大女優ローレン・バコール追悼。。
大女優のローレン・バコールが米国時間8月12日に死去しました!89歳だったそうです。
晩年まで女優活動を続けアカデミー名誉賞を受賞したローレン・バコールは、「ザ・ルック」と呼ばれる独自のスタイルを確立したハリウッドきってのクール・ビューティーであり、まさにアメリカ映画史を代表する大女優でした。
89歳といえば大往生ですが、ハリウッドの数々の名作に出演し、クール・ビューティーとしてスクリーンと観客を魅了したその姿、ローレン・バコールの訃報には、やはり一抹の寂しさがありますね。。。
大女優ローレン・バコール逝く@GQJAPANより
http://gqjapan.jp/entertainment/news/20140813/rip-lauren-bacall
さて、ローレン・バコールといえば『三つ数えろ』です!ボギーです!ハワード・ホークスです!
『三つ数えろ』は、ローレン・バコールの代表作であるとともに、アメリカ映画史に残る名作中の名作であります。
個人的にも、アメリカ映画ベスト10に入る最高傑作『三つ数えろ』を紹介して、ローレン・バコール追悼に代えたいと思います。
『三つ数えろ』1946年アメリカ映画
監督:ハワード・ホークス
原作:レイモンド・チャンドラー
出演:ハンフリー・ボガート、ローレン・バコール
<ストーリー>
私立探偵フィリップ・マーロウは、大富豪のスターンウッド将軍から、二人姉妹の妹のカルメンへの脅迫事件の調査を依頼される。
しかし姉のヴィヴィアンは、マーロウに懐疑的で不遜な態度をとる。
調査を始めたマーロウは、張り込み中に殺人事件に遭遇するが、その事件には妹のカルメンが関係していた…。
映画『三つ数えろ』は、レイモンド・チャンドラーの探偵小説『大いなる眠り』をハワード・ホークスが映画化したハードボイルド映画で、映画ファンなら知らない人はいないほど有名な映画ですね。
軽口を叩くタフガイ探偵ハンフリー・ボガートと、ボガート相手に挑戦的で傲慢な態度で渡り合うローレン・バコールのやり取りは、何度みても震えるほど素晴らしいです!
一つとして無駄なシーンが無く、観ていて一瞬たりとも飽きないシーンの連続です。
ハワード・ホークスの演出は、緊張感の中にも必ずユーモアを入れこみ、次々と展開するストーリーとアクションで、映画に引き込まれます。
まさに、スマートで知的な大人の観客のためのハードボイルド映画ですね!
どのシーンもハワード・ホークス監督の素晴らしい演出で溢れています。
『三つ数えろ』予告編
「ザ・ルック」と呼ばれる、ローレン・バコールの上目遣いの表情は、映画『脱出』のカメラテストの際に、緊張を隠すために上目遣いで演技をしたためだと云われています。
また、バコールの独特のハスキーボイスは、ハワード・ホークス監督の指導によって、作られたものです。
ホークスに、低い声を保つように発声の訓練をしろと云われ、4か月間一人で発声の訓練を行い、その結果デビュー作『脱出』のヒロイン役に選ばれたのです。
(書籍「ハワード・ホークス「映画」を語る」より)
この独特の低い声と上目遣いの表情はローレン・バコールのアイコンとなり、クール・ビューティーとして一躍ハリウッドのトップ女優になったのです。
映画『三つ数えろ』は、ハンフリー・ボガートとローレン・バコールの役者としての魅力と存在感、そしてハワード・ホークスの優れた演出力が最高に組み合った映画史に残る傑作ですが、この作品の大成功には、有名な裏話があるのをご存じでしょうか?
じつは『三つ数えろ』には、1945年版と1946年版の二つの版が存在しています。
映画は1945年に完成していましたが、当時は第二次大戦中のため戦争映画がメインで、探偵物の『三つ数えろ』は戦後公開を予定していました。
さらに、バコールのデビュー作である『脱出』1944年はヒットしたが、バコールのキャリアが浅かったため第2作目の『密使』1945年は評判が悪く、人気はいまいちでした。
『三つ数えろ』を試写で観たバコールのエージェント・フェルドマンは、ジャック・ワーナー社長に手紙を書き、このまま公開しても作品は成功しないとリテイク撮影の必要性を指摘しました。
その手紙に納得した、ワーナー社長は、1年後にリテイク撮影を行います。
リテイクしたシーンは、「妹を屋敷に送り届けてバコールに会うシーン」、「探偵事務所にバコールが訪れるシーン」、「酒場で二人が出会うシーン」「アジトで捕まり水を掛けられるシーン」その他、細かい修正箇所がたくさんあります。
ハワード・ホークス監督は、バコールの演技を『脱出』で成功した、挑戦的で傲慢な演技を強調するとともに、ボガートとバコールの関係がより親密さを増すように、台詞も編集も変更したのです。
発売中の特別版[DVD]には、1945年版と1946年版の二つの版が収録されているので、見比べるととても興味深いです。
一つの名作、一人の名女優が誕生する裏には、いろんな背景や物語があるのですね。
名作は単なる偶然で作られるものではなく、多くの映画人の努力と試行錯誤で創られるものなのですね!
ローレン・バコールの出演作は他にも『キー・ラーゴ』『百万長者と結婚する方法』『風と共に散る』等の名作がありますが、やはり何といっても、『三つ数えろ』が最高です!
ローレン・バコールの名は、名作『三つ数えろ』とともに、映画史に深く記憶されることでしょう。
ご冥福をお祈り申し上げます。m(_ _ )m
三つ数えろ 特別版 [DVD]/ハンフリー・ボガート,ローレン・バコール,マーサ・ビッカーズ
¥2,160
Amazon.co.jp
晩年まで女優活動を続けアカデミー名誉賞を受賞したローレン・バコールは、「ザ・ルック」と呼ばれる独自のスタイルを確立したハリウッドきってのクール・ビューティーであり、まさにアメリカ映画史を代表する大女優でした。
89歳といえば大往生ですが、ハリウッドの数々の名作に出演し、クール・ビューティーとしてスクリーンと観客を魅了したその姿、ローレン・バコールの訃報には、やはり一抹の寂しさがありますね。。。
大女優ローレン・バコール逝く@GQJAPANより
http://gqjapan.jp/entertainment/news/20140813/rip-lauren-bacall
さて、ローレン・バコールといえば『三つ数えろ』です!ボギーです!ハワード・ホークスです!
『三つ数えろ』は、ローレン・バコールの代表作であるとともに、アメリカ映画史に残る名作中の名作であります。
個人的にも、アメリカ映画ベスト10に入る最高傑作『三つ数えろ』を紹介して、ローレン・バコール追悼に代えたいと思います。
『三つ数えろ』1946年アメリカ映画
監督:ハワード・ホークス
原作:レイモンド・チャンドラー
出演:ハンフリー・ボガート、ローレン・バコール
<ストーリー>
私立探偵フィリップ・マーロウは、大富豪のスターンウッド将軍から、二人姉妹の妹のカルメンへの脅迫事件の調査を依頼される。
しかし姉のヴィヴィアンは、マーロウに懐疑的で不遜な態度をとる。
調査を始めたマーロウは、張り込み中に殺人事件に遭遇するが、その事件には妹のカルメンが関係していた…。
映画『三つ数えろ』は、レイモンド・チャンドラーの探偵小説『大いなる眠り』をハワード・ホークスが映画化したハードボイルド映画で、映画ファンなら知らない人はいないほど有名な映画ですね。
軽口を叩くタフガイ探偵ハンフリー・ボガートと、ボガート相手に挑戦的で傲慢な態度で渡り合うローレン・バコールのやり取りは、何度みても震えるほど素晴らしいです!
一つとして無駄なシーンが無く、観ていて一瞬たりとも飽きないシーンの連続です。
ハワード・ホークスの演出は、緊張感の中にも必ずユーモアを入れこみ、次々と展開するストーリーとアクションで、映画に引き込まれます。
まさに、スマートで知的な大人の観客のためのハードボイルド映画ですね!
どのシーンもハワード・ホークス監督の素晴らしい演出で溢れています。
『三つ数えろ』予告編
「ザ・ルック」と呼ばれる、ローレン・バコールの上目遣いの表情は、映画『脱出』のカメラテストの際に、緊張を隠すために上目遣いで演技をしたためだと云われています。
また、バコールの独特のハスキーボイスは、ハワード・ホークス監督の指導によって、作られたものです。
ホークスに、低い声を保つように発声の訓練をしろと云われ、4か月間一人で発声の訓練を行い、その結果デビュー作『脱出』のヒロイン役に選ばれたのです。
(書籍「ハワード・ホークス「映画」を語る」より)
この独特の低い声と上目遣いの表情はローレン・バコールのアイコンとなり、クール・ビューティーとして一躍ハリウッドのトップ女優になったのです。
映画『三つ数えろ』は、ハンフリー・ボガートとローレン・バコールの役者としての魅力と存在感、そしてハワード・ホークスの優れた演出力が最高に組み合った映画史に残る傑作ですが、この作品の大成功には、有名な裏話があるのをご存じでしょうか?
じつは『三つ数えろ』には、1945年版と1946年版の二つの版が存在しています。
映画は1945年に完成していましたが、当時は第二次大戦中のため戦争映画がメインで、探偵物の『三つ数えろ』は戦後公開を予定していました。
さらに、バコールのデビュー作である『脱出』1944年はヒットしたが、バコールのキャリアが浅かったため第2作目の『密使』1945年は評判が悪く、人気はいまいちでした。
『三つ数えろ』を試写で観たバコールのエージェント・フェルドマンは、ジャック・ワーナー社長に手紙を書き、このまま公開しても作品は成功しないとリテイク撮影の必要性を指摘しました。
その手紙に納得した、ワーナー社長は、1年後にリテイク撮影を行います。
リテイクしたシーンは、「妹を屋敷に送り届けてバコールに会うシーン」、「探偵事務所にバコールが訪れるシーン」、「酒場で二人が出会うシーン」「アジトで捕まり水を掛けられるシーン」その他、細かい修正箇所がたくさんあります。
ハワード・ホークス監督は、バコールの演技を『脱出』で成功した、挑戦的で傲慢な演技を強調するとともに、ボガートとバコールの関係がより親密さを増すように、台詞も編集も変更したのです。
発売中の特別版[DVD]には、1945年版と1946年版の二つの版が収録されているので、見比べるととても興味深いです。
一つの名作、一人の名女優が誕生する裏には、いろんな背景や物語があるのですね。
名作は単なる偶然で作られるものではなく、多くの映画人の努力と試行錯誤で創られるものなのですね!
ローレン・バコールの出演作は他にも『キー・ラーゴ』『百万長者と結婚する方法』『風と共に散る』等の名作がありますが、やはり何といっても、『三つ数えろ』が最高です!
ローレン・バコールの名は、名作『三つ数えろ』とともに、映画史に深く記憶されることでしょう。
ご冥福をお祈り申し上げます。m(_ _ )m
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