高知白バイ冤罪事件で、1年4ヶ月の刑期を勤め上げられ、片岡晴彦氏が昨日保釈されました。仮釈放ですらない刑期満了という部分に司法権力のドス黒さを感じるのは私だけでしょうか。これから再審請求という艱難の道を歩まれます。
(1)「標準的事件」とは何か
(2)その「標準的事件」は懲役何年になるのか(「標準値」)
が必要になってきます。これまでに、裁判員制度の実施に向けて、準備のために、模擬裁判というのが何回か行われました。その中で、弁護人役が、「前科がないから軽くすべきだ」という弁論をしたところ、裁判員役の市民から「前科がないのは当たり前。軽くはならない」という意見が出て、弁護士会サイドが「びっくりした」というのがありました。けれども、これは「びっくり」するほうがおかしいと言えます。弁護士会の方では、強盗殺人や強盗致傷などでは前科があるのが通常なので、これを基準にそう言っているのでしょうが、市民からすれば周りには前科がない人がほとんどですから、こういう答えになるわけです。(1)の「標準」ということを明確にしないで議論を始めようとすると、こんなことになってしまいます。
森炎「裁く技術 無罪判決から死刑まで」
2009-02-25
は空気暴落のお知らせと、中西教授が疑念を抱かれたオゾンホールが、果たして人為的地球環境問題であったのかという大問題について。確かに見事にオゾンホールについて昨今取りあげられないようになりました…。
>死刑の是非は三つの選択肢を示して尋ねた。「場合によっては死刑もやむを得ない」を選んだ容認派は85.6%で、2004年の前回調査から4.2ポイント増。「どんな場合でも死刑は廃止すべきだ」とした廃止派は5.7%で0.3ポイント減だった。「わからない・一概に言えない」は8.6%で3.9ポイント減だった。
もともと圧倒的な賛否の差があるとしても、ここ15年の間に世界的潮流がどうあれ、廃止派半減、中間派が3割減して賛成派が増えたということ。今は法相の個人的信条からか執行がストップしていますが、低迷する内閣支持率などを踏まえて、もしも自民党がここを執拗に攻撃しだしたときどうなるかは、それこそダメリカにおいて政治家が左派、右派ともに治安問題に弱腰だとみられることのないように振舞うのと展開になるでしょうね。
>容認派にその理由を尋ねると、廃止すれば被害者やその家族の気持ちがおさまらない▽凶悪犯罪は命で償うべきだ▽廃止すれば凶悪犯罪が増える――との理由が上位に並んだ。また、「将来も廃止しない」と答えた人は60.8%で、「状況が変われば廃止してもよい」の34.2%を上回った。
理由を一つ一つ潰していくような刑事司法、広報政策がとられない限りにおいて外圧待ちといったところでしょうか。実際問題、死刑と凶悪犯罪の増減には相関関係がないというところでは専門家の間では合意があるようですし。
>一方、廃止派の理由は「生かして罪の償いをさせるべきだ」が最多で、「裁判に誤りがあったとき取り返しがつかない」「国家であっても人を殺すことは許されない」と続いた。国際的には近年、死刑廃止の流れが定着している。08年には国連規約人権委員会が日本政府に「世論に関係なく廃止を検討すべきだ」と勧告するなど風当たりは強まっているが、政府は「世論の支持」を根拠に存続の姿勢を崩していない。(朝日新聞 2010年2月6日19時29分)
朝日新聞社として死刑反対ならばその論陣を堂々と張るべき。ただし、片手で根拠なき治安悪化を煽りつつ、片手で死刑廃止を訴えても説得力がないことは上記賛成理由にも現れていることを反省する必要があります。加えて無邪気に加害者の「人権」を擁護すれば、被害者(家族)の批判が来るのは鳩山法相の時代に学んだでしょうから、あすの会に対抗、恥ずかしくないだけの勉強をしてから出直す必要がありますが…ってこんなハードル超えるのバカヒには無理か(笑)
満期出所者高い再犯率
>竪山被告のような満期出所者の再犯率の高さが注目されている。2009年版の犯罪白書によると、出所後、5年以内に刑務所に再入所したケースは、仮釈放者が32・2%に対し、満期出所者は55・1%に上る。仮釈放者は出所後、保護観察官による監視や指導が付くが、満期出所者に対する制度上のフォローはない。
そもそも刑務所に入れるのは、エリート犯罪者というよりも、今流行りの「無縁」者というに相応しい連中が大半ですから、刑務所内で心理的に更生しようがしまいがショバで更生する寄る辺がないことが問題…。
>浜井浩一・龍谷大矯正・保護研究センター研究部門長は「厳罰化により、服役が長期化しており、満期出所者の社会復帰は一層難しくなっている」とし、「再犯防止の観点から住居や職業の確保など生活基盤を整えることが必要」と提言する。満期出所者の社会復帰については法制審議会でも議論されるなど、国の取り組みが始まっている。本庄武・一橋大法科大学院准教授は「刑務所に社会福祉士を配置するなど、福祉につなげようという動きはあるが、まだ広がっていない」と指摘している。(2010年2月18日 読売新聞)
まさに浜井教授らの奮闘によって少なくとも、犯罪白書も同じ認識に立つようになりました。治安悪化が単なる体感治安悪化に過ぎないという重い扉に続いて、加害者更生へのケアが社会的に必要なコストであるという扉の前には、まさに死刑賛成派の理屈(被害者家族の気持ち、加害者には罰を与える以外ない…)がそのまま立ち塞がります。心情的にどうではなうて、社会的コストとして安上がりだという言説にいかにして説得力を持たせえるかはまだ道遠し。そしてたった一件であっても象徴的な再犯犯罪が起きればすぐに吹っ飛びます。
「牛丼に肉ない」「河川に家建てたい」 不要不急の相談は♯9110 栃木
>県警通信指令課のまとめによると、昨年の110番受理件数は14万6256件(1日平均401件)。平成15年以来、6年ぶりに前年を上回った。有効件数のうち、「刑法犯関係」や「交通関係」で受理件数が前年より減少。「各種照会」や、要望・相談・苦情などを含む「その他」は増加している。その一方、警察業務の範囲外の110番通報も一向に減らないという。「タクシーを呼びたい」「ラーメン店の番号を教えて」といった“照会”はおろか、「DVDを借りたが自宅のブルーレイで見られない」といった“相談”まであり、職員がその対応に追われることも。(MSN産経 2010.1.24 02:39)
ACでこの広告が最近流れているのを見ました。まあ、実際は悪化していなかったのに警察予算はぶくぶく増やしたんだから、その分公共サービスを担うべき(例えば生活保護受給や労働基準署業務など)と述懐しているので微妙に苦笑。
「危険なドライバー」職業別ランキング…意外なトップ!!
>アメリカの保険比較サイト「インシュアランス・ドットコム」は17日、「危険度の高いドライバーの職業トップ10」と名づけたランキングの2010年度版を発表した。これは1年間に同サイトを利用して自動車保険の比較を行なった人のうち、過去に保険金を請求したことのある人の割合を職業別にカウントしたもの。その結果、1位は「弁護士・裁判官」で、彼らの44%が「保険金請求を行なったことがある」と答えたという。
いっぽうで保険金を請求した経験が少なく、サイトが「最も危険度の低いドライバーの職業」としたのは、「アスリート」の17%と「主婦」の24%だった。インシュアランス・ドットコムのサム・ベルダン副社長は、「常に電話から手を放せず、高速で移動し、かつ過密スケジュールのもとで激務を要求される職業のドライバーは、注意散漫になりがちで、結果としてより事故が増加する」とコメントしている。
副社長の分析が非常に怪しいと感じたのは私だけ?普通に訴訟社会ダメリカにおいてクレーマーとしての力量の差でしょう。
危険度の高いドライバーの職業トップ10
1位:弁護士・裁判官
2位:金融専門家
3位:GS6(重要部署の課長級)公務員
4位:バーテンダー/ウェイター
5位:その他の専門職
6位:犬のグルーマー
7位:マーケティング/広告関連
8位:理容師・ヘアスタイリスト
9位:コーチ
10位:看護士
レスポンス自動車ニュース 2010年2月22日(月) 10時06分
トヨタは既に20億ドル近い訴訟を抱えているようですが、群がってくる弁護士連中から見を守るために高いカネを出して弁護士を雇う事になるのでしょうね(ほとんどみかじめ料ですなw)。
11 名前:名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2010/02/22(月) 14:21:09 ID:vLp0Uiq2
>過去に保険金を請求したことのある人
>その結果、1位は「弁護士・裁判官」
弁護士のような専門的な知識が無いと、客側が泣き寝入りして保険金を払ってもらえないって事か・・・('A`)
普通にSickoでも一般庶民が保険金を払ってもらえずに泣き寝入りしているシーンがありました。
29 名前:名刺は切らしておりまして[sage] 投稿日:2010/02/22(月) 15:09:52 ID:wh+PkGF9
>>11
結局それだな
教養の高い、あるいは知識階級みたいなのが上に揃ってるな
31 名前:名刺は切らしておりまして[sage] 投稿日:2010/02/22(月) 15:19:52 ID:Z5OnNFF1
たぶん圧倒的上位は「保険に加入してないドライバー」なんだろうと思うけど。
保険会社にとって危険度の高いドライバーですからwww
ハマス幹部殺害「イスラエル首相が承認」英紙
>アラブ首長国連邦ドバイのホテルで1月、パレスチナのイスラム原理主義組織ハマス幹部が殺害された事件で、21日付英紙サンデー・タイムズ(電子版)は、イスラエルの対外諜報機関モサドに近い複数の関係者の話として、イスラエルのネタニヤフ首相がモサドによる殺害を事前に承諾していたと報じた。
>事件を巡っては、ドバイ当局が英国などの旅券を持つ男女11人を国際指名手配したが、旅券が偽造されていた可能性が指摘されている。イスラエル政府は、モサドの関与について確認も否定もしていない。(2010年2月21日22時09分 読売新聞)
イギリスなどでは結構大騒ぎになっているみたいですが、治安権力は怖さは高知白バイのようなレベルから各国共通でしょう。逆に言えばそれだけの力がないと治安を守ることもできないでしょうから。いずれにせよ、きちんと文民統制をしておかないと怖すぎるということは、治安維持法でも思い出しておきましょう。
これまで、職業裁判官制度のもとで取られていた考え方は、犯罪的性向があって、それが矯正不可能であれば、社会全体の見地から、「抜きがたい犯罪傾向」を消滅させる必要があるということなのです。その人間とともに。しかし、これは言い方を換えれば、生身の人間に対して「生きていく価値がない」と言っているようなものです。
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- ▲裁判員制度のための本を量産している方です。刑の標準化という思想は、私自身ある意味の歯止めとして必要と記していたかと思いますが同感です。ただ、無期刑の重さをあまり認識していないのかと思わせる部分と、刑事訴訟法を不要と割り切るのは、そもそも法廷にあがってくる「証拠」の選別の点でちょっと言い過ぎかなと感じますが非常にわかりやすく、あまり関心が無かった人に手っ取り早く最低限の知識をということではお薦めできます。