大都会にコヨーテ出没!~共存の道を模索するサンフランシスコ | サンフランシスコ綴り by fuhito shimoyama

大都会にコヨーテ出没!~共存の道を模索するサンフランシスコ

夏に向けてどんどん霧が濃くなっているサンフランシスコです。

5月14日付のニューヨーク・タイムズでこんな記事を見つけました。

最近、サンフランシスコ市内最大の公園ゴールデンゲートパークにコヨーテが出没しているのだそうです。4月から8月は子育てのシーズンだそうで、生まれたばかりの赤ちゃんがいる住処を守るべくうろうろしているのだとか。

ゴールデンゲートパークはサンフランシスコ市民の憩いの場。週末には公園のあちこちでバーベキューをしたり、ジョギングをしたり、ただ寝転がったりしている人々で溢れかえるのですが、平日でも犬の散歩やウォーキングをしている人々、また多くの観光客で賑わっています。ニューヨークのセントラルパークのような場所ですね。

ここでコヨーテの目撃情報が相次ぎ、赤ちゃんやペット犬にとって危険だ、ということで市の動物保護管理局が注意を呼びかけ始めました。紐を繋いでいない犬がコヨーテに襲われたといった話があちこちからあがったというのです。今年に関してはコヨーテによる被害と断定された話はまだないとのことですが、念のため立ち入り禁止区域を設けたり、ポスターを貼ったりして警告を始めたのです。ただこれらの警告はコヨーテとの共存を前提としたもの。2007年に飼い犬を襲った2頭のコヨーテを射殺して以来、市は共存する方法を模索しているようです。

これに対して、公園で犬を散歩させている飼い主たちの反応はバラバラ。人間の住むところに野生動物が出没するなんて危ない、共存なんてできない、という声と、こんな街中にも野生動物がいるなんてクール!別に人間に危害を加えるわけじゃないし、という声。しかし両者に共通するのは、犬を繋いでおこうという考えにはならないらしいところです。というのも、記事の中に登場する飼い主たちはいずれも犬を放しています。コヨーテを目撃してしまっても尚、です。心配じゃないのかと思ってしまいますが、犬を遊ばせたい気持ちの方が強いのでしょう。

サンフランシスコ市の人口は約80.5万人。そのうち子供の数は10.8万人。犬の数は子供よりはるかに多い18万匹なのだそうです。まさにドッグ・フレンドリーな街で、街中の路上でも繋がないで犬を散歩させている人を見かけることがあるのですが、みんな怒らないみたいなんですよね。ちなみにコヨーテの数は10頭。これは増え続けているようですが、まだまだ脅威ではないのでしょうか。

インドネシアでは、人畜に危害を与えるものはすぐに罠をしかけて殺してしまえ!と殺される虎の話をたくさん聞きましたし、日本でも人里に現れたクマを射殺した、などと聞くことがありますが、動物大好きな街でそれはタブー。都会においていかに野生動物と共存していけるか、というのが今後も課題のようです。

公園を出て路上を歩くコヨーテも目撃されているとか。遭遇してしまったらどうすればいいんだろう。いや、その前にコヨーテを見て、それだとわかるんだろうか。。。