1154.隣人をオモテナシの巻 | フランス絵巻き

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南仏コートダジュール・画家よんじょう

先週末、元・隣人(60代マダム)から電話:「今日の午後3時頃、お宅に(鍵を受け取りに)伺ってもいい?」と。
隣人は、仏人ですけど、米国に長く住んでたおられたんで、子も孫も皆、米国在住。本人は20年前に離婚してニースに戻って以来1人暮らし。渡米のたびに、ご自宅の鍵をウチに預ける。
隣人の留守中、1週間に1度、観葉植物の水やりと、郵便物の回収を頼まれるのだ。近所に、実の妹さんも住んでるけど、近くの肉親より、近くの他人のほうが心安いって事もありますもんね。

さて。その日は、ロールケーキを作った。お客人(隣人)の為ではなく、私が食べたかったからだ。 
近所の仏人は、オモテナシも気取らない。(日本人相手にモテナスほうがヨッポド気ィつかいますでー)

ロールケーキは、混ぜて、流して、焼いて、巻いたらシマイなんで、ホントにお手軽。というズボラな理由でよく作るんですけど、その時は冷蔵庫にマンゴーがあったんで、マンゴーのロールケーキになった。

器なんかは、全部お揃いでトータルコーディネートする人が多いけど、私は、そういう事はしない。
器の色、模様、雰囲気でコーデーネートするんで、『絶対、こうでねぇと!』とゆー信念もない。
高いのと安物でも平気でコラボしちゃう。
その場の気分で、パパっと合わせるんですけど、ピタっと決まると楽しい。おままごとみたいで。
ちなみに、この日は、ロールケーキの生クリーム&マンゴーが栄えるよう、黒い漆皿にした。
煎茶とともに、マダムにお出したら感激してくれた。
「おお!これぞジャポン!すべてが繊細で美しい。アナタそのものだわ!」と。(←最後の、お世辞の一言に関しましては、500万人からのクレームは一切受付けません、筆者註)。
急須はジャポネ製じゃなくて、紅茶用の英国製なんですけど、湯呑みの雰囲気とよく合うのだ。
で、その湯呑みは、大昔から実家にあった”蒲鉾屋の景品”!

母上が、昔、お茶屋さん(お茶の卸屋)から貰ったもので、湯呑の裏には「田中蒲鉾店」とある。電話番号が旧式なところからして昭和30~40年代のブツとみる。
この(湯呑の)超オレンジ色&金色のモチーフが好きで、仏国に一緒に連れてきちゃつたノ。
(ご希望なら写真アップしまほか?)


<PS>
隣人は、娘さんに、私のことを「プチ・プペ(小さなお人形)」と呼んでるそうだ。ハタチにもなったオイラのことを、そう形容してくれる人は、世界中でこの人だけだろう。
プチ・プペ当人も、そう言われるたびに、サスガに吹き出しておるが、悪い気はしない(=しっかり喜んどる)ところが、我ながら痛い。