正常月経の定義では、月経の開始する(初潮)年齢は、10~14歳(平均12.5歳)とされています。
それより早く初潮が起こってしまうことを「早発初潮」(思春期早発症)
初潮年齢が遅い、ある年齢(15歳とすることも、18歳とすることもある)に達しても
初潮がこないことを「原発性無月経」といいます。
子宮は、女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)を浴びれば、子宮内膜の準備をし、
浴びているホルモンが急に無くなれば出血を起こすところです。
生後数日で、女の子の膣から出血が出る場合があること、ご存知ですか?
これは、「新生児月経」といいます。
胎児の時に母親から臍帯(へそのお)を通してやってきた女性ホルモンによって子宮内膜が準備され、
生後数日でそのホルモンがカラダから無くなったときに月経のような出血を起こすことを言います。
「きちんとホルモンに反応する子宮を持って生まれてきたのね!」
という意味で、心配することはありません。
こうして、きちんと子宮・卵巣を持ってうまれてきた女性の身体は、
ある程度成熟すると、脳からの指令で自分の卵巣から女性ホルモンを作れるようになります。
初潮のくる年齢は、脳の成熟と、体脂肪の増加によって決まってくるといわれています。
初潮がくるには、17%くらいの体脂肪が必要であるといわれています。
ちなみに、きちんと排卵の起こる月経周期が確立するには22%の体脂肪が必要。
これは、女性ホルモンの原料は「コレステロール」であり、また脂肪組織の中でホルモンが代謝されていること、
さらに、脂肪組織の中にある「レプチン」という物質が生殖機能に関与していることが原因とされています。
少し話がそれましたが・・・
昔に比べ、最近の子供は発育がよくなって、初潮がくるのが早くなっていると聞いたことはありませんか?
栄養状態がよくなって、この17%に達するのが早くなったというのが一番の原因です。
じゃあ早く初潮が始まるといいのか、というと、そうではありません。
思春期が早く始まりすぎる「早発思春期」という異常があります。
女性ホルモンは、「骨端線閉鎖」といって、骨の成長を止めてしまう働きがあります。
ですから、早く体が大きくなり過ぎて、早く初潮を迎えた人は、成長もはやく止まってしまい、
結局、20歳頃には、どんどん周囲の人に身長を抜かれ、低身長となってしまうことがあるのです。
10歳未満(9歳以下)で初潮を迎えた場合は注意が必要です。
まずは小児科で相談されることをおすすめします。
(必要に応じて、小児科から婦人科に連携があるはずです。)