だご汁。熊本の郷土料理で、すいとんのような汁もの。だごとは、小麦粉を水で練ったもので、歯ごたえのあるもちもち感がいい。休日のお昼や、腹減り中学時代のおやつとして、熊本のおばあちゃんが作ってくれていた。
いつも普通に食卓にあったので、だご汁が郷土料理だなんて知らなかった。でも実家を離れ、おばあちゃんが他界してから、ほとんど食べなくなった。そのことで、だご汁が懐かしい郷土の味だということを知った。
作り方は簡単なのに、なぜか、なかなか作れなかった。
おばあちゃんの味に、なかなか手を出せなかった。
具はサトイモ、ニンジン、シイタケ、鶏肉、イリコ、そしてだご。
醤油、塩で味を調え、最後に赤酒(熊本の甘いお酒)を香り付けに加える。味噌味もあるが、おばあちゃん味はすまし風。
おいしかった。
初めてじぶんの作っただご汁のスープは胃に沁みた。
それは、幼いころのじぶんにひょっこり会ってしまいそうな、おばあちゃんの味だった。
味って、ちゃんと覚えているんだなぁ。
それも頭じゃなくて心でダイレクトに覚えているんだなぁ。
おいしいは、心から消えないんだね。
余談ですが・・・
二日酔いでへろへろな夫の朝ごはんにだご汁を出したら、途中で「うっ、これ以上食べれん」と吐きそうになってました。だご汁、神奈川出身の彼には、単なる具だくさん汁だったわけですな(笑)