「どうゆう意味なんだ」

 

斎藤が頭を掻きながら歌麿に尋ねてきた。
意味がわかりかねるのだろう。

 

「私達は過去のエポック星に行くわけです。い
 わゆる次元の違うもう一つの世界です。そこ
 には当然私達と同じような生活をしている人
 達がいるわけです。私達は地球人ですから一
 年後のエポック星でもう一人の私達と会う機
 会はありません。しかしゆいさんと美里さん
 は違います。一年後のエポック星に行くとい
 う事は、もう一人の自分自身に会う可能性が
 あるということです」

「会ったらどうなるんだ?」

「わかりません」

 

歌麿はそっけなく言い切った。

 

「なんだ、それ」

 

呆れる斎藤に

 

「推論はあります。もし異次元の人物と衝突した
 らその物質は消滅すると」

「消滅?」

 

斎藤はチラリゆいと美里を見た。

 

「次元の自己治癒作用でその人物を消滅させると
 いう学説があります」

「そのまま何事もなく新しい関係が続くという学説
 もありますよ」

 

美里が横から言葉を添えた。

 

「確かにそんな学説もあります。要はわかっていな
 いということが重要なんです」

「最悪わたしとゆいは消滅する可能性があると仰り
 たいんですよね」

「右も左もわからぬエポック星で私達はこの先ずっ
 と暮らしていかなければなりません。そんな時唯
 一頼りにしたい、美里さんとゆいさんがいなくな
 るのは非常に困ります」

「ひどい、私達の命を心配してくれたのじゃないのですね」

 

美里は苦笑した

 

続話→

 

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