増量期と減量期(ピリオダイゼーション) | サッカーのための筋トレと栄養(since 2010)

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「筋肉を増やしながら、脂肪を減らしたい」というニーズはよく聞くのですが、

残念ながら、人間の体は基本的にそういうことは起こらない構造になってます(初心者がトレーニング開始した最初の数ヶ月と、ウェイト経験者のブランク明けからの再開した場合は例外)。


実際のところ、トレーニングして栄養バランスよくガッツリ食べて、「摂取カロリー>消費カロリー」の栄養状態で休息すると、これだけで筋肉は必ず増えるのですが、同時に脂肪もそれなりに増えます。

でもサッカーにおいては、使える筋肉はしっかりあるけど、体脂肪は少ない方が理想体型であるのはご存知のとおり。

じゃあその余分についた脂肪はどうするのかというと、大会・シーズン前の時期に、ある程度筋肉が増えてきたところで、頃合を見計らって減量モードに切り替えることで、脂肪を落とせばいいのです。

これまでと同じ(もしくはやや軽めの)ウェイトトレーニングを行いながら、「摂取カロリー<消費カロリー」のアンダーカロリー栄養状態に運動量・食事量を調整していると、筋肉量を維持したまま、脂肪だけが自然と減っていきます。

こうやってオーバーカロリー期(筋肉↑脂肪↑)とアンダーカロリー期(筋肉→脂肪↓)を繰り返していくと、筋肉が多くて、脂肪が少ない体が短期間で仕上がるのです。なのである程度は中長期的なスパンで筋肉を増やしていくことになるのですが、

健康な男性なら、大体3年くらいでクリスティアーノ・ロナウドと同じかそれ以上の筋力がつきます。
マジです

マジです。こういう見た目になります(顔は別・・・あと身長も汗)。

なので、例えば大事な大会が来年の4月から始まると仮定すると、
4~6月(増量期)
7~9月(減量期)
10~12月(増量期)
1~3月(減量期)
4月(調整・維持期)

みたいに3ヶ月単位で増減量を繰り返して大会に臨むスケジューリングが、年間計画パターンの1つとして考えられます(いわゆるピリオダイゼーション)。

つまりトレーニングおよび栄養管理のプランは、理想の最終形、すなわち大会に出る理想の状態から逆算して組み立てるということです。

実際、これらはスポーツ選手の体作りにおいてはベーシックかつオーソドックスな基本原則なんですが、残念ながら一般にはほとんど知られていないというのが現実です。

ここで、増量と減量を繰り返すことで健康に大きな支障をきたすのではという心配もあるかもしれませんが、そこまで心配する必要はありません。高いレベルでやっている選手は、みんな普通にやってることですので。実際、そんなに難しいことでもないですよ。

なお、まだ成長期の人がこのトレーニングサイクルを導入することは、あまりオススメしません。(減量期とか栄養不足の状態が数ヶ月続くということでもあるので)

ちなみに成長期が終わったかどうかは、医者でレントゲン撮影してもらって「成長線(骨端線)」という組織の有無を確認すれば、身長がまだ伸びるかもう止まったか結果が100%判かります。なので、気になる人は早く医者に行って確認してきたらいいですよ。1回の検査で1,500円ぐらい。

(もう成長が止まってるのに「筋トレやると身長が止まるからやらない!」って勘違いしてる人も時々いるようですが、そうはならないように・・・) 


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