昨日 は、
富士登山競争がいかに難しいレースか
についてお話ししました。
当日は、
いつものようにゴミ袋を片手に持ち、
もう片方にはゴミ拾い用の鉄ばさみを持って、
六合目安全指導センター(標高2400m)から巡回を始めます。
富士登山競争は朝7時のスタートです。
私が巡回を始めた9時前後には、
すでにトップグループはセンター前を通過。
ぞくぞくと選手たちが駆け上がってくる中、
ジャマにならないように、
登山道の端っこをコソコソと歩いていきます。
さすがに選手たちも息が上がっている様子でしたが、
それでも、すさまじいスピードです。
そして、
選手たちとダンゴ状態のまま、
八合目(標高3100m)あたりまで到達。
ここらで、
周りを走る選手たちに異変が出始めます。
ふいに、
「うわー!!」
とか、
「ぐわー!!」
とかいう、
うめき声が聞こえてくるようになったのです。
「なんだ?」
と思って見てみると、
足がつって倒れる選手が続出していたのです。
中には、
「安全指導センター」という腕章をつけている私を
レースの係員か何かと勘違いしたのか、
「すいません!足を伸ばしてもらえますか!?」
と言ってくる選手も。
倒れている選手の足を持って、ストレッチの手助けをしつつ、
「俺、何やってるんだろう(笑)」
他の人から見ると、さぞや面白い図だったと思います。
中には、ゴミを拾っている私を見て、
「ご苦労様です!!」
と言ってくれる選手の方も。
「こんなに厳しいレースの最中なのに、他人の自分を気づかってくれるなんて・・・」
なんだか感激してしまいました。
そして、
選手たちの奮闘ぶりを間近で見ていた私は、
急にウズウズしてきます。
次の瞬間、
何をとち狂ったのか、私は選手たちと競走し始めました。
「やれるところまでやってやる!!!」
その後、
約30分くらいは選手たちと互角以上にわたり合いましたが、
息切れ。
しかし、
選手たちに元気をもらった私は、
本来は本八合目(標高3400m)までの巡回が仕事なのに、
山頂まで範囲を広げることができました。
富士登山競走編は以上です。
富士山レンジャーの仕事はまだまだ続きます。
すみません、毎日更新は今日で終わりにします^^;
次回 からは不定期更新です。
※これは13年前の話であり、現在の安全指導センターや富士山レンジャーとは運営主体も業務も異なり、何の関係もありません。

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