新宿駅の雑踏の中で、ポン!と肩を叩かれ,

振り返ると 友人(ボニーちゃんのママ)だった。


4年前に引越しをされて以来だったので、

4年ぶりの再会だった。


ねむ


ボニーちゃんは、真っ黒けのラブラドールリトルバー

遊びに行くと、大きな体で尻尾いっぱい振って
お出迎えをしてくれる子だった。


4年前の・・・

今頃の寒い夕方に 彼女から電話が入った。
「ボニーの様子がおかしいの
一番近い夜間診療所をおしえて」



彼女が帰宅すると、いつも玄関までお迎えにくるのに
トイレシーツの上で 横になっていたという。


「ボニー」 名前を呼ぶと、むくっと顔をあげ
いつものように、尻尾をふり立ち上がろうとするが
立ち上がれない。
腰を抜かしているようだった。


シーツには、外でしかしたことのない便があった。


普段と違うボニーちゃんの様子を察し
慌てて毛布で包み、さすっていると、

彼女の膝に顔をのせて
静かに、じっと、彼女を見つめていたという。


「そばにいて」・・・と言っている様だったという。


まもなく彼女の子供たちが帰宅。
娘のあっこちゃんに お膝が変わり
野球部のお兄ちゃんに お膝が変わる。


そのたびにに 腰の立たないボニーちゃんは
尻尾を振って、立ち上がろうとする。


ご主人が帰宅し

抱っこして車の後部座席に寝かせると、

ボニーちゃんは車の窓から 

家の玄関を見上げていたそうだ。


10分後
夜間診療所に向かう途中だったが、彼女は車を止めた。


バックミラーから見えるボニーちゃんを見て
何を言おうとしているのか、やっと、わかったのだ。


「そばにいて」・・・


後部座席の 大きな体をさすりながら
ボニーちゃんは、彼女の膝の上で逝った。
7歳だった。


ずっと首を上げ 必死で
運転する彼女を見上げていたボニーちゃん。


なんでも

心臓発作をおこしていたらしい。
ビックリして腰を抜かしていたらしい。

苦しかったろうに・・・

家族の皆を待って・・・ 

いつものように「おかえり!」をしてから・・・

逝きたかったんだろうね。


s


あの時、中学生だったお兄ちゃんは
大学の獣医学科に入ったという。


彼女も仕事が忙しいそうで
なかなか会えないねえ~なんて話しをして
しかし、あれ以来犬は飼っていないという。


長い立ち話を終えて 私は電車に乗り込んだ。


別れ際

「ふうちゃんもお留守番が多いけれど
いつか逝く時は 待ってってくれる子だから」


という彼女の言葉に気がついた!


f


いつも待っている子は
いつも「そばにいて」・・・と思っているのだろう。


「待たせてごめんね」というこちらの気持ちが、

いつもキャッチボールのように 続いている・・・


逝く時もいつもと同じように 「おかえり!」をして・・・


なんて!いとおしい、いじらしい子だったのだろう・・・


電車の中で、

溢れそうな気持ちを抑えて 自宅に向かった。


お出迎え

ふうちゃんは、
いつものように くちゃくちゃの笑顔で
いつものように 「おかえり!」をしてくれた。


私は、

いつものように「ただいま!」をして ふうちゃんを撫でた。


ずっと、そばにいるからね。
ずっと、「おかえり!」をしてね。


ボニーちゃんとママが気づかせてくれた。
犬と飼い主の「気持ちのキャッチボール」を
私もふうちゃんとこうやって続けていくだろう。


さようならボニーちゃん。
ありがとうふうちゃん。


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・・・ありがとうふうちゃんガチャピン