神楽坂「ふしきの」 営業日記 -203ページ目
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店名の由来



神楽坂「ふしきの」 営業日記


店名である「ふしきの」は、不思議や禅語の不識にも通じる言葉。


実は、それだけでなく、千利休にもご縁がある言葉です。


利休居士が、かの有名な竹一重切花入「園城寺」を作ったとき、
花入自体は、息子である千少庵に伝来しますが、
そのとき「武蔵鐙の文」という書簡を古田織部に宛てています。


「筒ふしきのを切出申候」


それが「武蔵鐙の文」に千利休が書いた言葉。
「思い掛けない竹に出会って、花入を切り出してみた」
といったような意味なのでしょうけど、
きっとあまりにも素晴らしい花入ができたため、
弟子の織部にそのことを伝えたくて仕方がなかったのだと思います。


利休居士にご縁のある言葉を店名に選ぶことで、
茶の湯の精神を少しでもお店のサービスに取り入れられたらと、
そんな想いから店名をつけさせていただきました。


「ふしきの」の名の通り、今までにない一盃、
思い掛けない一盃を皆様に提供し続けてまいりたいと存じます。


※店名の書は、矢萩春恵先生にお書きいただきました。

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