冷え性の漢方治療 | 富士堂(漢方薬局・はり灸マッサージ治療院) ブログ

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中国南京中医薬大学出身の中医師・順天堂大学医学博士である代表の許志泉が創立した富士堂東洋医学研究所(富士堂漢方薬局飯田橋本店・渋谷店;富士堂針灸マッサージ治療院)のブログです。

冷え性の漢方治療
許志泉 富士堂東洋医学研究所(富士堂漢方薬局・富士堂治療院) 所長

患者さんからこんなの訴えが多い。あなたはありませんか?
「冷え性がしんどい!」
「靴下を履かないと、眠れない!」
「おなかも冷えて、妊娠できない!」
「夏でも冷えて、苦しい!」
「手足だけが冷えて、イライラ!」
「冷えて浮腫んで、どうしようもない!」
「下半身が冷えて、上半身が熱い!冷え逆上せでくるし~い!!」
さまざまな冷え性に苦しんでいる方、特に女性が多い。

これは体質、代謝、自律神経などの要素が多いです。

一般てきには、冷え性は気虚、陽虚の原因だと認識されています。
私は冷え性はそれだけな原因ではない、気滞、お血、痰濁、水飲などとも関連する場合も少なくはないと思います。
実は、東洋医学のメカニズムをしっかり鑑別できれば、冷え性も根本から治れます。

タイプ別の冷え性の特徴と漢方治療を簡単に述べます。
1.気虚
 症状特徴:全身冷えやすい、疲れやすい、気温が下がるとすぐ冷えを感じる。
 メカニズム:気の虚弱で、十分に身体を暖めない。
 漢方治療法:補気
 漢方薬:人参、オウギ、チンピ、ブクリョウ、サンヤク、カンゾウ、ケイヒなど

2.陽虚
 症状特徴:全身の冷えは特に強い、むくみがでやすい、気力不足、眠い、お小水がおおい;ばあいにより汗が出やすい。
 メカニズム:陽気不足で、身体を暖めない
 漢方治療法:補気温陽
 漢方薬:ブシ、ケイヒ、ショウキョウ、ごしゅゆ、チンピ、トウキなど

3.気滞
 症状特徴:手足のみ冷えやすい、身体はもしろ暖かい、場合によりイライラ。
 メカニズム:気の滞って、十分に末端までに流れない。
 漢方治療法:理気解欝
 漢方薬:サイコ、シャクヤク、キジツ、カンゾウ、ソヨウ、オンジ、チンピなど

4.お血
 症状特徴:下腹部、腰など固定な場所の冷え、痛みを伴う場合が多い、冷えると痛み増悪;女性には生理不順や生理痛などが多い
 メカニズム:お血が停滞して、血行が悪い。
 漢方治療法:駆お活血
 漢方薬:トウキ、シャクヤク、センキュウ、ジオウ、リュウコウ、モツヤク、コウカ、ケイヒ、ボタンピ、トウニンなど

5.痰濁水飲
 (痰濁水飲は全部水液の代謝異常によって産生されたもので、痰濁はより濃い、水飲はより薄い。)
 症状特徴:冷え症、冷えると風邪、鼻水、痰、咳、喘息など、または下痢、軟便が出やすい。太りやすい、高血脂症など
 メカニズム:痰濁が阻害し、陽気がめぐれない
 漢方治療法:温陽除痰
 漢方薬:ケイヒ、ハンゲ、チンピ、ブクリョウ、ビャクジュツ、ソウジュツ、ヨクイニン、タクシャ、ブシなど

以上なタイプ別に分けて説明しましたが、実際臨床では、いくつのタイプの混合する場合が多いです。ですから、しっかり相談した上で治療することが大切です。

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