今朝、長いつきあいの患者さんが亡くなった。

癌の再発、末期。ターミナル。

かけつけた時は、もう遅かった。体はまだ温かかったけどね。


ご家族は

「最後まで自宅で看病したい」

と頑張った。

いまどき、面倒なことは放り出すひとが多いなか、

えらかった。


本人もえらかった。

70代のおじいちゃんだけど、

最後まで一生懸命、家長の威厳を保とうとしてた。

プライドだね。


結局、アタシができたことはほとんど何もなかったかもしれない。

医者だから何かができる、

そう思うこと事態が驕りなのかもしれない。


自然の運命の前で、ひとは無力である。


しかし投げ出すことなく、腐ることなく、

目の前のことをやっていくしかない。のだろう。

そんなもんさ。