ERのSです。
ある日また、変わった症状を訴えて受診された方がいました。
80歳の男性が「左手が勝手に動く」と訴えて受診しました。
見ると、左手がクネクネクネクネ動いています。
(New England Journal of Medicineより)
色々な患者さんと接している救急のスタッフが、「何この症状!?」という感じで集まってきました。
そこでセンター長が神経内科医にTELで連絡。
すぐ診に来てくれました。
診始めて2分ほどで神経内科医がつぶやいています。
「末梢優位の不規則な早く小刻みな不随意運動・・・」
これはヘミヒョレアHemichorea。片側舞踏病だよ。
さらに
「突然発症の片側舞踏病のほとんどは基底核のラクナ梗塞(小さな脳梗塞)だね。」とまで教えてくれました。
いそいで片側舞踏病の動画を検索すると、たくさんの動画がアップされていました。
片側舞踏病の動画へのリンクはこちら
患者さんはCTとMRIを撮影して脳梗塞の診断で入院。
内服薬を追加されて症状は軽減。
数日で退院されました。
誰も診断が分からない時に、何の検査もする前に一発診断してしまうのは名医の証です。
自分もこんな瞬間を増やしていきたいなと思います。
~~~~おまけ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
研修医の皆さんはHemichoreaの仲間のヘミバリスムHemiballismも覚えておくと良いかもしれません。
バリスムballismは、ヒョレアChoreaよりも中枢優位で、四肢を投げ出すような動きです。
これもYou tubeに大量の動画がアップされていますので参照してくださいね。
Hemiballismの動画へのリンクはこちらから
あとアテトーゼAthetosisも混乱しますよね。
Athetosisの動画へのリンクはこちらから (少し音がうるさいです)
インターネットが普及して、珍しい症状も動画で確認できるようになりました。
動画だと格段に頭に残りますね。