◇ 今昔物語集
(こんじゃくものがたりしゅう)
平安朝に生まれた日本最大の説話集。日本全国はもちろん、インド、中国までを舞台にした様々な物語。そこに、すでに姑獲鳥が登場している。

◇ 和漢三才図会
(わかんさんさいずえ)
日本初の図入り百科事典。江戸中期に中国の「三才図会」にならって編集された。ここにも姑獲鳥が登場!

◇ 百物語評判
(ひゃくものがたりひょうばん)
江戸時代の怪談集。もちろん、姑獲鳥も出てくる。

◇ 仏舎利 (ぶっしゃり)
お釈迦様の遺骨。とされるものが、世界のあちこちの仏舎利塔におさめられている。京極堂は骨壷の中に干菓子を入れて、仏舎利だと関口を驚かせる。

◇ 御一新 (ごいっしん)
明治維新のこと。日本全国大混乱だったこの時、久遠寺医院は四国から東京に移転した。

◇ ダチュラ
ナス科の植物で、一般的には「チョウセンアサガオ」「エンジェルス・トランペット」の名で知られている。一部の種類は鎮痛剤などにも使われ、有毒な成分を持っている。

◇ 癲狂院 (てんきょういん)
精神病院のこと。主に明治時代から昭和初期にはこう呼んだ。関口が最も恐れているらしい場所。

◇ 氏子・禰宜
(うじこ・ねぎ)
氏子はその神社の信徒のこと。禰宜は神主のこと。

◇ カストリ雑誌
戦後直後の混乱期に数多く発刊された風俗雑誌のこと。記事のテーマは、主に エロ 猟奇 スキャンダル。3合飲めば酔いつぶれてしまうカストリ焼酎に引っ掛けて、3号でつぶれる雑誌の意味。

◇ 修験者
(しゅげんじゃ)
仏教の道を修行するために、ふだんは山にこもって心身を鍛える人のこと。山伏とも言う。久遠寺医院の呪いの秘密を握る鍵。

◇ 厭魅 (えんみ)
陰陽師が使う呪術。桐や紙で人形を作り、呪い殺したい相手の名前と生年月日を書き込む。

◇ オショボ
四国の方言。主に讃岐のあたりで使われる。子供の妖怪のこと。

◇ 京極堂
京極堂が営む古本屋。自宅を改装して作った。流行っていないように見えるが、他の古本屋で扱わない専門書が多く、それ目当ての固定客がついている。

◇ 眩暈坂
だらだらといい加減な傾斜で続く坂。登り詰めた所に古本屋・京極堂がある。坂の途中で眩暈を起こすことからこう呼ばれている。

◇ 薔薇十字探偵社
榎木津 礼二郎が神保町に建てた貸しビル“榎木津ビルヂング”の3階にある榎木津の探偵事務所。彼の父親の使用人の息子・和寅が、住み込みで働いている。

◇ 武蔵晴明神社
京極堂の近くにある小さな森の中の小さな社。陰陽師・安倍晴明ゆかりの神社で、京極堂が神主を務めている。

◇ 鬼子母神
雑司ヶ谷にある安産と子育ての神。元は鬼神の妻で、人の子供を食べていた。そこで釈迦が彼女の子供を隠し、子を失う母親の苦しみを悟らせ、仏教に帰依させたという由来がある。