なにかが起きる 7 | 忠ちゃんのトライ、トライ、トライ

なにかが起きる 7

バイクでは何事も起きず!、ほっとして、ランに移る。


テントを出てもすぐにはエイドもないので、水を飲む事もかぶる事も出来ない。

Schleuse川沿いの、公園800m先まで、エイドはない。


最初のエイド、水スポンジをもらい、身体を冷やす、日差しが強く暑い

ドナウの橋を渡り市街地に入る、2k表示で12分を切っている、まずい

早過ぎだ、、、速度をおとすが、 町に入ると応援が凄くつい、速度が、上がってしまう、 石畳の路地や広場には凄い人、スパースパー、アレアレアレ

アナウスが叫ぶ、タダヨシ オガワ ジャパン エイジ58、、!!!

歓声の中を 手をあげて、走る、ここでは、 へなへなな姿はみせられない。


忠ちゃんのトライ、トライ、トライ-as

4キロを過ぎると周回の輪を渡される。

これで、この選手は何周目か解る。

すでに3周目の選手が前に走っている。


5キロ ついにきた、! 何かが起きた、 左太ももが攣る!痛たたた!


止まって、ストレッチをして、常備のビニール袋に充填した、サロメチール 

をぬる、 ゆっくりと走り出す、OK大丈夫だ、、

公園に入ると、小砂利の道が走りにくい、多少の坂も有る。


再び橋を渡り、スタート地点の中洲に入る。 1周目1時間05分 予定より早過ぎだ、 無理をして、いるわけではないが、セーブしなければ、、


2周目ますます、日差しが強く、暑い、エイドでは水と、スポンジのみ、

スタートより持っていった、ジェル、2個が消費されている。

観衆の応援は益々、高まっている。


忠ちゃんのトライ、トライ、トライ-z



2周目1時間9分 疲労も腰痛も感じない、後一周頑張れば、あとは歩いても

5時間は切れるだろう、、、


ところが、何かが起きた!3周目5キロを過ぎたあたりから、身体が

動かなくなりペースダウン、、だんだん眠くなり、足元が、おぼつかなくなってきた。   

考えた、何時もなら、もう太陽は傾いて、涼しくなっている、時間帯なのに

今は、まだ日差しがある。


今回の目的は、ハワイ出場権や、順位や、タイムでもない。  楽しくレースが出来る事だから。無理をせず歩こう!  

でも歩いて、いても眠気が襲う、歩行もよれる、 苦しくも、辛くもないが

思うように身体が動かないのが、もどかしい。


3周目1時間25分 後一周歩けば終わる。

観衆の前を歩くのつらい、、街中で、歓声が聞こえる 後ろから選手がラスト

だから、頑張ろう!、と肩を叩いて行く、 よし、ここだけでも頑張りますかぁー! 

歓声とアナウスに励まされ、頑張る、タダヨシ!スパースパー、、


ここは歩けません!!   人気が無くなる公園ない入り再び歩く、 肩をたたいた人も歩いている。

 なんやぁー いっしょやん!!


4周目6キロ地点、大きな身体のドイツ人が併歩してきた。片言のドイツ語

英語を交えあとはボディーランゲェジで、1キロ程、歩き、お互いの意志が

合って、7キロから、 よし走りましょう、と肩を並べて走り出す。


まるで、友達のように、お互いを気ずかってペースを合わせ、走る。もう苦痛はない、なんか楽しくなってきた

 こんな事が起きるなんて考えた事も無い。

 

9キロを過ぎたところで、ベティーさんをパス、、、10キロ手前のエイドで水を取り、10キロ表示まで、歩いて、 さぁー行きましょうかと走り出す。

彼が言う、もう2キロは無いぞ、分るか? ヤァ 分るよ。


大きなドイツ人と小さな日本人 日独同盟で走る姿に観衆が大声援を送ってくれる。


アナウスと歓声が聞こえてくる角を曲がった所で、彼の家族が待っていたようで

先に行けと背中を押された、、 一緒にゴールしたかったが、、


ゴールに向けて、直線両側の仮設スタンドは観衆がいっぱい、皆口々に祝福してくれる。帰って来ました、完走できました、ありがとーう! 手を差し出して

観衆に応える、 青いカーペットを踏んでゴール!


エイジ58、タダヨシ オガワ TOKYO、JAPAN

(チャンピオン) と言ったらしい が本人は感激して聞いていない。


それにフィンニッシュ タイムさえも、見ていない。

タイムも順位など、どうでも良い、この素晴らしい大会に完走できたのだから。


先ほど併走した、彼が駆け寄ってきた。肩を抱き合ってお互いの健闘をたたえあった。


忠ちゃんのトライ、トライ、トライ