「女性のからだ、お勉強ブログ」

「女性のからだ、お勉強ブログ」

四季レディースクリニックは、東京都中央区・日本橋人形町駅前にある婦人科。医師・スタッフは全員女性です。
女性のからだについてよく知って受診・ご相談いただけるよう、
お勉強ブログを作りました。

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女性なら誰でも経験する、外陰部のかゆみやおりもの、におい。

「何かの菌に感染したのでは?」と心配するのが普通ですよね。

「自分の体は清潔で、毎日お風呂入っているし、菌なんか持っているはずが無い!」

なんて思いがちですが、実は私たちの体の中、皮膚の上には無数の菌(いわゆる「雑菌」)が存在しています。


菌が繁殖するには「温かいこと、湿っていること、適当な栄養があること」の3つの条件が必要。

人間の体の中で一番雑菌を含むのは便ですから、パンツの中は最も菌が繁殖しやすい場所。

特に、女性の腟の中は、温かく湿っているし、肛門のすぐ隣なのに雑菌が入らないよう蓋をできるわけではないし。

よく考えると、むしろ便の中の雑菌が繁殖しない方が不思議ですよね?


なぜ、便の中にウヨウヨいる雑菌が膣の中で増殖しないのか?
・・・実は、雑菌から膣の中を守ってくれているのは「おりもの」なのです。

正常な「おりもの」の中には、乳酸桿菌という「良い菌」がおり、腟内を酸性に保って雑菌が入ってくるのをブロックする働きがあるのです。


雑菌による激しい、かゆみで最も有名なのが「カンジダ腟炎」。

激しいかゆみやヒリヒリとした痛かゆさを伴い、ボロボロとカス状のおりものが出ます。

カンジダは真菌(カビ)の一種で、便の中などに普通に存在する「常在菌」。

特に暑い時期には蒸れて繁殖しやすいものです。

抗生物質を服用した後に起こりやすいのは、抗生物質は「細菌」(乳酸桿菌を含む)を死滅させる効果があるものの、「真菌(カビ)」には無効だから。

また、性交後に起こりやすいのは、性交時の腟内の摩擦により腟壁が傷つき、「いいおりもの」を作る力が落ち、さらに「清潔にしなきゃ!」と腟内を洗い流す人も結構いるようで、「いいおりもの」が流され、さらに水分が豊富にあるために繁殖しやすい環境をつくってしまう・・・ と考えられています。


初めて症状が起こったときには、産婦人科を受診してきちんと診断・治療を受けましょう。

一度カンジダ腟炎になった人は、生活習慣を見直して上記のような原因を除外できなければ、残念ながら反復もしやすいものです。

しかし近年、過去にカンジダ腟炎にかかったことがあり、治療薬でアレルギーなどの副作用がなかった人は、市販薬を買って自分で治せるようになりました。

なかなか病院には行けない人に、これは朗報!上手に利用したいですね。


なお、おりものやかゆみの症状があると、真っ先に「性感染症」を心配する人も多いでしょうが、「性感染症は症状が出ないものほど流行する」

という事実は知っておきましょう。

よく考えてみてください!においやおりものなど何か症状があれば、普通はすぐに治療を受け、次のパートナーには感染させないはずですよね。

それに強いにおいがしたり普段と違ったおりものであれば、そもそも性交自体を避けるはず。


現在、世界中でもっとも流行している性感染症はクラミジアなのですが、

実際、クラミジアと診断された人のうち、おりものなどの自覚症状があったのはたったの2割!というデータもある位。

残念ながら、おりものやにおい、かゆみなどの症状は、決して性感染症を疑うポイントではなくなっています。

ですから私のクリニックでは、何も症状がなくても、パートナーが変わるたびに検査を受けておくことをおススメしているくらいです。


さらに、性器の構造上、男性よりも女性のほうがはるかに性感染症などに感染しやすく重症化しやすいということはご存知ですか?

先ほどお話したカンジダや大腸菌などの便中の常在菌は、女性の場合、肛門から近い腟や膀胱に容易に入ってしまいますが、男性のペニスは肛門から遠いですよね。

しかも、性交に用いる男性器(ペニス)は尿道と共用ですから、菌がペニスから体内に入ろうとしても、尿をするたびに洗い流せてしまうのです。

婦人科でクラミジアと診断された女性のパートナーを検査すると、クラミジアが検出されない、という驚く事実がたびたび起こるのはこういう理由からです。


一方、女性の場合、腟の中に菌が入ってきても洗い流せないばかりか、子宮内から卵管を通って腹腔内(お腹の中の腸などの内臓があるところ)まで容易に到達することができるのです。

それで、女性の場合はクラミジアなどの性感染症が原因で腹膜炎のような強い腹痛を起こしたり、不妊症になったりしてしまうのです。

ただし、クラミジアと早く診断できれば、よく効く治療薬もありますので、とにかく早く診断をつけることが大切です!


性に開放的になってしまう人が多いですが、男性と女性の体にはこんな違いがあり、性交の後に起こりえる感染症のリスクは女性の方がはるかに高いものであることは知っておきましょう。

もちろん望まない妊娠が起こった場合の身体的・精神的リスクはいうまでもありません。

性感染症予防にはコンドーム、避妊にはピルが常識です!

ただし、今は避妊に失敗した場合、性交後72時間以内に内服すれば妊娠のリスクを下げることができる緊急避妊法もあります。

そして羽目を外しそうになったら、少しこの話を思い出してください。

・・・もし、少しでも思い当たるフシがあれば、傷を小さくするために、できるだけ早く産婦人科を受診して適切な検査・治療を受けましょうね!

2012年9月頃だったか。
木曜日(休診日)の朝、テレビを見ていたら、フジテレビの「とくダネ!」でAMH検査のことをやっている!!

「こりゃ~問い合わせが増えるな・・・」と嫌な(?)予感がしていたのですが、
その後、やっぱり!さらに11月頃に再度放送があったのもあって、
「AMH検査希望」の初診予約希望の問い合わせが増えております。

しかも、ご丁寧に「都内でAMH検査を受けられるクリニック」で検索をかけると、

当院のこともしっかり載せてくださっているブログもあり・・・(汗)。


AMH検査については、いろいろ誤解も大きいことを日頃から実感しているので、

ここでしっかり、当院でのAMH検査の位置づけ、意味を書いておきたいと思います。


AMHとはanti-Mullerian Hormone (抗ミュラー管ホルモン)のこと。

これまで「月経のしくみ」として、

「卵子の数には限りがある、生まれたときから数が決まっている」
と書いてきました。

卵子の周囲には「卵胞」という水風船のようなものができ、毎月その中の1個だけが大きくなって破裂するのが排卵でしたね。

この排卵のために準備されている卵胞の数を反映するホルモンがAMHです。


排卵の準備として、脳からはFSHというホルモンが分泌されて1個の卵子を選んでいくのですが、

若くて卵子が豊富にあるときにはFSHは低く(軽い刺激で排卵が起こる)、

卵子の数が減ると、FSHが上昇する(一生懸命司令しないと排卵できない)

というので、これまでは卵子の残り具合の目安にしていたのですが、
FSHは月経周期の中でも大きく変動するのが難点で、卵子数がかなり減少し、
更年期に入ってこないと明らかな上昇を認めない、というデメリットがありました。


そこで、月経周期の中であまり変動しないAMHが計れるようになり、俄然注目を集めだしたのです。


卵子の数は年齢とともに減少するのが当たり前で、AMHの値も年齢とともに低下するのですが、

AMHを計ってわかるのは、「何歳相当の卵子の残り具合か?」ということ。


ですから、私はAMH検査には問題点が多々あると考えています。

・ 今日正常値(年齢相応や、年齢より若い値)だったからと言って、3年後に妊娠できるとは限らない。

・ 卵子の数は十分あっても、卵子の質がいいとは限らない。

などなど。


テレビを見て受診された、問い合わせされた方のお話をうかがうと、

「AMHを計れば妊娠できるかどうかの目安になる」

と勘違いされている方が多い多い!!


しかも、それ以外の子宮や卵巣のメンテナンス、月経周期やホルモン状態の把握ができていない

(婦人科検診や基礎体温測定なんかは一度もしたことがない)人が、

テレビを見ていきなり、「AMHを計って欲しい」と来られるので、頭を抱えてしまうわけです。


卵巣年齢の前に、筋腫や内膜症、子宮がんなどの病気で妊娠できないことだって十分ありえるのに!!


ということで、私が、当院で積極的にAMH検査をお勧めするのはこのような場合です。

・ 現在パートナーがいて、仕事などとの兼ね合いで、妊娠を先送りにするか否か悩んでいる。

・ 現在、当院に通院して基礎体温+タイミング指導などを受けている方で、

  卵巣寿命が短そうなら不妊治療の専門病院に転院して積極的に治療に進もうと思っている。


いずれにしても、

デパートの化粧品売り場で計ってくれる「あなたの肌年齢は?」みたいな感じで、

理解不足なまま受けるのは危険だな~と思うのです。


ちなみに、他院に比べて当院でのAMH検査の値段は高いです。

(そもそも、AMH検査は保険が通らないので、どこで受けても自費診療です。)


その理由は以下の2点です。

・ 日頃、検査をお願いしている会社では取り扱っておらず、

  いつもと違うルートで検査をお願いしているため、検査機関に支払う検査料が高め&手数がかかる。

  (不妊専門の医療機関では、検査数が多く、院内で検査できる場合も多い=安い)

・ 上記のように、きちんと理解して受けてもらわないと危険だと考えているので、説明に時間がかかる。


結局、そんなこんなで、当院では、AMH検査希望で受診される方の半分以上が、

結局検査を受けないことを選択されています。


でも、それよりももっと重要なこと、
検診を受けることや基礎体温をつけることの重要性、

妊娠希望のない間はピルを使うこともおすすめ!など、
偏った(マスコミに不安を煽られた)知識ではなく、

自分の体をトータルに理解することの重要性を知って帰っていただいているのではないかと
自負しております。


このページをお読みいただいて、

ただ「AMHだけ計って欲しい」という初診の方は、できれば受診をご遠慮いただきたいと思っています。
(AMH検査だけもっと安価で受けられる医療機関を受診されることをお勧めします。)





では、実際当院ではどのようにワクチン接種を進めているか、ご紹介します。

(当院は完全予約制ですので、予約の段階でワクチン接種希望の有無をお知らせください。)


来院されると、問診票を記入いただき、熱を測ります。
(体調がよく、熱も37.5度未満であれば接種可能と判断することがほとんどです)

準備ができたら、診察室にお呼びします。


子宮頸がんとHPVの関係について、ワクチンについて、

院長からこのブログの①、②、③で書いた内容、副作用について説明し、質問があればお受けします。


納得いただいたら、同意書にサインをいただき、いよいよ接種です。
(当院では院長が接種する場合と、院長の指示のもと看護師が接種する場合があります。)

上腕外側の筋肉に接種するので、少し痛みは強めです。


当院で接種を推奨している「ガーダシル」の情報サイト に、接種の流れが写真付きで載っていますので、参考にされてください


※ 特に自律神経が発達途上である思春期の方では、緊張感の強い場合、痛みが強い処置をした後で

   「迷走神経反射」と言って血圧が下がったり、失神して倒れてしまうことが稀にあります。

  これはワクチンの副作用ではなく、痛みによる反射と考えられています。

  接種後30分以内に起こることが多いので、

  その間は院内でゆっくり座ってお待ちいただくようお願いしています。


それ以外の副作用としては、一般的な予防接種とほぼ変わらず、

接種部位の痛み、発赤、かゆみ、出血、軽い発熱などと、

筋肉注射なので、筋肉痛のような痛み、腕のだるさが数日続く、という方が多いようですが、

今のところ、痛みが強すぎて、2~3回目の注射を拒否した、という方はいらっしゃらない程度です。

あまり心配されずにお受けいただいて大丈夫かと思います。

万が一、接種後に強い症状や、症状が長く続く場合には遠慮なくご相談ください。


HPVワクチンは「不活化ワクチン」に分類されるので、
接種後1週間経過すれば(1週間後の同じ曜日から)、他のワクチンを接種可能です。

ちなみに、インフルエンザワクチンも同じ不活化ワクチンですので、

1週間あければどちらが先でも接種可能です。

なお、風疹、麻疹などのワクチンは「生ワクチン」です。

生ワクチン接種後に他のワクチンを打つには4週間あける必要があります。



なお、接種の料金ですが、
中央区からの助成対象者は窓口負担金は無料 です。

必ず受診券(問診票を記載して)をご持参ください。


自費でお受けの場合、
当院で3回接種される予定の方は、3回分一括前払い ¥50,400 (税込)がおすすめです。
1回ずつ分けてお支払の場合、

当院での初回は、説明に時間がかかるため、¥18,900(税込)

当院での2,3回目は、¥16,800(税込)  となります。

お支払いには各種クレジットカードをご利用いただけます。

というわけで、HPVワクチンは16、18型のHPVの感染を防ぐワクチンです。
数あるHPVの中で、現在子宮頸がんにかかっている患者さんの65~70%がこの2型によるので、
HPVワクチンは子宮頸がんになるリスクをワクチンを接種していない人の1/3に低下させるということになります。


よって、「HPVワクチンを打ったから、子宮頸がんにならない」という訳ではない

ことをご理解ください。


ですから、性交を経験したら(遅くとも2~3年以内に)子宮頸がん検診を受け始める必要があるのです。

ワクチン接種の公費補助は高校1年まで、
自治体の子宮がん検診(公費補助)は20歳から受けられる、というのは、

あくまでも「高校生の60%が性交を経験する」というデータに基づくものなのです。


理論上は、20歳を超えても性経験がない人は、頸がん検診を受ける必要がないので、

その頸がん検診を受けなかった分の金額を、ワクチン接種に回してもらえるのが理想なのですが、
そこはお役所仕事・・・残念ながら、なかなか融通が利かないですね・・・。



では、よくある質問ですが、

性交を経験した人がワクチンを打ってもいいのか?意味があるのか?

「娘は打つけど、私は打たなくていいのか?」という質問、よくありますね。


性交を経験していても、

16、18、6、11の4タイプすべてに感染している人はほとんどいないと言われています。

よって、今後、感染のリスクがあるのなら、予防しておいてもいいのでは?
という考え方です。
一度感染したウイルスを消すものではないこと、
ウイルスによって起こってしまった細胞の変化(前がん病変やがん)を治す効果はないことは
十分理解しなくてはなりません。


ワクチンは、3回接種が必要で、多くの医療機関で3回分で5万円前後(自費)の金額です。
その分のコストパフォーマンスをどう考えるか?ということですよね。
検診を受けずにワクチンを受ける、というのはまったく無意味ですから、
まずは検診を受け、金銭的に余裕があればどうぞ、という感じでしょうか。

現実的には、まだ若く、パートナーが固定していない場合は積極的にお勧めします。
結婚していて、新たなHPVへの曝露の危険性が低い方は、
ワクチン接種より検診を優先するのが現実的
ではないでしょうか?

ちなみに、私はもう40代で、今後(今のところ?)パートナーが変わる予定がないので、
ワクチン接種をする予定はありません。
そして、もし、自分に娘がいたら、迷わずワクチンを接種させたはずです。


(ただし、現在9価ワクチンの開発が進んでいるらしく、あと5年くらいでは使えるようになるとの噂あり。

 今、12歳以下くらいで、あと5年は性交の開始を遅らせることができそうなら、

 それを待つ方がいいような気がします。)


大切なのは、HPVワクチンをきっかけに、子宮頸がんのこと月経のこと、性交のこと、避妊のこと、

何より「あなたの体を大切にしてほしい、そのために何ができるのか?一緒に考えよう」って
思春期の娘さんと親御さんがオープンに話ができる、
そして、何かあったら婦人科で相談すればいい、というきっかけづくりになるのが理想では?
と思うのです。
(そして、少しでも性交デビューを遅らせることができれば、
 性感染症や望まない妊娠も含む、いろんなリスクを減らせますよね。)


そういう意味では、HPVワクチンは、若い女性の婦人科デビューのいいきっかけになるので、
小児科や内科じゃなく、産婦人科で受けてほしいな~と。
そして、全国各地の産婦人科の先生には、産婦人科デビューのいい思い出を作るよう
心掛けていただきたいな~と強く思うのです。

子宮頸がんの原因はHPV(ヒトパピローマウイルス)であることは前回書いた通りです。
膣の中にこのウイルスが入らないと、子宮頸部が癌になることはまずありません。
そして、生まれつき、このウイルスを膣内に持っている人はまずいないと考えられます。

そこで、そのウイルスへの感染を予防するために考えられたのがHPVワクチンです。

HPVは、「ジェノタイプ」という型があり、見つかった順番に番号が打たれているのですが、
全部で100タイプくらいあります。
このすべての型が子宮頸がんの原因になるわけではありません。


まず、女性の性器に感染を起こすのは35~40タイプくらい。
その中で子宮頸がんの原因になるのはだいたい13タイプくらいあり、これを「高リスク群」と呼びます。

高リスク型HPV ; 16, 18, 31, 33, 35, 39, 45, 51, 52, 56, 58, 59, 68 型の13 種類


すでに「子宮頸がん」と診断された方のHPVの型を調べると、

約70% (日本人では65%)から16型と18型が検出されるため、

この、16、18型を特にリスクの高い「very high risk」と呼んでいます。


本来は、上記13種類全部の感染を防ぐワクチンがあるのが理想ですが、
残念ながら現時点ではそれはなく、

取り急ぎ、特にタチの悪い16、18型の予防をできるのが現在のHPVワクチンです。

ワクチンは、あくまでも「そのウイルスにかからないように予防する」ものであり、

かかったウイルスを治すものではありません。

(インフルエンザにかかってからワクチンを打つ人はいませんよね?)


よって、「性交を一度も経験していない状態で打つ」のが最も効果的。


ただ、現在の10代の性行動を調査すると、高校生のうちに6割の女性が性交を経験するという、
私の年代から見ると驚きのデータが!!
それで、公費を使ってのワクチン接種の年齢は「中学生から高校1年生まで」となったわけです。

※自治体によって対象年齢には差があり、当院のある東京都中央区は、高校3年まで対象 です。
  素晴らしい!!


このワクチン、現在発売されているものは2種類あります。

最初に発売されたのが、

「サーバリックス」(グラクソスミスクライン) 

 2価ワクチンともいわれ、上記16型、18型のみに有効なワクチンです。

そして、2011年8月に発売されたのが、
「ガーダシル」(MSD)

 4価ワクチンとも言われ、16,18型に加えて、

 子宮頸がんの原因にはならないけれど、外陰部にイボを作る「尖圭コンジローマ」の原因となる

 6型、11型の計4種を予防するワクチンです。


医師によって考え方、臨床治験のデータのとらえ方は様々ですが、

16型、18型の予防効果についてはほぼ同等と考えられています。


当院では、4価のガーダシルを推奨しています。

理由は、「子宮頸がんの予防効果が同等であれば、コンジローマも予防できた方がいいに決まっている!」というシンプルな考えからです。
コンジローマは、頻度はそれほど高くない疾患ですが、
(当院でも、2010年4月の開院から、2年半、2200名の患者さんの中で5名程度)

一度かかると、精神的なストレスがかなりかかりますし、
感染した母親から生まれた赤ちゃんの気管内に乳頭腫を発症し、治療に苦慮することもあるとのこと。
できれば感染したくないですよね?

というわけで、当院にはガーダシルを常備しており、サーバリックスは「取り寄せ」になりますことをご了承ください。


2価、4価いずれにしても、3回の接種が必要です。
(サーバリックスは初回、1か月後、6か月後、ガーダシルは初回、2か月後、6か月後)


3回接種が完了すれば、理論上はいずれも約20年は効果が維持できるとされていますが、
まだいずれも開発されてから7~8年程度。

今のところ、最初に接種した人たちは効果が維持できていることが確認されています。

今後、何年か経ってその人たちの抗体が下がってきたら、
「追加接種が必要」となる可能性もあります。
・・・しかし、その時の年齢とパートナーが固定したかどうか(新たな感染のリスクがあるかどうか)によって追加接種するか、接種せずに検診を優先するかを考えてもいいのかもしれません。