幸せってなんでしょうか。
まさに永遠のテーマですよね。

ところでこのほど、人を幸せにするものは何か?
ということがハーバード大学の75年間の研究で明らかになったそうです。

ハーバード大学に在学した268人の男性を対象に、卒業後も毎年健康診断と心理テストを行うことで、戦争、仕事、結婚や離婚、育児、老後といった彼らの人生を追跡調査したもので、2009年にThe Atlanticがこの調査をまとめているのですが、研究者によって新たに「何が人を幸せにするか?」ということが明らかにされました。

研究は1938年に開始されてから75年間にわたって続けられている、世界に存在する最も長期的な研究のうちの1つだそうです。
あまりに長期的なため、さまざまな研究結果が出ているのですが、この研究を30年以上指揮しているGeorge Vaillantさんが最も主張するのは、老年における幸福と健康、そして暖かな人間関係の3つの持つ強い相関関係です。

2009年にThe Atlanticの記事が発表された後、この相関関係の強さにおいて批評家が疑問を呈したため、Vaillantさんは1960年代の研究にまで立ち戻りデータを再調査、人生において人間関係が最も重要な要素であることを再確認しました。

例えば、「暖かな人間関係」の測定で高得点だった男性58人の年収は平均して年間1440万円で
55~60歳におけるピーク時の給料は、点数の低かった男性31人よりも多かったそうです。

また、「暖かな人間関係」を築けている男性は、そうでない男性に比べ専門的分野で成功を収めた人が約3倍もいたとのこと。
この時、母親との関係の暖かさは成年期に長期にわたって重要となることもわかりました。

調査から明らかになったことの1つは、幼年期に母親と暖かな関係が築けていた男性は、そうでない男性よりも約890万円も年収が高いということ。
2つ目は、幼年期に母親との関係が乏しかった男性は、老年において痴呆を発症する可能性が高いということ。
そして、専門家の人生の後期において、少年期における母親との関係は仕事の効率性に関係するということです。

一方で、幼年期における父親との関係は、成年期の不安や休暇の楽しみ、老年期における人生の満足度とはあまり相互関係がなかったとのこと。
また、老年期における人生の満足度と幼年期における母親との関係にもあまり重要性は見当たらなかったそうです。

2009年に公開されたThe Atlanticの記事によると、金銭は生活に必要なだけ確保されていれば、それ以上は必ずしも幸せにつながるとは限らず、むしろ、愛・思いやり・感謝・希望・信頼・寛容さなどポジティブな感情が人の幸福に効果をもたらすとされています。

一方で、ネガティブな感情はストレスに対する防御反応を生み出しますが、ポジティブな感情はネガティブなものよりも人を拒絶や傷心に直接さらす恐れがあり、短期的に見ると、ポジティブな感情はネガティブなものよりも人間をより傷つきやすくすることも明らかとなりました。

Vaillantさんは数々のケーススタディーから導きだしたこととして、アルコール中毒の持つ破壊力を指摘しています。
アルコールは離婚の主たる原因であり、さらに離婚はノイローゼやうつと関連するとのこと。
ノイローゼやうつがアルコール中毒をもたらすのではなく、アルコール中毒が最終的にうつやノイローゼをもたらすのです。
また、タバコも罹患率を高める大きな要因であり、喫煙の前には人間の知能は重要な問題となりません。

IQについて言うと、IQ、110~115の男性の間、そしてIQ、150以上の男性の間には収入の差はほどんどないとされています。

性生活に関しては、政治的なイデオロギーと人生の満足感とは無関係ですが、保守的な男性は平均して68歳で性的な関係を終えるのに対し、自由主義の男性は80代まで性生活を続けるという結果が出ました。
「泌尿器科の専門家に意見を求めましたが、彼らにも原因はわからないとのことです」とVaillantさんは語ります。

2000万ドル(約20億円)をかけた75年の研究によって様々な研究結果が出ていますが、「人間の幸福」という観点で見た時に導き出せるのは、非常にシンプルな結論となりました。

それは、「幸福とは愛です。それ以上の何物でもありません」とVaillantさんは語っています。

なんともまあ、当たり前すぎて、素晴らしい結論なことでしょうか。

ああ、愛に包まれた生活が、、し、た、い、、です。