顔を見合わせ、思わず忍び笑いをもらした。


(中略)


茂助は家康に教え込まれた口上を一言半句訂正しなかった。

「口上は『在陣は苦労の御事なり。願わくば敵味方の証拠を急度見せ給うべし。もし仕損じられるにおいては、後の合戦は気遣いあるべからず。われら早速出馬して討ち果たすべし』以上でございます」


岳宏一郎「群雲、関ヶ原へ」(下巻)




昨日の朝生は見ていないけれど、このシーンだけでお腹いっぱい。普段からブロック宣言ばかりで煽り耐性をまるで育てていないからこその醜態だよwwwこれぞゾーニングが徹底されることの弊害とか、ね?普通に堀紘一のこれまでの発言履歴(IT革命時とか)を遡っての墓荒し@後藤和智風味とか、㈱ドリームインキュベータの業績 に基づいて堀紘一の経営者としての資格を問うてみるとか色々手立てはあるだろうに。まあ、どっちも批判してきた身空としては、若者問題を余所に罵り合う姿がまさに彼らの若者問題へのスタンスを一目瞭然に物語っていて良かったんじゃないと思いますが。


なんというか上記小説の遣り取りを思い起こしたのでメモしておきました。


2009-07-25 のキリンとサントリーの世紀の合併話は悲しい哉、その後破談。今、話題の英語化に先駆けて直後サントリーは社内での英語教育に力を入れることを宣言したのを思い出します。


ネットカフェ条例が施行 身分証なく引き返す客も
>インターネットカフェの匿名性を悪用した犯罪防止を目的とする東京都のネットカフェ規制条例が1日、施行された。条例は、店側に利用者の身分証確認などを義務づけており、1日の都内の店には、身分証の提示を求める張り紙が掲示されたほか、身分証を提示できず引き返す利用客の姿も見られた。


これで”ネットカフェ難民”という問題が解決しますね(棒読み)。


条例ではネットカフェに都公安委員会への営業の届け出なども義務づけており、違反した店には、都公安委員会が営業停止命令を出せ、命令に従わない場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金といった罰則を設けている。(MSN産経 2010.7.1 20:25)


治安対策を口実に治安権力が焼け太りする姿については、もはや言わん型なし。


郵政“改革”の目玉 正社員化に非正規職員約7万人の憂うつ

>亀井静香前郵政改革担当大臣の“亀のひと声”で、非正規職員10万人の正社員化を掲げた日本郵政グループ。勤続3年以上、週30時間以上勤務などの受験条件を満たすのは、全体で約20万人いるうちの約6万5000人といわれる。


bewaadさまの「雇用保険料の転用を厚生労働大臣の裁量で可能だと主張」
との鏡の裏表とも言えるかもね。


正社員といっても、採用時の基本給の上限は18万2000円と定められている。これでは、中高年の非正規職員は正社員になっても待遇はほとんど向上しない。(【第505回】 2010年7月7日 週刊ダイヤモンド編集部)


そしてこの程度ならば別に正社員というよりも、安定した身分が保障された非正規雇用社員に近いような気も(苦笑) そして前もメモしたような気がしますがノルマも含めてまるで羨ましくない。


就職留年7万9000人、大卒予定7人に1人
>「大学の実力」調査は、全国の国公私立4年制大学(通信制などを除く)735校を対象に2年前から実施。3回目の今年は、就職支援の取り組みを中心に卒業者数や就職者数など約50項目を尋ね、約80%の589校が回答した。その中で、卒業年次に在籍する卒業予定者と、実際の卒業者との差が、2009年度は約7万9000人に上ることが判明。この差について主な20大学で追跡調査した。この結果、
〈1〉退学・留学・死亡など留年以外の理由がほとんどない〈2〉細かい実態は不明だが、留年者のほとんどは就職活動の不調が理由と見られる〈3〉成績不良による留年は3年次までに集中し、卒業年次では例外的――などの回答が得られ、約7万9000人のほぼすべてが就職留年者である可能性が極めて高いことが分かった。
「大学の実力」調査の回答率(8割)から単純計算すると、就職留年者の総数は約10万人に上る可能性もある。


当該ニュースは教育問題から、労働問題に移してメモします(異議は却下します)。ある程度、学費優遇などで面倒を見たとしても定員割れで苦しんでいる大学側にとっては、お客様として十分なメリットがありすぎ…。


>国の調査では、約3万1000人が、就職が決まらないまま卒業している。今回、明らかになった留年者約7万9000人を合わせると就職浪人は約11万人となり、その分、就職戦線が激化している計算になる。[読売新聞 10/07/06]


第二就職氷河期がいつまで続くかに彼らの命運が懸かっています。ただ、彼らが院進よりは留年を選んだことに、第一次就職氷河期の犠牲の上に築かれた知識が活かされていると思うべきなんでしょうか?


ポスドクの就職難解決へ 10年後の完全雇用目指し本腰
>博士号取得後に安定した就職先がない「ポスドク」問題の解決に文部科学省と経済産業省が乗り出すことになった。今秋にも産業界と大学の代表を集めて初会合を開く。政府が6月に閣議決定した新成長戦略では「科学・技術立国」の課題として、博士課程修了者の完全雇用を20年に実現するとの目標を掲げている。[毎日新聞 10/07/06]


最短で博士課程を終了していていれば26歳?+加えまして~は20年=46歳とか。まあ20年かかると宣言しているわけではなく、締切りを課したに過ぎないわけですが、切迫感が足りない先送りにすら感じられるのはどうしてだろう?だろう?だろう?…以下エコー。


司法修習生:就職難 弁護士希望者の「未定」4割超
>アンケートは6~7月に実施、12月に修習が終わる予定の2021人のうち1235人が回答した。このうち532人(約43%)は内定していなかった。同時期の調査では、08年は約20%、09年は約30%。一方で、修習を8月に終える旧試験合格者についても、6月時点の就職未定率は約27%。08年は約6%、09年は約19%で、新試験組と同様に司法試験の合格者増や景気低迷などが影響しているとみられる。(毎日新聞 2010年7月21日)


当該ニュースは治安問題から(以下略)。おかげで国選弁護人の質が上がるならばそれはそれでいいんですが。


米、「人種差別解雇」で波紋 ビデオ巧妙に編集
>解雇されたのは農村開発局長だったシャーリー・シェロッドさん。3月のリベラル系組織「全米黒人地位向上協会」(NAACP)での講演で「白人男性から農地差し押さえを免れたいと相談を受けたが、全力を尽くさなかった」と語るビデオが19日、ブログに掲載され、保守系FOXテレビでも紹介された。シェロッドさんは農務省の要求を受け入れ辞職を表明。しかし講演は約45分で、全体を聞けば、父親を白人に殺されたシェロッドさんが「白人は嫌いだと考えていたが、一緒に働くうち、人種に関係なく貧しい農民を助ける大事さを知った」という内容。ビデオは発言の一部をつないで編集されていた。(2010/07/21 11:49 【共同通信】)


日本のマスゴミが片言隻句を取り上げてとか、文脈を切り離してとか批判されることはあるけれど、別に日本の専売特許ではなかったということで。ただ、一発で首に追い込んだ辺りにオバマ政権ならではの極端な反応と感じてしまうのが悲しいな(大統領選中の恩師の発言辺りに学んだの?とか)。


<アニメ感想>
水曜
オオカミさんと七人の仲間たち 第3話

もう切ろうかな…。


学園黙示録 第3話

一話目、二話目を見逃していたのですがシビアな展開はついつい最後まで見入ってしまいました。既に学園内どころか全世界にまで問題が広がり、安全地帯が想定されにくいこと、そして肉体が腐敗するまでといったタイムリミットについても現時点では未定なことなど作画とか、演出というより物語の展開が気になります。


木曜
花咲ける青少年 第15話

ナジェイラ@新井里美はとにもかくにも何をやっても新井里美。良く言えばオオカミさんと七人の仲間たちのナレ兼務も含めて声に存在感がありすぎなんですよ。



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▲前も書いたと思うのですが一番好きな”関ヶ原”歴史小説。戦国時代を通じての小ネタ、エピソード満載で全編飽きることなく頁を捲れること請け合い。