NEX-FS100の不人気を分析してみた。 | スローライフでCMプロダクションinとっとり

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テレビCM専業のワンマンオペレーションプロダクション。
クロマキースタジオ、ロケ車、特殊効果編集、NA録音、完パケ製作。
趣味が仕事なのか、趣味を仕事にしているのか曖昧。好きなことやって金儲け。
そんな仕事的コラムはかなりマニアックだったり…

あくまでも自分が見たよそのサイトを参考に個人的な意見である。

・見た目が貧相
やはりセットズームはNEX-VG10とのセットに比べるとずいぶんバランスが悪い。
箱型デザインも斬新で保守的な人々には受け入れ辛いものがあったようだ。

・内蔵NDがない
なぜ排除したか合理的理由はメーカーから出ていないようだが旧来のビデオカメラを使っている人にとってレンズ前でNDフィルターを頻繁に交換すると言うのはありえないようだ。

・フルサイズ35mmでない
EOS5DmarkⅡ信者にとってはAPS-Hサイズはダウンサイズ以外の何物でもないようだ。

・Eマウントのレンズが少ない
4月に規格公開したばかりなのでサードパーティーのレンズがまだ出回っていない。ズーム、単焦点合わせて3本はあまりにも情けない…

・マウントアダプターが中途半端
同メーカーのAマウントでさえフォーカスはマニュアルになるし他メーカーのアダプターだと絞りさえ開放以外使えないものが多い。
Aマウントはイメージサークルがフルサイズのレンズしかないのでスーパー35mmイメージサークルのFS100にはオーバースペックでコストパフォーマンスが悪い。

・HD-SDI出力がない
HDMIのタイムコード出力はあるものの対応レコーダーが現状ない。24Pは60iに変換される。この価格ならHD-SDI出力があってもおかしくない。

・AVCHD記録では…
内蔵レコーダーがAVCHDなら純正外部レコーダーを用意するべきだろう。カメラのスペックを考えるとAVCHDはバックアップ程度にしか使えない。

・ファインダーが特殊
上面に取り付けられたモニター兼ファインダーだがハイアングルでは全く見えない。

と、まだまだ不満なポイントはあるようだ。
確かにこの価格帯だとワンマンオペレーションでの使用が前提になりそうなのでシステムカメラ(EFP)という発想は基本的にないのかもしれない。
PMW-F3の価格帯だとある程度意識するようだが…
EPFカメラとしてシステムアップするとなると非常に中途半端ではある。
多少高価ではあるがPMW-F3の方が割り切りと拡張性は断然有利だ。

つまりワンマンオペレーションのカメラマンにはEFPカメラは向いていないと断言してもいいのかも。
最も大きな理由として浅い被写界深度はピント合わせがシビアなのだがオートフォーカスでそれを任せると言うのは邪道だ。現在のコントラストオートフォーカスとは異なる方式をとれば可能性はなくもないがそれでもどこをターゲットにするかをワンマンで行うのはかなり難儀なことであるに違いない。
レンズ交換にしても常に交換レンズを持ち歩かないといけないということに機動性がスポイルされるだろう。これはアシスタントが持つべきだ。
結局ワンマンの場合はズームに頼ってしまう。

せっかくNEX-FS100は低価格で出したものの撮影スタイルとマッチングしないという致命的な問題を置き去りにしてしまった。
でもEOD5DmarkⅡはどうしてあんなに普及してしまったのだろう?
FS100より安い価格、豊富なレンズ群、手間のかかるマニアックな中途半端さ…こういったことが理由ではないかと分析する。
実際に使って比較したわけではないが使い勝手、出来上がる画質ともにFS100の方が圧倒的なパフォーマンスがあることは想像できる。

人気が出るまでに今暫く時間がかかるのかもしれない。

周辺が出るまで待ち切れずPMW-F3に手を出してしまいそうな今日この頃…