夏休みに高校野球を堪能した僕は、秋には日本シリーズの虜になった。
もともと漫画「あぶさん」の愛読家だったので、野村監督、江本、江夏、門田、柏原、藤田学などかなりおっさん趣味になっていた。
漫画の中で、「近鉄の牛になんかまけへんぞー。日本ハムを食ってやる。ロッテのガムもメチャ噛むぞー。」といったシーンがいまでもほほえましいやろ。」
そのあぶさんの中のヒーロー・江夏が広島で日本シリーズにでる。
見た。めっちゃ見た。
実は西本監督も好きやった。
水嶋漫画では西本監督や大沢監督がなんとも人間くさく魅力的に描かれていた。
マンガのなかの近鉄は藤井寺球場で閑散とした中でいつも試合をやっとった。
阪急の山田や足立、山口といったヒーローとは対局の鈴木の草魂がキャッチフレーズのチームやった。
そのチームがプレーオフで阪急に勝利して初めての日本一を目指す。
おもしろない訳がなかった。
かたや広島は古葉監督のもと山本、衣笠といった男臭い主軸に緻密さが加わりかなり勢いがあった。
結果は、「江夏の21球」で語られる伝説になったのだが、そこまでの舞台を用意した両チームには最近ではない人間くささがあふれていて、今でも石渡が三振した時の西本監督の表情を思い出せるくらい感動的やった。
そんなもんばっかりに熱中していたら、成績は感動的なほど下がっていった。
大丈夫か、、、、、?
いや、あかんかったんやけど、、、、、、、。
成績は、スローカーブより早く下降曲線を描いていった。