去年から、
田舎にも筋機能矯正を考える研究会というものができ、
総勢50名を超える県下最大規模のスタッフ数を誇る
たい矯正歯科勤務医:金尾先生が主催されている勉強会です。
今はすでにないです。ただ、この金尾先生は開業されて8台のチェアーを備えた小児向け歯科医院を作られました。
今後は倍の16台のチェアーにされるそうです。
乳児の授乳障害児の(口蓋に穴があるなどの)ホッズ床等も作製されていて
障害児のお口の発育に専門的に携わってこられていますから
障害を抱えてお困りのお子さんをお持ちであれば近隣の方は金尾歯科をご紹介したいと思います。
昨日は、その勉強会に参加してきた。
http://orthodo.web.fc2.com/index.html
金尾先生は、
T4Kをやってる先生方には、超有名な先生。
なにしろ、T4Kトレーナー類一式を日本で取り扱っている唯一の代理店である
オーティカ・インターナショナルというところが、
まず最初に必ず送ってくる抄録
小児歯科臨床14巻4号
「下顎後退位症候群における機能的矯正装置の応用
ーTRINER SYSTEM®の活用ー
のセカンドオーサーなんだから、
知らない人はいないくらいの有名人だ。
しかも、3人のオーサーの全員が金尾歯科医院(和歌山)の人だから、
http://kanaoshika.com/clinic/clinic.html
私も是非、一度お会いしたいと心から思っていた先生のお1人だ。
その先生がたまたま、岡山のたい矯正歯科に昨年から勤務されていたとは!
そして、偶然にも、
先日東北一関で開催されたIFUNAで初顔合わせをし、
幸運なことにODOに誘ってもらったというわけで…
運命とは、こういうことをいうのだろう。
現在、ODOは、まだまだ始まったばかりの勉強会といった風情だが、
この勉強会が岡山の地に根付き発展していくと、
誰もが、実に簡単に効果的によい顔・よい口元・よい歯並びに育つということが可能になっていくことは、
確実で、
今後の発展が大いに期待される。(会がなくなって残念です)
ご興味のある歯科関係者の方は、
ODOを受講されることをおススメしたい。
来年H25年は、衛生士向け・歯科医向け・両方向けの
3部門構成で行われるそうなので、
ホームページからアクセスしてみてはいかがだろう?
岡山だけではなく、近県の方も参加OKなんじゃないかな?
その辺は主催者にお問い合わせしてみてください。
では、
先述した「下顎後退位症候群における機能的矯正装置の応用」
の序文をちょっと引用させていただきます。
近年、小児の運動能力の低下、常時口が開いている、食事の時間が長い、アレルギーが多い、
歯並びが悪いなど、齲蝕(虫歯)以外の様々な症状を訴える保護者が多い。
実際に、硬く歯ごたえのある食物を噛めない、上手に飲み込めない、といった
小児が増加している報告がある。このような口腔機能の低下は、
市販されている食品や家庭内で調理されている料理の軟食化をはじめとした、
現代の日本人小児における食生活の変化が原因と指摘されている。
また、発達期の口腔周囲筋は全身の姿勢・呼吸・咀嚼・嚥下・発音・顎および歯列の形態に関与していることも報告されている。
例えば、扁桃腺炎、アレルギー性鼻炎など鼻呼吸が困難な場合、
日常的に口呼吸せざるを得ず、その口呼吸が歯列や顎骨の形態にも
悪影響を与えることが報告されている。
口呼吸を行うことは、口腔内の粘膜のみならず
咽頭部の粘膜までも乾燥させる。
粘膜は乾燥に弱く、炎症症状が発現する。炎症によって
細菌感染を引き起こしやすくなり、感染することでさらに悪化する。
(負のスパイラルですね~~~これが怖いんです(>_<))
咽頭部は炎症により腫脹し、その結果、気道が狭窄する。
もちろん、呼吸はくるしくなりさらに口呼吸が惹起される。
口呼吸による咽頭部の炎症は扁桃腺にまで波及する。
扁桃腺は免疫防御作用を有するが、
一度感染すると感染源へと変化する。
その結果、さらに上気道・下気道ともに狭窄を引き起こす。
発育期においては、こういった『呼吸習癖が顎や歯列の形態に影響を及ぼす。
さらに、顎や歯列の形態が機能を制御し始めることで、
負のスパイラルに陥る(ココまでなれば美とは程遠いデッドスパイラルですな~~)
小児歯科医は、定期健診システムを確立し勧めてきたが、
その中でこれらの負のスパイラルを発見しやすい立場にある。
(立場にあるはずが、十分にまだ機能してないんですな~これが…)
また、歯科領域のみでの支援だけでなく、
耳鼻咽喉科や小児科などと連携するきっかけともなるのではないだろうか。
(でも、医者は歯医者の言うことにほとんど耳を傾けないんだよな~これが。。。
そして、投薬・ステロイド・様子見・・・とか、いらない検査してるだけなんだよね。。
ほとんど役立たない”!!!)
↑
素晴らしい序文!
さて、勉強会で、私は、単刀直入に気になっていたことを質問してみた。
つまり、筋機能訓練(MFT)特に、舌トレはされているのでしょうか?ってことだ。
実に残念ながら、金尾先生も、
今では筋トレをされなくなってしまった先生のお1人だった。。
実は、筋トレは、歯科医が一生懸命指導すれば指導するほど、
患者さんとの関係が悪化する最悪のというか、最も手ごわい作業だからという回答。
↑これ、納得できますよね(*^_^*)
つまり、簡単なT4Kのような装置でよい顔・よい口元・よい顔を作ろうとすると、
筋トレ(正しい筋肉の使い方がマスターできているかどうか)が結構大切。
だけど、これをちゃんとできているかどうかをちゃんとチェックして指導すればするほど、
患者や保護者は嫌になります。
しかも、筋トレや不良習癖の修正は、時間ばかりかかって、
単体では全くお金ももらえないというとんでもなく厄介な仕事。
(そりゃそうだよね。嫌なものにお金払う人はレアだよね)
だから、多くの歯科医や衛生士はこういうことが最も大事だと
薄々知っていても、結局はだ~~れもやらない!
または、はじめのうちはやってても費用対効果が悪いためだんだんやらなくなってしまう・・・・
金尾先生も(たぶん、今は勤務医なので環境が許さないのかもしれない・・が)、
現在は、固定式拡大装置が主で、筋トレは行っていないという回答だった。
なるほど、やっぱりね!
そうすると、この装置には上顎前方発育阻害のマイナスの効果が生じてしまうので
結局、拡大装置で補助するか?拡大床装置でということになっちゃうんですよね。
よくわかりますよ!!
T4Kのように単純で簡単で既製品なので安全・安価な装置。
患者自身が自分の力で治っていく
そんな装置では、
筋トレなしには治療の成功が望めないケースってのが、
多々ある。(そればかりでなく逆にマイナスに働きます)
特に、この装置が不得手とする上顎前方成長が劣成長のケース
こういうケースは、
筋トレが主で、トレーナーは実は従。
つまり、
筋トレをまったくしようとしないと
治るケースもあるが、治せないケースのほうが多くなってしまうばかりか、マイナスに働く場合がある!!
結果、多くの歯科医は最終的には、
術者主導のはめたら外せない固定式装置か、
もしくは、やたらと複雑な技術料と技工料が上乗せされる完全オーダーメイドの可撤式装置・・・
(ま、そういうのも筋機能矯正装置の一つに分類されるけど・・・ね)
を選択することに・・・・
(術者主導だと、結果が確実だし、歯の生え変わりとともに、装置が合わなくなったら再度装置代請求できるし、壊れたり、修理したり、調整が面倒な分、技術料上乗せできるからね。
経営上のメリットは大きいのです。
しかも、実は意外にも患者さんウケがいい!
やたら複雑な装置で繊細に調整してもらったほうがなぜか嬉しいものでしょ?
高いお金払ってもやってもらおう~とか思うでしょ?難しそうなことって・・・)
2009年にはトレーナー使用を勧めていたT4Kの☆:金尾先生でさえ、
現在は、固定式の急速拡大装置や拡大装置が主体になってるらしい・・・
難問の筋トレは、ほぼなし!
↑だよね~。わかるよ!そういう先生、他にもいっぱい知ってるからね。。。
ま、歯科矯正って、結局はそういう風になりがちなんだよ。。。
でも、当医院は、それをあえて、
トレーナー+口テープ+筋トレ悪習癖除去という
子ども自身の成長発育に歩調を合わせた
ゆっくりとした筋機能矯正法で治している。
せっかちで他人任せな親が多い
日本ではレアでしょうかね。
(海外では、こどもの自主自立の可能性があれば、親はそちらを選択することは当たり前なんですけどね。)
子どもが自分の力で自分のやる気で
自分で治す矯正法。
自分で治しちゃうんだから、費用は安くて当たり前!
総額12万円!ぽっきり!
そして、
当医院では、多くの子どもがトレーナーだけでちゃんと自分の力で治っていってるところが
すごい!
子どもはやればできるんです。
大人は、子どもの力を信じて、焦らせずに寄り添い、はげまし、伸ばす!
よい顔・よい口元・よい歯並びつくりは、子育てと同じ。
拡大装置で上の顎だけ術者主導でガ~~っと早く広げて、舌トレしてなくて
夜間無呼吸症になってる子もいますからね。
顎だけ早く広げても他が上手についてこなかったら、問題おきそうでしょ?
悪くなった原因を放置しておいて、形態だけ整える手法!
(筋トレなしの術者主導の矯正法)
対して、
機能と形態を同じペースで改善していく方法!
(T4Kと必要な筋トレの併用)
自分の子どもを持つと、
また、考えが変わるかもしれませんね。
歯科医の皆さん、自分の子どもへするならば何を選びますか?
抜歯矯正?急速拡大?固定装置?それともT4K?
じゃ、患者さんには?
一緒のはずですよね???
今後、ODOでご一緒に研鑽してまいりましょう。
お~っと長くなり過ぎた・・・ダウン症に関する考察は、また次回