http://ameblo.jp/fuyugare/day-20071214.html の続き
- 中村さん、おはようございます。
>組織的には最強のポジションに居ますね。
銃所持に関する強化に着手するみたいですが、こうしてお仕事を増やす=人員増加・維持に繋がっていくんです。羨ましい、はっきりいって治安良化(元々良かったんですが)したんですから、増やした部分は減らせよと思います。
>ジャーナリストだけではなく、文筆業に携わる人間は誰でも、むちゃくちゃな事を根拠なしに言ったら、罰があっても良いのではと思いますが。
以前も書いたような覚えがありますが中村さんは執筆者に対して厳しすぎる(苦笑)
・<板橋両親殺害>少年を懲役12年に減刑 東京高裁
>東京高裁は17日、懲役14年とした1審判決を破棄し、改めて懲役12年を言い渡した。植村立郎裁判長は「父親による不適切な養育や心理的虐待があった」と指摘した上で「反省も深めている」と減刑理由を述べた。
>判決は、不適切な養育の例として、犬の入った段ボールに長男を入れたり、ゲーム機を壊した行為などを挙げ「自尊心や誇りを傷つける虐待があった。『憎しみを募らせたのは身勝手』とした1審判決は適切と言えない」と判断した。
>弁護側は「人格的な未熟さが事件の原因で、刑事罰ではなく保護処分が必要」と家裁移送を求めていたが、判決は「犯行は計画性に富み、自己中心的。父親殺害に酌んでよい情状があったとしても、罪は極めて重い」として退けた。
>植村裁判長は最後に「18歳という可塑(かそ)性に富む年齢で、可能な限り、心神の発達に応じた処遇が系統的に実践されることが望まれる」と付け加え、社会復帰に向けた少年刑務所などでの処遇に注文を付けた。(毎日新聞 12.17)
▲この事件については少年犯罪厳罰化の代表的事例として司法史の1ページを刻むことになるでしょうね。そして↓の産経の記事はよく書けていますね…おのれらのマスコミ報道がその社会情勢を生み出したという部分がないというところを除けば!
・少年の凶悪事件 厳罰を望む社会情勢、個別事情で判断
>平成9年の神戸連続児童殺傷事件などを機に、13年4月に改正された少年法では、刑事罰の対象年齢が16歳以上から14歳以上に引き下げられた。1審判決は、改正少年法下で、犯行時16歳未満の少年が殺人罪で実刑判決を受けた初めてのケースとなった。この判決後も少年の凶悪事件について司法判断が相次いでいるが、厳罰を望む社会情勢の中、個別事情で判断は分かれている。
>東京都町田市で17年11月、都立高1年の女子生徒=当時(15)=を刺殺し、殺人罪に問われた元同級生の少年=犯行時(16)=の事件で、東京地裁八王子支部が今年7月、少年に懲役11年(求刑懲役15年)を言い渡した。大阪府寝屋川市の市立小で17年、教職員3人を殺傷した少年=犯行時(17)=の控訴審判決で、大阪高裁は今年10月、「1審判決は軽すぎて不当」として、懲役12年とした1審判決を破棄、懲役15年を言い渡した。
>いずれも、少年が対人関係をうまく築けないなどの症状が出る広汎性発達障害と指摘、犯行当時の未熟さを認めた。しかし、事件の悪質性や少年刑務所でも障害に対する治療環境が整ってきたことなどを踏まえ、刑罰による少年の更生を選んだ。
>一方、北海道稚内市で昨年8月、病院臨時職員の女性が殺害された事件で殺人罪に問われた長男=犯行時(16)=と、友人=犯行時(15)=を、旭川地検が旭川家裁に送致。同家裁は、中等少年院送致の保護処分とした。両親の離婚など少年の生育状況も踏まえ、厳罰よりも専門家の教育が必要との観点に立つ結論を出した。(産経新聞 12.17)
▲今回の一件もそうですが、少年事件で15年ぐらい刑務所にいれておけば出てくる頃には30代です。その頃の経済情勢がどうなっているかは知りませんが、更生された後の道(働き場)はきっと用意したうえでの発言だろうと信じています(棒読み)。
・東京・稲城の白骨遺体事件、ネパール人の女に懲役8年判決
>東京都稲城市のアパートの押し入れから今年7月、殺害され白骨化した遺体が見つかった事件で、殺人、死体遺棄などの罪に問われたネパール人の無職女(21)の判決公判が17日、東京地裁八王子支部で開かれた。
>小原春夫裁判長は「経緯には同情の余地があるが、犯行は強固な殺意に基づく執拗(しつよう)なものだ」として懲役8年(求刑・懲役13年)を言い渡した。判決によると、女は18歳だった2004年9月19日ごろ、同居していた叔父(当時38歳)が就寝中に、重さ6キロの鉄アレイを頭に投げつけ、さらに胸や腹を包丁で刺して殺害した。
>女は03年1月、日本で暮らしていたこの叔父に誘われて来日し、叔父一家と共に生活。叔父の妻子が帰国した後も日本に残ったが、その後、叔父からささいなことで暴力を振るわれ、04年7月下旬ごろからはたびたび性的暴行も受けるようになったことから、女は「これ以上一緒にいられない」と思い、殺害を決意した。(読売新聞 12.17)
▲・・・これは外国人犯罪に対する厳罰化を求める社会情勢を読み取っていただいたということなんでしょうか、はぁ~。子どもが性的虐待を受けていてもこのざまですかorz
・地裁所長襲撃事件、差し戻し審判で少年の不処分決定
>大阪市住吉区で2004年2月、当時の大阪地裁所長(65)(退官)が路上強盗に遭い、重傷を負った事件で、大阪家裁が強盗傷害の非行事実で中等少年院送致を決定し、大阪高裁の抗告審が「事実誤認の疑いがある」として審理を差し戻した当時14歳の少年(18)について、差し戻し後の第1回少年審判が17日、同家裁であった。
>大西良孝裁判長は「新たな証拠を見いだせず、非行の証明がない」と述べ、刑事裁判で「無罪」にあたる不処分を決定した。
>この事件では、成人2人と少年3人(当時)が逮捕されるなどしたが、5人は無実を主張し、成人2人は1審・大阪地裁で無罪判決を受け控訴審で公判中。当時16歳だった少年の兄(20)は中等少年院送致の決定取り消しを同家裁に申し立て、児童相談所に通告された当時13歳の別の少年(17)も「自白を強要された」などと国家賠償請求訴訟を起こしている。 (読売新聞 12.17)
▲これからは全面無罪で争わないと救いの道はありませんな。かそけき道ですが。 - commented by 遊鬱◆jnhN514s
- posted at 2007/12/18 08:39
- http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071217-00000313-yom-soci
もっと下げても良かったと思います。因みに、逆DV殺人の裁判長とは別ですよ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071217-00000952-san-soci
個別事情ではなく報道で判断では、と思えてしまいます。
- commented by 中村
- posted at 2007/12/17 22:50
- http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071217-00000098-mai-soci
虐待アリ、酌量の余地アリと認定して、これだけしか減刑されないわけですか。成人であっても、無期にするのは如何考えても思いと思いますけどね。この裁判長は、控訴審では量刑を若干あげる傾向があると言われている人ですが・・・・。
- commented by 中村
- posted at 2007/12/17 20:42
- というか、女性被害者のほうが本来の目的みたいに当初は捉えられてた感じでしたね。女性が先に死亡が報じられたというのもあるでしょうが、妙にそういうシチュエーションを期待しているようにも思えました。オッサンが3人殺されたよりも若い女性が一人殺されたほうが大騒ぎされますからね。もっと騒がれるのが子供殺し。
負けても勝っても利益を得る、ですか。確かにそうですね。治安組織は、組織的には最強のポジションに居ますね。
検挙件数は、一人で複数の件数起こしていても、一件と換算されるわけですか。
林氏は、特に好きという訳ではないですが、本は二冊持っています。わけ解らん事件分析本を出さない姿勢は悪くはないと思いますが。ジャーナリストだけではなく、文筆業に携わる人間は誰でも、むちゃくちゃな事を根拠なしに言ったら、罰があっても良いのではと思いますが。
http://books.yahoo.co.jp/book_detail/30841392
買われていたら蛇足ですが、これが私の言っている本です。
この本に寄れば、現在最も長く服役している無期囚は、知的に劣っており(程度は不明)、犯行時満16,7歳の少年で、恩赦で無期に減刑されたらしいです。現在(99年)は落ち着いた生活を送っているそうですが、「事件は徳川家康と天皇から西郷隆盛の首を討てといわれてやった」とか言っているらしいです。恐らく、下記の事件の犯人の少年が、件の最長服役者だと思われます。
昭和22年(1947).12.18〔17歳ニートが働くのが嫌で強盗殺人して死刑判決〕
鹿児島県鹿児島市の雑貨商宅で、無職(満17歳)が押し入り、主人(41)、妻(33)の頭を斧で殴って殺害、長女(5)に重傷を負わせ、3千4百円と衣類などを強奪、証拠隠滅のため放火して屋久島に逃走したが逮捕された。
横浜市の関東学院中等部2年生のときに窃盗で中退、軍属となったが1ヶ月で逃走して窃盗や強盗で満15歳の時の昭和20年7.17に軍法会議にかけられ昭和22年11.23に刑務所を仮出所、見習い工になったが働くのが嫌いで退職し、暖かいだろうという理由で鹿児島に来たがおもしろくないので帰る金を盗ろうとしたもの。裁判長に「働いて旅費を稼ごうとは考えなかったのか」と問われて「働くのは嫌だ」「殺しても悪いと思わぬ」と答える。昭和23年11.29に福岡高裁は死刑判決を出しが、少年法改正に伴い昭和24年4.6に恩赦で無期に減刑された
- commented by 中村
- posted at 2007/12/16 22:30
- posted at 2007/12/16 17:06
- 中村さん、こんにちわー♪
清々しい朝、さっそく週末は佐世保の一件でもちきりですね('A`)
・「散弾銃許可は適正」長崎県警側が会見
>長崎県警の立山秀夫・佐世保署長と畔林(うねばやし)一喜・刑事部長は15日午後0時半から、県警本部で記者会見し、馬込容疑者がスポーツクラブで発射した散弾は十数発とみられることを明らかにした。
>馬込容疑者の散弾銃などの所持許可について、2002年7月、県公安委員会が「標的射撃」を目的に1丁目の散弾銃を許可し、03年2月には、「狩猟と標的射撃」を目的に2丁目を許可。同6月には同様の目的で空気銃1丁、今年9月には3丁目の散弾銃の許可を与えていたという。当時の許可の是非について、県警側は「法的な要件を満たしており、適正だった」と説明。
>約5年前に、馬込容疑者宅の周辺住民から「危険な人物がいる」と、交番に通報が寄せられていたことも明らかにし、「当時は適正に調査した」と述べた。
▲しかし、これで桶川のように警察の対応のまずさが問題になっても、むしろ警察権限は焼け太るだけなんですよね、はぁ~。平成19年版の警察白書は特集が「暴力団の資金獲得運動との対決」というのも出来過ぎ君です。
>また、馬込容疑者が死亡したことについて、畔林部長は「市民に発砲させないように追跡捜査した結果。安全に身柄を確保出来なかったのは残念だ」と語った。(読売新聞 12.15)
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_07121555.htm
>殺人と殺人未遂を合わせた数なのでしょうか?
▲他の項目、例えば「刑法犯罪種別検挙件数の推移(平成14~18年)」
http://www.npa.go.jp/hakusyo/h19/toukei/t1-05.pdf
を見ればわかりやすいですが、殺人と殺人未遂を合わせた数ですね。「検挙件数」って実は非常に厄介なんですが、その辺りもマスコミは本当に分かって使っているのか非常に疑問なところですよね…(件数=人数ではないとか)。いずれにせよ、こんな件数でごたごた言うなんて年次改革要望書で日本の貿易障壁として銃規制が取り上げられないかと心配でなりません><
あと、林幸司先生お好きなんですか?以前、取り上げたこともあるように私も大好きです!「精神鑑定」に関する日本の第一人者ですよね。
>銃犯罪増加って、古き良き時代に起こった、下のような事件のほうがましなのでしょうか?
(∩д∩) アーアー見えなーい 本当にマスコミは記憶障害です。普通に戦後の混乱期なんて銃が世の中に出回っていたことぐらい「はだしのゲン」だけでも読んでいれば想像つくでしょうに。まあ、中村さんに素敵に抜き出していただいた事件は満遍なく抜き出されていて、混乱期だったからという言い訳も通用させないあたりがまた(笑) - commented by 遊鬱◆jnhN514s
- posted at 2007/12/16 14:18
- 其のグラフの殺人の項は、殺人と殺人未遂を合わせた数なのでしょうか?犯罪白書は、殺人と殺人未遂を一緒にしていましたよね?
ならば、今年は名古屋の立てこもり事件は殺人1名殺人未遂4名だった筈ですから、この1事件だけで5名文の数字がプラスされている事になりますね。今回の佐世保の事件でプラス7。 - commented by 中村
- posted at 2007/12/16 12:17
- nobさん、おはようございます♪ってなんじゃこりゃー!!!
日本の銃犯罪なんて犯罪全体から見れば誤差程度のものにすぎないと馬鹿にして一瞥する程度でじっくり見たことなかったんですが…
銃器使用犯罪・殺人検挙件数推移
平成14年 42人(内暴力団関係32人)
15 34人(26)
16 31人(26)
17 19人(14)
18 12人(10)
ってこちらも5年連続で減少しているじゃないですか!今年増えたといってもせいぜい3年ぐらい前の水準に戻っただけ?なんなんですか…これ(唖然) - commented by 遊鬱◆jnhN514s
- posted at 2007/12/16 12:08
- 又四郎さん、おはようございます。
>美輪明彦は肉を食うから凶悪犯罪が増えてんだって女性週刊誌に妄言を書いていたな。
▲オーラが変わるんじゃないですか?きっと(棒読み)とりあえず、江原啓之との番組開始以来、期を一にするようにまた霊感商法が増えているんだって!
>昔三十数年前に松下幸之助氏が書かれた「21世紀の日本」のなかに殺人事件が一面で掲載されるほど治安は良化するだろうとみたてられていた下り
▲いや~な予言の成就ですね。
>宮台、藤井の両氏についてはまた電波を発信しつづけているんだなと思うしかないです。
▲表現の自由はありますから、電波発信していても構いませんが今さら「若者」に擦り寄って来んな!というだけです。 - commented by 遊鬱◆jnhN514s
- posted at 2007/12/16 11:56
- http://mainichi.jp/seibu/shakai/archive/
news/2007/12/15/20071215ddp012040027000c.html
銃社会w。しかし、犯人が自殺したため、この事件はマスコミ的にあまり盛り上がりを見せないで終るのではないでしょうか?しかし、新聞や雑誌は識者に何を期待しているんでしょうね?思ったのですが、実際に取材をしても居ないくせに、コメントを出したり事件の分析本を出したりするのは、紙の無駄ではないかとも思えるのですが。
因みに、その高知6人射殺事件や、無期懲役で50数年入っている無期囚たちの刑務所内の様子については、林幸司氏の「司法精神医学研究」に書かれています。 - commented by 中村
- posted at 2007/12/15 23:00
- http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_07121507.htm
此処まで予想通りだと何も言う気になりませんね。
しかし、犯人自殺により、この事件はこれ以上マスコミ的に盛り上がりそうにないですね。
しかし、銃犯罪増加って、古き良き時代に起こった、下のような事件のほうがましなのでしょうか?
高知・6人射殺事件
-経緯-
昭和50年11月6日高知県安芸市は午後から降り始めた雨が夜になって土砂降りとなった。午後8時40分頃、同市伊尾木の爪楊枝製造業の岡村昭男(仮名、当時31歳)は8ヶ月前に同市の銃砲店で購入した猟銃を手にして家をでた。
道路にでると岡村は意味不明な言葉を叫びながら向いの安芸市中学校校長・Aさん(当時46歳)宅に土足で押入り、Aさんに向かって猟銃を発砲した。さらに岡村は暗黒の土砂降りの中を走って会社員のBさん(当時28歳)宅に押し入りBさんの妻のC子さん(当時27歳)、長女のDちゃん(当時4歳)に向かって発砲。その後も次々と近所の家に押入り猟銃を発砲した。
その結果、C子さんと長女のDちゃん、営林職員のEさん(当時51歳)、無職のF子さん(当時58歳)の4人が即死。Aさんと主婦のG子さん(当時52歳)の2人が収容先の病院で死亡。合計6人が死亡し2人が重傷を負った。
この騒ぎで駆けつけた近所の男達が岡村を取り押さえて猟銃と実弾100発を取り上げたが、岡村はスキを見て逃走した。高知県警は安芸署に捜査本部を設置して、機動隊員100名と地元消防団で大規模な山狩りを実施した。
翌日の7日午前11時過ぎ、犯行現場から約2キロメートル離れた公園の裏山に潜んでいた岡村を捜索隊が発見、周囲を取り囲みながら岡村を逮捕した。岡村は警察の取調べで「最近、気分がモヤモヤして人を殺したかった。死んだ人達には恨みは無い。誰でもよかった」と供述した。
-動機無き殺人-
岡村は幼くして母親と死別、その後叔母に育てられた。小中学校の成績は常に上位で、農業高校を卒業後、国家公務員試験に合格し建設省(当時)高知工事事務所、伊予三島事務所などに勤めていた。
内向的な岡村は人付き合いが上手ではなかった。また、3年前から精神状態が不安定なことから精神病院に通院。この時にうつ病と診断され建設省を退職した。その後、爪楊枝製造業として働きながら通院していたが、事件の3ヶ月前に入院し犯行時は退院したばかりだった。このため、岡村に責任能力を問えるかが焦点となった。
検察側は「犯行当時、心神喪失と認められるほどの精神状態ではなく、限定責任能力のある心神衰弱にあたる」として無期懲役を求刑した。これに対して高知地裁は3人の専門医に岡村の精神状態を鑑定依頼した。その結果、昭和56年9月「被告は精神分裂病、妄想病にかかり犯行当時は心神喪失状態だった」として無罪を言い渡した。
検察側はこれを不服として高裁に控訴した。昭和59年12月4日高裁は「被告は精神分裂病だったが心神喪失状態ではなく心神衰弱状態とみるのが相当。限定的ではあるが刑事責任は問える」として一審の無罪を破棄して岡村に無期懲役を言い渡した。岡村は上告せず無期懲役が確定した。
暗闇の中を猟銃を持って次々に近所の家に押入って射殺する本事件は、戦前におきた稀有の大量殺人事件で゛八つ墓村事件゛のモデルになった「津山30人殺し事件」を連想させる事件だった。
少年ライフル魔
-経緯-
昭和40年7月29日午前11時頃、神奈川県座間市ひばりが丘の林で、ライフルを持って歩いていた片桐操(18才)は、警官に呼び止められた。この威圧的な態度に、かっとなった片桐は持っていたライフルで、この警官を射殺。駆けつけたもう一人の警官にも発砲した。警察服・ピストル・警察手帳を盗んで警察官になりすました片桐は、近所の家に「警官が撃たれた、犯人を追いかけるので車を貸して欲しい」と申し出て車に便乗した。
次第に様子がおかしいと感じた車の持ち主が、交番手前で急ブレーキを掛けて交番に逃げ込んだ。そこで片桐は、車を降りて付近を通りかかった別の車に乗り込み、運転手に渋谷方面に行くよう脅した。渋谷方面に向かう途中、カーラジオから「神奈川県警では検問に警官3000人を配置した」との臨時ニュースが流れた。「3000人対1人か」と片桐は途方に暮れたようにつぶやいた。
渋谷に着くと、銃砲店に入り店員を人質に銃撃戦を展開。撃った弾150発、負傷者18人、逃走で巻き込まれた人8人、警官1人死亡、1人重症。8時間に及ぶ市街戦であった。
-その後-
片桐は小学校5年生の時に実の母と死に別れ、現在の義母に育てられた。義母は片桐にやさしく接して彼もこれに応える素直な青年であったという。中学校を卒業後、船員になったが、1万8000円の給料のうち1万5000円を家に送り貯金をしていた。理由は、大好きなライフル銃を購入したいということだった。片桐は射撃場に行くこととライフルを分解メンテナンスすることが唯一の生きがいだったという。
それが、ちょっとしたきっかけで、ここまできてしまった。彼は、一審で無期。二審で死刑判決がでたが「銃への魅力は今尚つきない。将来、社会へ出て再びこのように多くの人々に迷惑をかけることがないように死刑にしてほしい」と述べている。
昭和47年7月21日、25才の若さで片桐は死刑執行によりこの世を去った。
東海銀行強盗襍人事件
-経緯-
昭和30年8月29日午後1時頃、大阪市東区北浜(現、中央区)の派出所に、背広で蝶ネクタイ姿の在日朝鮮人の権善五(当時26歳)が、「落し物です」と言って入ってきた。警官が落し物の包を開けようとしたところ、権は拳銃を取り出し警官に発砲した。警官は至近距離から撃たれて即死した。
その後、権は西隣にある東海銀行大阪支店に入り、行員に拳銃を見せて「動くと撃つぞ」と叫びながらカウンター内にあった現金500万円入りの袋を奪った。銀行から逃走する際、権は通行人に「どけ、どけ」と叫びながら拳銃を空に向けて発砲した。そこへ通りかかった自家用車を停めて、助手席に無理やり乗り込むと、運転手に向かって「難波橋方面へ行け」と脅迫した。
運転手は、機転を働かせてエンストを装い車を停めたが、これを見破った権は激怒し運転手を射殺した。さらにバイク、小型トラックなどを乗り継いで、途中、曾根崎署の警官にも発砲し重傷を負わせた。僅か30分間に2人が射殺され、1人が重傷を負う大事件に発展した。
大阪府警は直ちに警察官の緊急配備と非常線を張った。その結果、工場の倉庫に隠れていた権を発見し、事件発生から1時間後に緊急逮捕した。
-動機-
権は、昭和4年に朝鮮で出生。5歳の時、家族と共に神戸へ移住した。中学生の頃、空襲が激しくなり権一家は兵庫区の山中に疎開したが、彼は灘区にある下宿で独り生活を始めた。
やがて、終戦を迎えて、父親の仕送りで関西大学に進学した。元々、権は成績優秀で真面目な性格だった。
その頃、同じ下宿先に戦争未亡人のA子さんと娘のB子さんが移り住んできた。A子さんの夫は元軍医で、娘のB子さんも女医になることを夢見ていた。権とA子さん親子は急速に親しくなった。やがて、A子さんは権に娘のB子さんとの婚姻を懇願された。容姿端麗で頭の良いB子さんとの結婚は、権こそ願っていたので、A子さんの申し入れを快諾した。
だが、破綻は突然やってきた。権の母親がチマ・チョゴリ姿で下宿先を訪ねて来たのだ。権は在日朝鮮人であることを始めて知ったA子さんは態度を豹変しB子さんを連れて強引に引っ越してしまった。
大学を卒業しても、在日朝鮮人であるため就職先は見つからない、信頼していたA子さん一家も逃げるように居なくなった。権は自暴自棄になった。
昭和26年1月に、神戸市内の派出所から警官の制服を盗んだ。2月、制服を着て横浜に行き、立番していた警察官を外出させた隙に拳銃を盗んだ。翌27年2月に、盗んだ拳銃で京都の大和銀行祇園支店を襲撃して100万円を強奪した。
昭和29年には外車を盗もうとして運転手を殺害。初めての殺人で気後れして、暫くはおとなしくしていたが、一獲千金を狙って本事件を起こしたのだった。
昭和31年10月、大阪地裁は権に死刑を言い渡した。権は控訴しなかったが、外車窃盗で殺害された運転手の妻が敬虔なクリスチャンで、権に控訴を勧めた。感激した権は、その後控訴したが、昭和32年9月、持病の肺結核で獄死した。
- commented by 中村
- posted at 2007/12/15 18:50
- すみません。下の pdf の題名違ってました。
正しくは、
銃器使用犯罪の検挙件数の推移(平成14-18年)
です。
- commented by nob
- posted at 2007/12/15 14:52
- >交通事故の圧倒的な数の前に
交通事故は、死者数は減っていますが(それでも平成18年は6352人、30日死者は920人)、負傷者数が増えてますから(約百万人台で推移)ね。
ちなみに、
猟銃(空気銃を含む)等による事故の発生状況(平成14-18年)
http://www.npa.go.jp/hakusyo/h19/toukei/t2-06.pdf
殺人自体は減ってきているんですけどね…
- commented by nob
- posted at 2007/12/15 14:14
- おはようございます。きょうもよろしくお願いしますm(__)m。遊鬱氏や参考資料を持ってこられた中村氏やnob氏がコメンタリーに書かれているように日本の刑法犯は減少傾向にあります。 しかし、最悪のタイミングで佐世保の銃乱射殺傷事件が起きてしまったことは、メディアで妄言や戯言をを吐いているコメンテーターに格好のねたを提供してしまったと思っています。 日曜日のワイドや来週もニュース漫談はこのネタが大部分をしめるのでしょうね。Orz
(そういや美輪明彦は肉を食うから凶悪犯罪が増えてんだって女性週刊誌に妄言を書いていたな。 思わずオマエガイウナ!!とツッコミました。^^;)
もちろん、犯罪の減少は歓迎すべきことですが、マスゴミはその犯罪を何倍にして報道するんでしょうかね。
昔三十数年前に松下幸之助氏が書かれた「21世紀の日本」のなかに殺人事件が一面で掲載されるほど治安は良化するだろうとみたてられていた下りをみた覚えはありますが、まさかそれが実現し、マスコミがそれを煽る構図は想像できなかったでしょう。(松下政経塾を作ったのは、最大のミスでしたが。)
まあ、宮台、藤井の両氏についてはまた電波を発信しつづけているんだなと思うしかないです。
「俺以外の誰かが悪いんだ!!。」という思想の持ち主では
赤木氏もどう討論していいやらわからなくのも当然でしょう。 それでは本日はこれにて。 又よろしくお願いします。m(__)m
- commented by 又四郎
- posted at 2007/12/15 11:21
- 中村さん、おはようございます♪
あいかわらず反語だらけの皮肉コメントが素敵。
・<無免許運転>100歳男性を現行犯逮捕 仙台
>宮城県警仙台北署は14日、仙台市青葉区の無職男(100)を道交法違反(無免許運転)容疑で現行犯逮捕した。「運転していると緊張してぼけない。無免許運転は二度としません」などと話しているという。
>男は1人暮らしで、食事や買い物で運転していたといい、「車がないと移動できないので、生活のために運転している」と話しているという。(毎日新聞 12.14)
▲高齢者犯罪とはいえ、100歳とかさすがに想定外、記事開いた瞬間お茶を吹き出しました(謝罪と弁償をry)。しかし、私が一番違和感抱いたのは、この手の高齢犯罪で「無職」とかわざわざ付記することなんですが、今回はさすがに「有職」だったらむしろ怖すぎです(笑)
・「一般人巻き込み許せない」佐世保乱射で国家公安委長
>泉信也国家公安委員長は14日夜、大阪府泉佐野市で記者団に対し、「(佐世保の事件で)一般の方々が巻き込まれたことは大変許せない。警察をあげて暴力団の押さえ込みに取りかかってきたが、非常に残念な結果になった」と述べた。また、「暴力団抗争を根っこから抑える仕組みをもう一度考えたい。もっと厳しく対応しないと一般の方々に影響が及ぶ」と語った。(産経新聞 12.14)
▲結果、現時点での最新情報では、中村さんの見立て通り、暴力団関係者ではなさそうですね。本当、なんでもかんでも焼け太りに使うのは勘弁してほしいですよね。 - commented by 遊鬱◆jnhN514s
- posted at 2007/12/15 10:22
- nobさん、おはよーございます。
エントリーよりも濃密な資料をありがとうございます。交通事故の圧倒的な数の前に、通り魔やら少年による殺人が吹き飛ぶはずなんですが・・飛ばないですね_| ̄|○ 触法少年による殺人の推移みると、どのあたりが底抜けしたのかと本当にこのグラフをつきつけて、宮台を小一時間問い詰めたくなります。
私も自動車や風呂の危険性に比べて・・というリスク評価に関するネタに続く第三弾の数字見つけました。
・ハチ刺傷による死者数(厚労省人口動態調査)
1983年 47人
1984 73
1985 31
1986 46
1987 44
1988 35
1989 26
1990 45
1991 33
1992 31
1993 16
1994 44
1995 31
1996 33
1997 30
1998 31
1999 27
2000 34
2001 26
2002 23
2003 24
2004 18
今回の加古川・女児刺殺事件でまたぞろ小宮信夫が「環境犯罪学」をほざいています。
・現場分析「侵入も逃走も容易」 加古川・女児刺殺
>加古川市立別府小学校二年の鵜瀬柚希(うのせゆずき)さん(7つ)が自宅前で刺殺された事件を受け、犯罪社会学が専門の小宮信夫・立正大学教授が五日、現場周辺を歩き、「時間帯に関係なく外部から侵入しやすい半面、目に付きにくい場所」と指摘した。事件発生から六日で三週間。同教授に事件現場の特徴などを聞いた。(山岸洋介)
▲こいつ一人がこれだけの時間をこの手の事件が起こるたびにうろうろできるくらいの頻度でしか通り魔による犯行なんて起こらないということなんです><
>小宮教授は、防犯上危ない地点を地図上に記す「地域安全マップ」の提唱者。子どもが危ない場所を点検し、マップを作ることで、防犯につなげる活動の普及に取り組んでいる。
▲「地域安全マップ」の観点からすれば蜂が棲息できる環境を撲滅することが一番のはず(笑)
>十月二十七日に高砂市内での講演会後、現場に立ち寄ったが、五日、あらためて周辺を歩いた。柚希さんの自宅前は生活道路となっている市道。幅四・五メートルと狭いが日中は人や車の通行が多く、「見慣れない人がいても関心を持たれにくい」と指摘。地域は複数の幹線道路に囲まれているため「逃走経路を確保しやすい」とした。
▲それよりも蜂…。
>一方、犯行現場を見渡せるのは、柚希さん宅の正面にある家一軒のみ。一帯の見通しは悪くないが、周辺の家は事件現場側が壁になっていたり、大きな窓がなかったりするため、複数の視線は期待できない。「正面の家さえ警戒すれば、容易に犯行に及べたのでは」とみる。
▲だからそれよりは蜂を…。
>また、自宅東隣の空き家との間には高さ約二メートルの生け垣がある。生け垣との間にある幅約一メートルの路地か、自宅裏の畑に身を隠せる可能性も示唆した。一帯は新旧の住民が混在する地域。「危険な場所について、住民同士が話し合える関係を築くのが第一歩」と小宮教授。「ごみの放置をなくし、出会った人とあいさつを交わすなどコミュニティーを育てていけば、犯罪者に『見られている』と思わせ、犯行の機会を奪うことができる」と提言した。(神戸新聞 11.6)
▲生垣は確かに蜂が潜んでいそうで危険ですね!ってそういうことではないんでしょうな、だって蜂は挨拶交わそうがなんだろうが関係なく襲ってきますから常識的に考えて(笑) - commented by 遊鬱◆jnhN514s
- posted at 2007/12/15 10:03
- http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071214-00000962-san-soci
明らかにヤクザと違うと思うのですが・・・・。自分の利益に繋げたいんでしょうか?
それにしても、橋下はどうすれば落ちるでしょうね? - commented by 中村
- posted at 2007/12/14 23:13
- http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071214-00000135-mai-soci
高齢者犯罪・・・・・
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071214-00000406-yom-soci
これって、そこまででかでかと報道するような事なんでしょうか?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071214-00000014-mai-soci
しかし、銃犯罪が増えてるといいますが、ヤクザの抗争にたまたま行き会ってしまったから一時的に増加を見ているだけ、というのが正しいのではないでしょうか?それに、ボランティアってそんなに役立ってるんでしょうかね?目撃者の目前で犯罪やろうなんて発想する奴は居ないと思うのですが。激情犯ならともかく。
- commented by 中村
- posted at 2007/12/14 21:23
- 続き、
通り魔殺人事件
平成10年…認知事件数…10件、検挙事件数…10件
平成11年…認知事件数…6件、検挙事件数…6件
平成12年…認知事件数…7件、検挙事件数…7件
平成13年…認知事件数…6件、検挙事件数…6件
平成14年…認知事件数…8件、検挙事件数…6件
平成15年…認知事件数…9件、検挙事件数…9件
平成16年…認知事件数…3件、検挙事件数…3件
平成17年…認知事件数…6件、検挙事件数…6件
平成18年…認知事件数…4件、検挙事件数…4件
平成18年(1月-6月)…認知事件数…2件、検挙事件数…2件
平成19年(1月-6月)…認知事件数…3件、検挙事件数…3件
注:通り魔殺人事件とは、人の自由に出入りできる場所において、確たる動機がなく通りすがりに不特定の者に対し、凶器を使用するなどして、殺傷等の危害を加える事件をいう。
注:未遂を含む。
あと、交通事故に関するもので
http://www.npa.go.jp/hakusyo/h19/toukei/t3-03.pdf
http://www.npa.go.jp/hakusyo/h19/toukei/t3-08.pdf
- commented by nob
- posted at 2007/12/14 14:46
- 遊鬱さん、こんにちは。
高齢者の刑法犯、10年前の3倍…今年は4万5000人
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071214i201.htm
ちなみに、
http://www.npa.go.jp/toukei/index.htm
の平成19年上半期の犯罪情勢を見てみると、
少年による殺人は
平成10年…115人
平成11年…110人
平成12年…105人
平成13年…99人
平成14年…80人
平成15年…93人
平成16年…57人
平成17年…67人
平成18年…69人(1月-6月…29人)
平成19年(1月-6月)…27人
強姦、窃盗も減っています。
触法少年による殺人
平成10年…2人
平成11年…1人
平成12年…0人
平成13年…10人
平成14年…3人
平成15年…3人
平成16年…5人
平成17年…6人
平成18年…4人(1月-6月…1人)
平成19年(1月-6月)…2人
強姦は横ばい、窃盗は減っています。
- commented by nob
- posted at 2007/12/14 14:03