先日、~佐々木俊尚さんと考える、未来の在り方、世界との関わり方~のトークイベントを聞いてきた。佐々木さんと同じステージに立ったのは、世界一周を経験したことのある20代前半の若者5人。彼らがみな「世界一周をしてよかったと思うのは、いろんな価値観に触れたこと。世界の多様性を実感した」と語るのを聞いて、ほぉ~と思った。なぜなら私も4年マレーシアに住んでみて「みんな違ってそれでいい」ということを伝えたいと思っているから。わたしも同じことを感じ、同じことで自由になり、それを伝えて行きたいと思っているから。
みんな同じことを思うんだなぁ。いやままよ、日本人が感じることなんて、たいてい同じことなのか。なんて考えていたら、会場からひとりの方が質問をされた。
「皆さん海外に住んでよかったことは多様な価値観を身につけたこと、とおっしゃいますが、私が聞いていると、逆に、多様な価値観がいいという、同じ価値観を身につけていらっしゃるようにも思えます」
多様な価値観がいいという同じ価値観。
なかなか的を射ている。たしかにそうとも言える。
まずひとつ思うのは、多様な価値観がいい、というのは、自分のなかに無数にある価値観のひとつであって、佐々木さんがいうところのひとつの“レイヤー”だ。それが同じだからといって、他すべてが同じなわけじゃない。ひとつの価値観が同じ人なんていっぱいいると思う。そういう人が友人であったり、親友であったり、気の合う上司だったりする。
そして多様な価値観がいい、と感じる私たちは、間違いなく、それ以外はみんなそれぞれ違う価値観を持っている。そうあることが自然だと感じているし、そのほうが心地いいから。
つづく。