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このお人形さん、

賛否両論あります。

 

実は、これは、

 

ダウン症の子どものお人形。

この人形はダウン症の子供達が自分を理解し、受け入れることの助けとなるようにデザインされたものです。

障害のない子供達のおもちゃとしても理想的で、教育的にも有益です。
この人形の外見は他の人形よりも思いやりの心を助長します。
この人形と遊ぶことから学び、背景を認識することでダウン症をより理解し、受け入れることに役立ちます。

特に、小児病院、幼稚園、保育園、Down Syndrome Associationなどで成功をおさめています。
丸い顔立ち、短い指、特徴的な眼、親指と人差し指の間が普通より少しあいているなどの
ダウン症の身体特徴がみられます。


 

ということで、制作・販売されています。

 

そう、外見上の特徴があるのです。
 

今回は、かなりナーバスな話です。

でも、今回の話から、ちょっとした子育てのヒントを得ていただければ・・・と思います。


 

 

ダウン症は、みなさんもよくご存じのように、

 

染色体異常です。

 

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A6%E3%83%B3%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4

 

1866年 に英国の眼科医ジョン・ラングドン・ハイドン・ダウン が論文『白痴の民族学的分類に関する考察』でその存在を発表(学会発表は1862年)。最初は「目尻が上がっていてまぶたの肉が厚い、鼻が低い、頬がまるい、あごが未発達、体は小柄、髪の毛はウェーブではなくて直毛で薄い」という特徴を捉えて「Mongolism(蒙古人症)」または「mongolian idiocy(蒙古痴呆症)」と称され、
発生時障害により人種的に劣ったアジア人のレベルで発育が止まったために生じると説明されていた。”


 

つまり、19世紀の白人間では、人種差別的な考察に基づいて考えられていたので、

 

白人から見れば典型的なアジア人は、

皆、

 

蒙古人症=ダウン症に分類されていたのです。

 


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しばらく後、アジア人にも蒙古人症がいるということが報告されて、

 

初めてこの人種差別的な考えは否定されました。
(が、実は今でも白人の研究者の中に根強くこの偏見は息づいています。。。。)

20世紀中ごろに染色体異常によって引き起こされていることが判明し、

 

WHOにより蒙古人症⇒ダウン症候群と改名されたのです。

 

それにしても白人は、かつて、アジア人の典型=ダウン症候群だと思っちゃってたんですから、

私たち日本人にとって、そういう経緯はちょっと複雑な思いがしますよね?


 

 

ダウン症の臨床像 を見てみると、

 

知的障害 先天性
心疾患 低身長、肥満筋力の弱さ頸椎 の不安定性眼科的問題(先天性白内障、眼振、斜視、屈折異常)、難聴 があるが、必ず合併するわけではない。新生児期に哺乳不良やフロッピーインファントのような症状を示し特異的顔貌、翼状頚、良く伸展するやわらかい皮膚などから疑われることもある。青年期以降にはストレスから来るうつ症状・早期退行を示す者もいる。男性の場合モザイク型を除き全て不妊となる一方、女性の場合多くは妊娠が可能であるが、胎児のダウン症候群発症率は50%である(ただし多くは自然流産となる)。陽気な性格でありながら、病的な気分屋・頑固な性質である。40歳以降にアルツハイマー病 が高確率でおきる。 とある。




で、先日、ODOで貴重な映像と臨床例を拝見し、

 

歯科医としてこれらの症候群を考察したとき、

ビビビ~~と!!

 

つまり、ダウン症の子どもは、全身の筋力が弱いので

舌の位置も上がらない!

 

あ、それ、当然!

 

舌は口腔内にある最大の筋肉の塊なのだから、

 

全身の筋肉がダランとしていたら、

 

舌は低位になってしまうのは仕方ないですよね!

 

低位舌(舌に力がないこと)になるとまず、最初に哺乳不良になるのは当たり前。

 

母乳保育をしようと思っても、

 

それはかなり困難。

 

母乳って、赤ちゃんに必死になってもらって、強い力で吸われ続けないと出ない。

 

赤ちゃんが一生懸命、時には怒りながら・ひっぱりながら・噛みながらお母さんのお乳を吸ってくれないと、母親のスイッチは入らないので、

 

母乳がいきなり溢れるように飛び出るってことは困難。

 

ブラジャーが当たりまえになっている昨今では特にそう、

 

乳腺が開通するには、

 

赤ちゃんの必死の努力が絶対に必要!

 

筋力=舌の力のない赤ちゃんにとっては

 

それは、無理・・・

 

で、哺乳瓶保育へと移行してしまう。

 

万が一、いきなり母乳がピューピュー飛び出るお母さんだったら、

 

それはそれで栄養的にはOKなんだけど、

 

実は赤ちゃんのお口の機能は育ちにくい(^_^;)

 

赤ちゃんが舌を上顎にグイグイ押し付けて授乳の際に毎回毎回自然に舌トレしてくれることがその後の発達にとって望ましい。

 

お母さんのおっぱいと、赤ちゃんのお口の機能獲得(成長)は、

 

同期していることが一番望ましいのです。

 

が、

 

ダウン症の子どもは、

 

命がけでお乳を吸おうとする筋力が不運にも少ないので、

 

お母さんの身体も反応しなくなり、

 

結果、哺乳瓶で育てることにたいていなります。

 

(もちろん、これは、ダウン症の子どもに限らず低体重児出産した赤ちゃんのケースでもあり得るし、お母さんが母乳保育を早々に放棄した場合でもあり得ますから、ダウン症児に限らないことですよね)

 

するとその子の舌は全く鍛えられることがなくなるので、

 

低位舌は低位舌のまま

次のステージに

持ち越されることになります。

 


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すると、

 

この赤ちゃんは、

 

自然とお口が開き気味になりますから、

 

お口で呼吸をする習慣がどうしてもついてしまいます。

 

お口で呼吸すると、

 

扁桃腺が腫れます。


http://ameblo.jp/funahashishika/archive-201108.html
http://ameblo.jp/funahashishika/archive-201108.html


扁桃腺が腫れると気道が狭くなります。

 

狭い気道で必要な酸素量を確保し続けるために

 

赤ちゃんのお口はさらに開きっぱなしになります・・

 

また、お口で呼吸をする習慣では、体幹の筋肉(インナーマッスル)を使うことがありません。

 

代謝も悪くなり、肥満へとつながります。

 

また、生きていくことで精いっぱいなため、知的な活動は制限されます。

 

あなたも風邪などで、お鼻が詰まってお口が開いちゃうと頭がボ~~っとするということを経験したことありますよね?

 

神経や脳細胞の発育が最も盛ん出るべき時に、始終お口が開いていると、

 

知的障害へと移行することは容易に想像できるでしょう。

 

睡眠中、お口が開いていると、

 

睡眠の質が低下します。

 

睡眠の質が悪いと成長ホルモンの出が悪くなり身長の伸びが悪いだけでなく、

 

身体自体も弱ってしまいます。。。。。

というように、筋力がない・神経筋機構の発育が悪いことが、

ダウン症児の身体的特徴へとつながっていっている可能性が高いと思うのです。

また、ダウン症ではなくても、

 

マウスブリーダー(口呼吸をしている子ども)の特徴と重なっている点も

ビビビですね!


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ふつう、元々障害がない健常な赤ちゃんの場合、

 

お口を開けていても、

吸綴反射というものがありますから、

 

お口をツンツンとつつくだけで

 

自然とお口を閉じてくれるので、

 

その期間は、この反射を利用すれば簡単に鼻呼吸を獲得させることが可能になります。

 


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しかし、ダウン症の子どもでは、

 

このような正常な反射が期待できないケースもあります。

 

また、ふつうならば口腔内におしゃぶりなどを入れると反応があるものですが、

 

そういう反応さえ期待できないケースもあります。

 

そこで、歯科では、

 

舌の位置をあげる装置などを使用して

 

このような非常に難しい子どもさんに対応した治療を行って、

 

良好な成果を上げていくことが出来ます。

 

もしもあなたの子どもがダウン症ならば、

 

大学病院やダウン症をたくさん治療している歯科医院(小児科)を受診して

 

相談してみてください。

 

ある程度の年齢になったら、下顎の歯に舌を挙げる固定装置を装着するなどすれば、

 

お口が自然に閉じるようになり、

 

身体全身の筋力がなくても顔や歯並びだけは、

 

ほとんど正常者に近く育てることが可能になります。

 

お口さえ上手に閉じれば、かなり可愛い顔立ちになるはずです。

 


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ほら、いろんな特徴を書かれていても、

 

これがもしも日本人ならば、ちゃんと可愛いし、美人のはずでしょ?

早期にお口を閉じることが出来、

 

鼻呼吸がちゃんと獲得でき、

 

おまけに舌までちゃんと挙げることまでできれば、

 

悪循環をた断ち切ることが出来そうでしょ?

 


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この子も、笑筋や、口角を挙げる筋肉をもう少し意識して鍛えれば、

 

お口のへの字が解消されるはずですから、

 

とっても可愛い!

 


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ほら、可愛い!



反対に、染色体も遺伝子も正常に生まれたはずなのに、

 

お口を閉じることが出来ずに

 

舌の位置も下がってしまっている子どもや大人が

 

最近はとっても増えてきているのですよ(^_^;)

 

まあ、そういう子どもは、

 

ちゃんとT4Kみたいな簡単な装置を上手に使えば、

 

自分の力で治っていくことが出来ますから、

 

何も痛々しい固定装置をはめる必要はないはずなのですけどね。。。

 

 

 

歯科って、隠れたところで悩める方たちのお役にちゃんとたっているのですよ。

 

お母さんや、周りの大人がおかしいなと感じる力を持っておくこと、

 

そうすれば、

 

ちゃんと専門家へ相談する道が開け、

 

悪循環への道を断ち切ることが出来るはずです。

 

困ったり悩んだら、一人で抱え込まないで、

 

ちゃんと専門機関に相談してくださいね(*^_^*)

 

 

**************

 

以下、引用となります。

矯正器具などを使って歯並びを整える歯列矯正は基本的に自費診療になりますが、

厚生労働省が定めている先天異常の病気と変形症に対する外科的な矯正治療保険が適用されます。



 対象となる先天異常の病気は以下の通りです。

  1. 唇顎口蓋裂
  2. ゴールデンハー症候群(鰓弓異常症を含む。)
  3. 鎖骨頭蓋骨異形成
  4. トリーチャ・コリンズ症候群
  5. ピエール・ロバン症候群
  6. ダウン症候群
  7. ラッセル・シルバー症候群
  8. ターナー症候群
  9. ベックウィズ・ウイーデマン症候群
  10. 顔面半側萎縮症
  11. 先天性ミオパチー
  12. 筋ジストロフィー
  13. 脊髄性筋委縮症
  14. 顔面半側肥大症
  15. エリス・ヴァンクレベルド症候群
  16. 軟骨形成不全症
  17. 外胚葉異形成症
  18. 神経線維腫症
  19. 基底細胞母斑症候群
  20. ヌーナン症候群
  21. マルファン症候群
  22. プラダー・ウィリー症候群
  23. 顔面裂
  24. 大理石骨病
  25. 色素失調症
  26. 口腔・顔面・指趾症候群
  27. メビウス症候群
  28. 歌舞伎症候群
  29. クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群
  30. ウイリアムズ症候群
  31. ビンダー症候群
  32. スティックラー症候群
  33. 小舌症
  34. 頭蓋骨癒合症(クルーゾン症候群、尖頭合指症を含む。)
  35. 骨形成不全症
  36. フリーマン・シェルドン症候群
  37. ルビンスタイン・ティビ症候群
  38. 染色体欠失症候群
  39. ラーセン症候群
  40. 濃化異骨症
  41. 6歯以上の先天性部分(性)無歯症
  42. CHARGE症候群
  43. マーシャル症候群
  44. 成長ホルモン分泌不全性低身長症
  45. ポリエックス症候群
  46. リング18 症候群
  47. リンパ管腫
  48. 全前脳胞症
  49. クラインフェルター症候群
  50. 偽性低アルドステロン症
  51. ソトス症候群
  52. グリコサミノグリカン代謝障害(ムコ多糖症)
  53. その他顎・口腔の先天異常
 

顎・口腔の奇形、変形を伴う先天性疾患であり、当該疾患に起因する咬合異常について、歯科矯正の必要性が認められる場合に、その都度所轄の厚生(支)局で内議の上、歯科矯正の対象とすることができますので専門施設にてご相談ください。


 

外科矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは?

 

自由診療における歯科矯正治療は保険適用外ですが、

厚生労働大臣が定める上記疾患に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療、

ならびに顎の外科手術を要する顎変形症の手術前、手術後の矯正歯科治療、および前歯3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするもの)に限り保険診療の対象となります。

これら保険適用される医療機関は、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関のみになります。

 

保険適用される矯正歯科治療を行うことができる医療機関リスト

 

この名簿は、上記の別に定める施設基準に適合しているとして、地方厚生(支)局長に届け出た日本矯正歯科学会会員の所属する医療機関であり、保険適用される矯正歯科治療を行うことができる保険医療機関名です。

 

名簿右側の「障」は「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常および前歯3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするもの)の矯正歯科治療が保険適用される医療機関(歯科矯正診断料算定の指定医療機関)であり、 「顎」は顎変形症の矯正歯科治療が保険適用される医療機関(顎口腔機能診断料算定の指定医療機関)です。

この名簿内容は年度により変更となることがありますので、この名簿の医療機関にご紹介された場合、または受診を希望される患者さんは、あらかじめ各医療機関に「保険適用となるか」直接ご確認されるようお願いいたします。