誤字脱字に関連する話は、幾度となく書いていますが、
今回取り上げるのは“ひらながの誤字”とも言える表記の問題です。
その中でも、現代仮名遣いの一部に関して取り上げることとします。
細かい話をするとなると、相当なボリュームになりそうなので、
要点だけ押さえていきたいと思いますが…。
まず、よく間違えられる語として、真っ先に挙げられるのが“気付く”という語です。
これを平仮名表記した際に、“きずく”とやってしまう人が存外に多いのです。
これは明らかに誤表記で、本来は“きづく”です。
確かに日本語として発音した場合、
「づ」と「ず」の分別はつきにくいかと思います。
しかし、だからと言って「きずく」とやってしまっていいわけではありません。
しかも、この間違いの場合、
漢字に変換すれば間違うことはありません。
「きずく」と変換しても変換出来ないでしょうし、
ATOKを使っているならば、「きずく」で変換すると
「きづく」の誤りであると丁寧に教えてくれるはずです。
頭の中で変換してもいいでしょう。
「気づく」は「気付く」だから「付」は「つ」なので「きづく」が正解。
結びつけるのは容易のはずです。
あと、「つらい」という語も間違いが多いです。
疑問に思う方もいらっしゃると思いますが、
「つらい」という単語での間違いではなく、例えば「やりづらい」であるとか、
「読みづらい」であるとか別の語の後ろに付く場合の話です。
これも「やりずらい」「よみずらい」とやってしまう人が多いです。
漢字に変換すれば「槍図雷」「余水雷」等、あり得ない語になってしまうので、
すぐに間違いと気付けるはずですが…。
また、「つらい」自体を漢字に変換したら「辛い」になりますしね。
「すらい」とは読めません。当たり前ですが。
ちなみに、表記に関する事細かい決まりについては、
内閣告示「現代仮名遣い」(昭和61年制定)に則るのが基本です。
かなり細かい話になるので大部分を省略しますが、
例えば「世界中」という語は「じゅう」が本則ですが「ぢゅう」でも許容。
「稲妻」も「いなずま」が本則ですが「いなづま」でも許容。
等の取り決めが記載されているのです。
そして、その中の取り決めには、
上述した「気付く」「辛い」は存在しません。
そうなのです。それが何を意味しているのかというと、
「きずく」「ずらい」等は普通に誤った表記であるということなのです。
誤字脱字に表記ミス。
「うっかり」の類は別段問題ありませんが、
明らかにそうではないと思われる間違いは、
人によっては評価を下げたり、印象を悪くしたりします。
くれぐれも注意が必要です。