あらすじ    登場人物紹介  目次


釈も窓際から降りてきた。

釈と斎藤、その前に山田とその部下二名、その
後ろには歌麿とゆいと真亜子。
山田達三人は皆銃を持っている。
銃口はそれぞれ、歌麿、斎藤、ゆいに向けられ
ていた。

「作戦参謀としてはどうするつもりなんだ」

「参謀として認めてくださったんですか」

「茶化すな」

斎藤の言葉に

「いい加減にしろ」

山田が怒鳴った。
掛け合い漫才みたいな歌麿と斎藤の話を遮断す
ると、山田は部下二人に目くばせし、壁際に移
動した。
歌麿と斎藤に挟まれた場所は具合が悪い。
まだ戦う気でいる。

「山田さん、もう終わりですよ」

「何が終わりなんだ」

歌麿を睨みつける山田に

「もうすぐ警察が来ます」

本当に警察を呼んだようだ。

「外の連中とあなたは逮捕されます」

「馬鹿野郎、その前にお前らがくたばるんだ」

「私らを殺れば罪が重くなるだけですよ」

「そんなこと最初からわかっている」

「誰に頼まれたんだよぅ」

斎藤が聞いてきた。

「俺が素直に答えるとでも思ったか」

「身体に聞かせてもらうわよ」

釈がずいと前に出るのを、斎藤が止めた。

「どのみち、お前は終わりだ、誰に頼まれた
 か教えてくれてもいいだろ」

「俺は終わりじゃない」

せせら笑う山田に

「私達を殺せば、あなたに仕事を頼んだ人が
 あなた達を助けてくれると、そんな約束で
 も交わしているのですか」

歌麿の言葉に、山田はニタリ笑うと

「さすが歌麿、よくわかったな」

「馬鹿かお前は」

斎藤が呆れ果てたという表情で山田を睨んだ。

「誰が馬鹿なんだ」

「お前に決まってるだろうに、どこぞの世界に
 死刑にもなりそうなお前を助ける慈善家、い
 るわけないだろうに」

「なんだと!」

「斎藤さんの言う通りですよ、依頼者はあなた
 に仕事をしてもらえばそれでいいだけ、あな
 たの救出なんか一かけらも考えてなんかいま
 せんよ」

「うるさい!」

山田は大声を上げた。

続話→










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