夏に
駅のホームで ツガイの鳩を見た。
仲良く2羽でホームにいたが、不思議なことに
電車がホームに入って来ても
鳩は飛び立とうとしなかった。
人の乗り降りする 忙しいホームの
自動販売機の隅に隠れ 電車が出るまで身を寄せている
この不思議な行動に
バックから出したメガネをかけ、その鳩を見たら・・・
絶句してしまった。。。
電車の座席に座りながら
ポロポロと涙が出てきて 可哀想にと切なくなった。
秋に
友人とランチに向かう途中 ツガイの鳩を見た。
あの時の鳩だろうか?と おしゃべりに夢中な友人を横目に
鳩の行方を目で追えば
夏に見た時より、少し大きくなったのか?
鳩の左足元を見れば、判断できるのだ。
やはりあの鳩だった。
生きていたんだと 安堵した。
冬に
夕方の駅前の 円形バスターミナルを歩いていたら
寝袋にくるまり寝ている浮浪者の ベンチの下にツガイの鳩を見た。
鳩の左足元をみたら、やはりあの鳩だった。
少し離れた信号待ちの所で 眺めていたら
こちらにヨチヨチと来るから、何か餌になるような物と
持っていたスーパーの袋を探ったが、適当な物がないから
ごめんね~何もなくて と声をかけ信号を渡った。
おやすみなさいに♪
夏に見たあの鳩の
ツガイの小さな方は 左足の指先がなく
刃物で切られたか?小さな体には血が滲んでいた。
馬鹿な奴に 傷つけられたのだろうか?
ヒトに懐く素直なコほど、こういう目に合うのだ。
あれでは飛んでも 着地ができないだろうから
もう一羽の大きな鳩が、弱者を守っていたのだろう。
秋に見たあの鳩の
左足は、指先がまあるくタコのように膨らんでいた。
こうやって少しずつ、癒しているのだろうか?
冬に見たあの鳩の
足元の左指先は肉塊のようだが、安定している
動きは遅いが、あのもう1羽がしっかり寄り添っていた。
と 言われたようで
それでもヒト(私)の側に
言葉はなくても 充分伝わるから。