先日、元不登校だった子どもを持つお母様同士での集まりで

お話をした時に出た話題から考えた事ですが・・・。思いつくまま

に、ちょっと記録しておこうと思います。




何かしらの心の傷や、辛さを抱えて、学校へ行く事が出来なく

なってしまった子どもにとって、いったいどういう対応が一番

必要なのか?という事ですが・・・。


親は、どうしても、わが子が不登校状態になると、まず最初に

これが長引かないように・・・、何とか早めに学校に復帰できる

ように・・・と、その事に心を砕きます。


それは、せっかくの期間の限られた学習機会を失わせたくない

という思いだったり、高校進学の事を考えての内申を悪くさせな

いことへの心配だったりします。


ですが、学校に行けなくなった時点での子どもは、見かけ以上に

心が疲労している状態であることは、色んな所で言われていること

です。


ですから、これを、親は、無理やりにでも、想像力を持って認めて

やる必要があるのですよね。


しばらくは、何も言わずに、ゆっくりと家で休ませてやろう・・・と。



ここをうまく出来ずに、何とか子どもの身体を学校に向かわせよう

とすると、真面目な子ほど、何とか親の期待を裏切らずにおきたい

・・・という思いで、自分がぎりぎりの状態で、辛くて仕方がない時

でも、更に頑張って、教室はダメでも、保健室や別室登校なら・・・

と自分なりに登校を試みるのです。


それを、親は、子どもが回復してきて、保健室や別室なら通える

ようになってきた・・・と誤解して解釈してしまいます。


でも、真面目な子ほど、辛い努力をしてまで、そうして何とか身体

だけでも、学校へ行く事をしてしまうので、それによって、疲労度は

ドンドン蓄積され、場合によっては、不登校になった時よりも、症状

を悪化させてしまう事にもなりかねません。


そして、しばらくは五月雨のように、登校したり、休んだり・・・を繰り

返すことがあっても、そこから良い状態に向かう事は難しく、現状

維持か、悪くすれば、再度の完全不登校となります。



わが子の不登校体験を通して、色々なお子さん達の様子を知る機会

があり、その経験を通して感じたことは、中途半端に努力を続けて

いる子は、復活へのエネルギーがたまりにくく、たとえば、一時期、

復活したように見えても、また、辛さが強くなって、動けなくなってしま

う・・・という事が多いようだということです。


親が、わが子の現状を心から認めてあげられて、元気になるまで、

焦らずにゆっくりと過ごすことを許されてきた子は、その事で親の

愛情を感じる事が出来、また、安心して居られる場所が確保できる

ことで、かなり楽になります。


あとは、その子の受けたダメージの深さや、もともとの資質、性質など

によって、自らエネルギーチャージして元気を回復し、外へと意識が

むき出すまでの時間は、それそれでしょう。


予想以上の早さで、元気になり、動き出す子もいれば、何年か、目だ

った動きが見られない子もいるかもしれません。


ただ、家の中で、じっくりと体力も、気力も充電する事が出来、その間に

思うように動けない事で辛さを増幅させる事があったとしても、それさえ

も、自ら乗り切った後に、外へ・・・と向かい出した子は、動けるようにな

って来たら、加速度がついて元気になっていく場合が多いのです。


長女の場合も、結局中学の3年間は、殆ど棒に振ってしまうくらい学校

へも、その他のフリースクールのような場所へも、行く事が出来ません

でしたが、年単位で元気を取り戻してきた頃、少しずつできる事からステ

ップを踏んで、出来た事を認める・・・という繰り返しによって、自信を取り

戻す事が出来てきた気がします。


もちろん、復活の仕方も、人それぞれですので、いきなり大きなステップ

を前にしても、ポ~ンと高飛びして成功してしまう子もいるでしょう。それ

以前に、充分に休息を取りきった子ほど、そういう事が可能なのかもしれ

ません。



そして、復活する事が出来ても、それで、何もかも元通り・・・ということで

は無い・・・というのは、多くの不登校体験者の親が感じている事だと思い

ます。


それぞれに、現状精一杯頑張っているわが子を見守りながらも、それぞれ

弱い点、不得手な点を抱えているのは、事実ですから、また、どこかで

躓くのではないか?後ずさりしてしまうのではないか?と、親は、常に

どこかしら過去の【トラウマ】としての、不安を持ち続けているのです。


ただ、確実に、問題が起こる前とは、親子間での関係や理解が変わって

いる・・・という事は言えると思います。


問題が起こる以前よりも、親子の信頼感は増していることが一般的だと

思いますし、何よりも親が、わが子に対して、必要以上の期待や干渉を

しないようになっていることでしょう。


問題が起こる以前は、「絶対にこうでなくては!」と、妙な頑なさで信じて

いた親の価値観も、いつしか、違っても良いか・・・と受け入れられるよう

に変化してきているのです。


子どもにとって一番辛いことは、結局なんだったのか?と言えば、


一番、認めて欲しい親に、どんな自分でも「受け入れてもらえる」という

安心感を得られないこと。


親に否定される事


それこそが、子どもにとっての一番の辛さなのだろうと思います。



これは、不登校になってしまう子だけに関する事ではなく、普通に学校

へ通えている子の場合であっても、基本的に考え方は同様です。



ただ、不登校になるタイプの子というのは、やはり、どこかしら「弱さ」

を抱えている・・・という事は、否定できないでしょう。


そういう何らかの【弱さ】も、自分の中でうまく折り合いをつけ、バランス

を取りながら、学校や外の世界で乗り切っていくことが出来るようになれ

ば、かなりの成長です。


ある方が、

「大部分の人達は、正常なふりをして生きているのだ」と思えば良い。


と言っていました。


自分が人と違っているように感じる所は、とりわけ若い世代の人にと

っては、大きな不安や恐怖の元になったりします。


自分だけが変で、周りは皆普通なんだ・・・と思いつめる事さえあるでしょう。


でも、意外と、どんな人でも、おかしな所はあるものです。


ただ、真面目な親ほど、そういうちょっとした違いに神経質になり、ついつい

理想的な教育を!と躍起になって、無意識のうちにも子どもに強いプレッ

シャーを与えてしまうものなのですね。


困り感のある子なら尚更の事です。



不登校問題は、つまるところ、親子の関係性の見直しの為にあるんじゃ

ないか?って思ったりしています。