【怪しいおやぢ】です。
『類聚 世話 百川合海』
(るいじゅ せは ひゃくせん かっかい)から……
諧(かたこと)ながら、「か」の字の部。
『強盗の逆捩垂』
(がんどうのさかねだり)
【がん】は、強の『唐音』
捩は、ねじる、もじる、
垂は、たれる。
捩(ねじ)垂(たれる)で、ねだりの当て字。
盗みに入った上で、立場を弁えず、さらにあれこれ要求することをさします。
饅頭の皮だけ見せて、餡はお預け……の世界とそこはかとなく似ているような。
「晩飯奢らせといて、土産までねだるのか」みたいな。
さて。
この強盗(がんどう)は、ほとんど読まれなくなりましたが、たまに時代劇などで耳にしたり眼にしたりすることがあります。
龕灯(がんどう)=強盗提灯(がんどうちょうちん)と呼ばれるものです。
携帯用の提灯で、ラッパのような形をしていて、中に二重の輪があって、そこに蝋燭が立っています。
提灯そのものをどちらに向けても、輪が自在に回転して蝋燭が常に垂直になるように工夫されたものです。
強盗が使うからとも、強盗を捕まえるときに使うからとも言いますが、実に良くできた提灯だと言えます。