風邪(少陽病期)の漢方 | 栃本天海堂薬局福島店のブログ

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先日、風邪のご相談があり、話を聞いてみると小学校のお子様で、インフルエンザに罹患したとのこと。

発熱(高熱)があったので、ひとまず解熱剤で熱は微熱まで下がった。

日中は平熱で具合が良いが、夕方~夜にかけて熱が上がっていき、37.5~38.0度まで上がる。

食欲は減少していて、口が乾く。発汗はない。鼻がつまっている。

このような状態が数日続いており、病院に行っても解熱剤などしかもらえないだろうから、漢方薬で何か症状が良くなればということであった。

漢方的には太陽病期は過ぎて、少陽病期に移行しており、傷寒論にある「少陽之為病、口苦、咽乾、目眩也」で、風邪やインフルエンザなどの熱病で最初は悪寒があり発熱もある(太陽病期)が、そこでしっかり治りきらずにいると少陽病期となり、寒気と発熱が交互に現れるようになり、の苦みや渇きなどもでてくる。

その時の代表的な処方は「小柴胡湯」で、鼻のつまりもあり、の乾燥感もしっかりあるというので、「辛夷清肺湯」を合わせてご用意した。

1日服用して、その日の夜は発熱せず、具合が良くなったそうだが、次の日からまた夕方から発熱が起こってきたとのこと。

薬の量が少なかったのか、もう少し服用量を多くしてもらうように話して数日経った。

その後、やはり夕方からの発熱は続いているらしく、これからどうすればよいかとのご相談。

もう一度、症状を聞いてみると、最近足が冷たく冷えている状態で、相変わらず口の乾燥感がある。脇腹の痛みと食欲も落ちていて、元々痩せているのが、益々痩せていく様子。発汗はない。

これは「上熱下寒」で下半身は冷えて、上半身に熱が偏っている病態となっており、上部に熱がこもっているため「口の乾燥感」があり、下半身が冷えているため、足の冷えを感じている。

このような病態には「柴胡桂枝乾姜湯」となるが、丁度自宅にそのエキスがあるというので、1回に1/2量を服用するよう伝えた。

後日、お電話があり、「柴胡桂枝乾姜湯」を2日ほど続けたら、夕方~夜中の発熱がなくなり、全体的に体調が良くなってきたとのことで、服薬終了となった。