「鉄のクラウス」、マルタ島でケツを狙われる
![親愛なるエロイカへ-マルタ島のにゃんこ](https://stat.ameba.jp/user_images/20091018/12/from-eroica-with-love/4c/3d/j/o0564028210279632450.jpg?caw=800)
マルタ島のニャンコ by Fritzchen
「エーベルバッハ少佐の今のオカッパ髪が重たい!」
「切ってくれぇっ」
先日、エロイカファンサイト運営のエスツェットさんのブログ上で交わした
この会話を、青池先生は聴いていたのか?!と思わせた、
プリンセス・ゴールド2009年11+12月号(秋田書店)の扉絵。
テリー・サバラスのような坊主頭に血管を浮かせたサングラスの強面オヤジのその横で、
髪を風にたなびかせ、 「ふっ…」と言わんばかりの流し目で笑むエーベルバッハ少佐。
「どうだ、今でも風に吹かれりゃ軽いんだぞ」と言わんばかりである。
プリンセス・ゴールドの中で、いや、少女マンガの中でも異質なほどに
渋い図柄ではないかね?
「仔熊のミーシャ」と並ぶには、エーベルバッハ少佐があまり青臭い若者では
バランスがとれないせいか、少佐もかなり渋く描かれているように見える。
先生、やはり少佐は耳が隠れていると、重たく見えるんですなっ!
今回は短い滞在ではあったが、美しいマルタ島が舞台。
島の人口数よりもその数が多いという猫もたくさん登場。
![にゃー](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/002.gif)
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やつらは、すっころんで生魚のウロコや切り身の一部が付いてしまった
エーベルバッハ少佐のケツを狙う。そのままかぶりつけーーーっ
![うり坊](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/011.gif)
![あせる](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/029.gif)
![DASH!](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/178.gif)
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(猫が少佐と絡むとは、猫派にはちょっと嬉しい)
……そういえば、
「バックに気をつけろよ」とは、
その昔、G君が青池マンガに初登場した時、
ジャスティン・レイ、バージル・ワード、ヒース・イアソンらの調査に取りかからせる前の、
少佐からのG君へのアドバイスだったよねっ?
(詳しくは、イブの息子たち番外編「グッド・カンパニー」白泉社文庫2巻を。)
![](https://stat001.ameba.jp/user_images/1e/25/10063178567.jpg?caw=800)
「笑い猫の肖像」収録
「猫本2」講談社(2008/04)
もう少し青池氏の(大量の)ニャンコを見たい方には、「猫本2」がおすすめだ。
ついに青池マンガの主役がトンスラに!--- 「笑い猫の肖像」
さて、これまで場所の移動や情報収集といった、
比較的地味な展開だった「聖ヨハネの帰還」。
珍しく、登場人物が動いてくれたためか、
画面内の空気に少し動きが出て、
ちょっと息のつまった感じが薄れたようだ。
近年の作風は、著者のご年齢もあるのか全体が丸くなってしまっているので、
今回のミーシャと少佐の悪態の応酬
![爆弾](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/036.gif)
あまりにも久々で、新鮮で ……
![アオキラ](https://emoji.ameba.jp/img/user/ha/hakunokoi/232.gif)
![アオキラ](https://emoji.ameba.jp/img/user/ha/hakunokoi/232.gif)
伯爵の尼さん扮装も、久しぶりに登場だ。
「古書店主の強面の用心棒」は、リアルな線で何気に格好よろしい。
こういう仕事の人ってやっぱり、髪、短いよね。普通。
* * * *
近年のエロイカシリーズは、かつての東と西のアクション付き情報争奪戦といった
分かりやすい展開よりも、何やら学術的な要素がより強くなり、旧KGB等のオヤジらの、
個人レベルの強欲による悪行が体制崩壊後も依然として続き、
その解決にエーベルバッハ少佐らが任命される、といった展開がよく見られる。
その悪行が学術性の意義のあるものや、国の習わしなどに関連していたりして、
よく詳細を読み込んでないと、その内容を把握し続けるのは、なかなかタイヘンだ。
ましてや2ヶ月に1度という、長過ぎとは言えないが、かといって直ぐに来るでもない
微妙なスパンで細切れ・ブツ切れされながらの追いかけは、結構しんどい。
連続TVドラマのように毎回「ヤマ」を入れ、かつ “続きを読みたくなるような
終わりにする” 意図が、毎号の限られたページ数のためか妙に目につき、
話そのものに集中できない。
「描きおろしホヤホヤの作品を読める」という、現在進行形を味わう楽しみ方もあるけれど、
ストーリーを俯瞰して把握しづらいために、どうも楽しめていない。
掲載ペースは先生のご事情もあるのだろうが、
どうもこの隔月連載の形態と、この作品内容が合わないのか…?
……他の掲載マンガはほぼ読まないし、すぐ解体しちゃうし、
そうなると、600円も払って掲載号を毎号買うメリットはほとんど無し!
まあ、定期連載している以上は、その間仕事の忙しさにかまけてれば、
単行本は通常はコンスタントに出版されるはず。
“硬派な”「単行本派」でも宣言しよか。
……と思ったら、次号12月号は、サイン入り切手シートプレゼント……
微妙にひっぱりますね。年末だものね。
マンガ雑誌の企画するグッズって、 どうなんだろうなぁ。
絵柄がよければいいけれどね。
月刊プリンセスから移籍連載第1弾の「聖ヨハネの帰還」。
他の読者さんはどう読んでいらっしゃるんでしょうか。
* * * *
もう少しその土地の空気を感じていたかったマルタ島。
最後にマルタ島の小さい港のボート写真をご紹介。
本当に「目」がついているんですねえ。
![親愛なるエロイカへ-マルタ島ボート](https://stat.ameba.jp/user_images/20091018/12/from-eroica-with-love/c2/42/j/o0564032710279632454.jpg?caw=800)
奇妙な「目」付きのマルタ島のボート by HMaus
* * * *
さああて。
エロイカ海外フィクションの、とあるお気に入りの作品を
近いうちにご紹介できることになりそうです。
エロイカファンダム文化の一辺を、味わっていただければ幸いです。
それまで、お楽しみに。