実際に原文を読んでみて、しょっぱなから
ここまで驚かされるものはないですよ。


前回の記事は↓にて
http://ameblo.jp/free-and-obligation/entry-10810021004.html

今回のテーマですが、「TPPは農業だけが
自由貿易の対象ではない」ということを書きたいと思います。
今日の段階で半分近くまで原文を読みましたが、
本当にここまで自由貿易の対象に広げるかってくらいにまで
ハードル下げてますから、本気で恐ろしいですよ
しかし、経済オンチの自分がTPPに関するネタをシリーズで
書くってのも何なんだろうなと思うんですがねw


今回のTPPに関する条文なんですが、
原文は↓の160ページに渡る英文文書になります。
まず英語ってだけで読みたくないって人が多いでしょうし、
自分もこの分量の資料を色々な経済本を出版している、
あの某人気経済評論家の方から、ある経緯で
教えてもらった時には正直ビックリしましたw

http://www.mfat.govt.nz/downloads/trade-agreement/transpacific/main-agreement.pdf

さすがにこれだけで解説するとなると、英語が読めない方が
多いと思うので、既にある程度の日本語訳が出ている
↓のサイトも併用していきたいと思います。
http://nihon-jyoho-bunseki.seesaa.net/

ではでは、早速本題に入りましょう。

TPP、環太平洋戦略的経済連携協定は元々、
2006年5月にシンガポール、ブルネイ、チリ、
ニュージーランドの4カ国加盟で発効した経済連携協定なので、
原文を読んでいると、この4カ国は
かなり優遇された感じの条項も見受けられるんです。
それは後ほど解説していきますが。

今回は条文における序文及び第1章の中で、
「これはヤバイだろう」っていうところを抜き出してみたいと思います。
英文と日本語訳を載せました。

まずは序文から気になる部分を・・・

ENLARGE the framework of relations among the
Parties through liberalising trade and investment and
encouraging further and deeper cooperation to
create a strategic partnership within the Asia - Pacific region
(投資と貿易の自由化、並びにアジア太平洋地域内の
戦略的連携を作り上げるためのより広くより深い協力の促進を通して、
加盟国間の関係の枠組みを『拡大する』)

CREATE an expanded and secure market for
the goods and services in theirterritories
(加盟国領域の産品及びサービスのための
拡大された安全な市場を『作り上げる』)

AVOID distortions in their reciprocal trade
(相互貿易の歪みを『回避する』)

REAFFIRM their commitment to the APEC
Principles to Enhance Competition and Regulatory Reform
with a view to protecting and promoting the competitive process
and the design of regulation that
minimises distortions to competition
(競争の歪みを最小限に抑える規則の設計、
及び競争過程の促進と保護を目的とした
「競争と規制改革を促進するための
APEC原則」への献身を『再確認する』)


こういう理念が並ぶと、まあ随分立派だなと思うわけなんですが、
これが読み進めていくうちに、「単に関税無くして、最初に
取り組みを決めた4カ国がある程度、
得するための枠組みだろう」
という
ツッコミを入れたくなるわけですよw

その証拠に第1章からヤバイ条項が入ってまして・・・
以下、第1章の「INITIAL PROVISIONS(冒頭規定)」の
第1条の2からの転載です。

2. This Agreement covers in particular the commercial,
economic, financial, scientific, technological and cooperation fields.
It may be extended to other areas to be agreed upon by
the Parties in order to expand and enhance
the benefits of this Agreement.
(2 本協定は、特に商業・経済・金融・科学・技術・協力の分野を取り扱う。
取り扱う分野は、この協定の利益を強化し拡大するために
加盟国団が合意するその他の範囲に拡げることができる。)


あの経済評論家の方に原文をもらった後、
第1章のところを読んでいたんですが、さすがに
この文章を読んだ時には我が目を疑いましたよ

TPPは元は4カ国のみの協定ではありますが、
そこにアメリカが途中から絡んできて、更に
日本まで巻き込まれたら、日本の
商業・農業・金融・科学などの分野の技術や
食糧、お金まで海外に取られる可能性があります。
何故自分がそう思うかというと、
序文に「投資」の事項が入ってるからです。

「投資」という言葉で、察しのつく人は多いかもしれませんが、
これはつまり、投資をも自由化の対象にすることで、
外資が日本に入り込みやすい状況ができてしまうわけです。


ちなみに外資の投資によって、日本が危機的な状況を迎えた例は
7年前の2004年に一度起きています。
その当時は財務大臣、今は自民党総裁であるガッキーこと、
谷垣禎一氏の的確な采配による「日銀砲」で
外資を2000~3000社ほど潰して何とかなったんです。
その当時の状況を語った本人のJ-NSCでの
イベント動画やソースは↓にて
http://www21.atwiki.jp/tanigaki/pages/21.html



ちょっと脱線しましたが、さすがに↑のような条項の
TPPに参加したら、7年前のように
日銀砲ができるのかというと、自分は疑問を呈さざるを得ないんです。
次回はまた別の条項のところでツッコミを入れていきたいと思います。

TPP、環太平洋戦略的経済連携協定については↓にて
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%92%B0%E5%A4%AA%E5%B9%B3%E6%B4%8B%E6%88%A6%E7%95%A5%E7%9A%84%E7%B5%8C%E6%B8%88%E9%80%A3%E6%90%BA%E5%8D%94%E5%AE%9A