(日本経済新聞文化面より) 荒川 貴道『詰将棋集め30万作』 | 『一人暮らしの猫飼い』

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(日本経済新聞文化面より)
●荒川 貴道『詰将棋集め30万作』
12月19日木曜日、朝より年末の挨拶と合せて、15日付の集金でK市のS社に向かう。
普段の朝とは逆の方向に電車に乗り、二駅目で乗り換えの為下車、そこから30分弱T線に乗りS社に向かう。
S専務と、2,30分程話をした後、来た経路を逆に乗り、一度乗り換えて出社する。
途中、乗り換え駅で携帯電話で会社に連絡したのだが、改札口と改札口の間、100メーター弱だと思うが、そこで電話を掛けながら、通りの端に寄ったのだが、その目の前に、大手メガバンクのATMが有った。
特別な意味は無く、なんとなく、寒風をしのげるその場所で電話を掛けたのだが、目の前のATM機の上に、新聞が置かれていた。
誰かが置き忘れたのか、あるいはもう読み終わって、必要度が無くなった物を、意図的に置き去りにしたのか。
ともかく、新聞、日本経済新聞が有ることに気付いた。
電話を掛けながら、ATMを利用する人が2名いたが、2人とも新聞には気付かず、あるいは気付いても、単なる新聞、必要のない物として用をすますとそそくさと立ち去った。
私は、電話を掛け終り、ATM機に置かれている、新聞を手にして、乗り換えの改札口を通過した。
手に取った、(拾得物を隠匿した)新聞は、その日の19日付朝刊、日本経済新聞だった。
普段は、毎日新聞朝刊を購読していたのだが、電車の網棚、ホームのベンチ、待合室で、新聞を見かけると手にして、気になる記事が有れば、読むのが変わり者の私の性分だった。
その日手にした、日本経済新聞、日経朝刊の紙面では、1面トップは、本州四国(高速)道路の経営支援について(『本州3社、債務肩代わり』本四高速の1.4兆円 国交省調整)
つづいて、予想通り『猪瀬都知事辞職へ』が続いていたが、私の目に止まったのは、44面(裏一面)の文化面であった。
文化面の記事は1面と異なり、速報性の無い記事が多いのだが、その日の記事は、将棋、詰将棋についてであった。

詰将棋集めて30万作 
◇データベース生かし愛好家・プロ棋士と広く交流◇
荒 川  貴 道

荒川氏が30年程前に、ラーメン屋さんでの待ち時間、手にした雑誌に掲載されていた詰将棋を考えてみたが、なかなか解けなかった。
そうこうしてラーメンが来て、その詰将棋は、またの機会と手帳にメモをとった。
そのメモを眺めるうちに、他の新聞、雑誌に載っている問題にも関心をもつ。
図書館に出かけて、バックナンバーの問題もメモし始めたという。
いつしか、荒川氏は詰将棋の問題が、解ける解けないではなく、記録する事の方が大切になって来た。

同様に、詰将棋の問題を収集している方(新潟県の石沢さん)と知り合い、詰将棋が掲載されている媒体を入手しやすい首都圏に住んでいたため、荒川氏は石沢さんの収集活動に協力する様になる。
約10年前、石沢さんが亡くなり、後を継ぐことになった。

荒川氏については、19日付けの日経朝刊で初めて知った名前だが、良い人だろうと勝手に想像した。
ラーメン屋さんで手にした雑誌に掲載された詰将棋をきっかけにして、詰将棋の保存活動に、最初は活動などと自覚していなかっただろうが、いつの間にか成り行きでその道を歩いていた。
では何をしているのか、幾つかの例、ごく限られた例が紹介されているが、全国の新聞を閲覧できる【新聞ライブラリー】(横浜市)に毎週末通う。
雑誌に掲載された詰将棋は、国会図書館でチェックする。
協力者から、地方のミニコミ紙や自治体報に載る作品も教えてもらう。
茨城県坂東市の商店街にある歩道、詰将棋10題が埋め込まれていて3ヵ月に一度作品が入れ替えられる。
その作品を記録する為だけに足を運んだと言うが、出題している担当者が知り合いだったと判り、教えてもらえる事となりだいぶ楽になったという。
集めた作品は、データベース化しているという。

詰将棋を、紙面では“作品”と書いている点に、荒川氏の愛着が感じられる。
紙面の最後には、こう書かれている。

新聞・雑誌に出題されている詰将棋は、年間約3800。
10年前と比べて1割ほど減った。
これを食い止めるべく、将棋ファンの皆様には、積極的に掲載作品を解いて懸賞に応募していただけたらと思う。
(荒川貴道 詰将棋保存会代表)

実際の荒川氏は、将棋愛好家と言って良いだろうが、棋力が高い訳ではなく、詰将棋を作ることも無いと書かれている。
完全に裏方で、その裏方の作業に生きがいと愛着を持っている人だと思った。
趣味が高じて、プロ棋士の交流も持てたかも知れないが、休日を費やした見返りに金銭の対価はおそらく無いだろう。
それでも、荒川氏は生きがいに、ライフワークとして今後も今の道を進むのだろう。
新聞1面の1/5程のスペースでしか書かれていないが、おそらく荒川氏が収集するために経験した事例は、1日中聞いていても飽きない内容だとおもう。

その紙面の中で、防衛庁(東京市ヶ谷)を訪ねた事も有ったと書かれている。
自衛隊OB組織による月刊誌『隊友』のバックナンバーを見るために訪ねたという。
おそらく、詰将棋記録収集の為に、防衛庁を訪問する人間は前例が無かったと思う。
一部の限られた人間にしか読まれない業界紙、会報等に、普段知りえない情報が載っている例が有る。
以前に、新聞販売店向けの業界紙をを手にしたことが有ったが、そのかなで読売新聞社の方の連載が載っていた。
回想録と言うべきものか、あるいは回顧録か、連載の中の1回分しか読めなかったが、その方が関わった、江川卓のいわゆる【空白の1日】についての報道されない内側の話が書かれていた。
その業界紙は手元には無く、記憶もほぼ100%無い状態で、これ以上の事を書くことが出来ない。

ラーメン屋さんで、雑誌を手にしなければ、今の荒川氏は居なかった。
後世に残る、詰将棋の作品も、人知れず忘れられた存在になっていたかもしれない。
将棋に興味も関心も無い人にとっては、何の価値も見出せない詰将棋の作品。
そんな詰将棋に対して、作品として敬意を称している荒川氏、先にも書いたが、きっと良い人だと思った。

荒川氏の様な人は、正確に何人居るか判らないが、色々な分野に見返りの無い物に、時間と労力を掛けている人達がいる。
そんな人の話を聞けたら、面白い。

12月19日付け、日経朝刊紙面の中で、もう一つ関心を引いた記事(連載)を一つ挙げる。
41面(スポーツ面)に、毎週木曜日に掲載される、野球評論家豊田泰光氏の、『チェンジアップ』内容には触れないが、最後にこうある。
そのまま引用すると、

【さて、おしらせ。私も年が明けて79歳、ライターとしての引退期は近い。本コラムはここらでお開きと、来週の最終回特別版で筆に込めてきた思い、球界の今後について語りたい。】

何年連載を続けたのか正確には知らないが、10年以上連載を続けていたはずだ、私が読んだのはその中の限られた一部しか読んだことが無いが、70台後半の豊田氏、完全に引退するのはまだ先だろうと思うが、来週26日の日経朝刊での、チェンジアップ特別版、読まなければと思った。





●ここから、お知らせとお願い。
日々是好日にゃん8
猫11匹、平和な日々。

http://tumamacp8.blog.fc2.com/blog-entry-516.html より、迷子猫の捜索、情報提供をお願いします。

11月15日深夜、東大阪市永和1丁目の自宅より猫が行方不明になりました。

まもなく1ヶ月になります。


右眼が見えません ( 2/3ほど閉じています )
黒×グレーのしま模様 ( サバ柄 )
シッポはまっすぐ

紅 ( べに )・メス・1才半
避妊手術済み・耳カットなし
首輪なし

もし宜しければ拡散お願い致します。
直接でなくとも大阪~東大阪~永和付近の方の目にとまりましたら幸いです。

片目のしま猫「紅」の捜索にどうぞ、ご協力、宜しくお願いします。


【大阪府、東大阪市、永和】と聞いても、私には地理感が無いのですが、東大阪市周辺の方、心当たり有りましたら、
Author:けいと さんへ、連絡をお願いします。