あらすじ    登場人物紹介  目次

 

話はどんどんおかしな方に進んでいく。

エポック星人が現れ、地球は破滅するという。
俄かには信じられない話だ。

杏も斎藤も黙ったままだ。
他の連中も気味悪そうに大園美里を見ている。

 

「湯川はエポック星でクーデターを起こしました
 クーデターは未遂で食い止めましたが彼らは四
 隻の宇宙船でエポック星を脱出してしまいまし
 た。当初は放置しておくつもりでしたが、彼ら
 がある惑星を消滅させる暴挙を目の当たりにし、
 さすがに放置はよくないと追い始めたのですが、
 なかなか捕まらずとうとう、地球にまで来てし
 まいました」

「惑星を消滅?」

 

歌麿の質問に

 

「湯川はエポック星乗っ取りをあきらめた代わり
 に他の星を乗っ取る暴挙に出たのです」

「壮大な話ですね」

「いえ、冗談では済まない話です。消滅させた星
 はアルワン星という地球よりも少し小さな星で
 すが、湯川は大気の成分が住むに適してないと
 わかると腹いせに星そのものを爆破して立ち去
 ったのです」

「星一つを消滅させるなど、簡単にできるのです
 か?」

「地軸にある種の爆弾を放りこめば、星そのもの
 の爆破はさほど難しい話ではありません」

「で、湯川は今度は地球に目を向けたと」

「地球は先程お話しましたように、エポック星と
 大気成分が酷似しています」

「つまり乗っ取りには適していると」

「湯川の考え方は極めて合理的です。エポック星
 で学んだのでしょうが、説き伏せるよりまずは
 破壊。その後新しい秩序を作る方が極めて合理
 的であると」

「まずは生き物を全て抹殺し、その後に新しい生
 物を宿らせる」

 

美里は歌麿の言葉にうなずいた。

 

続話→

 

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