イタズラなKISS大好きな人、集まれ~♪

みんなでお話を持ち寄って、いろんなお話を楽しんじゃおう!というブログです。
原作、台湾版、韓国版、日本版、どれでもOK!
お話を書いたけれどみんなに見てもらう方法が分からない、場所がないという方は
ぜひお気軽にお話をお寄せください。

イタキス大好きなお仲間が、いっぱいの拍手で応援します♪



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  • 10 Dec
    • お話の投稿方法とご注意

      【お話の投稿について】お話は、【アメブロのメッセージ】か【メール】で受付をします。せつないお話、楽しいお話、ちょっと変わったお話、はたまた詩や川柳、俳句などなど。文字ものであればなんでもOKです以下の内容を明記して送ってください。メールおよびメッセージの送信は、24時間いつでもOKです。投稿のメールを受取後、私からなるべく24時間以内、遅くとも2日以内には受取確認および掲載日のご相談についてのお知らせをします。もしこの通知が届かない場合は何らかのエラーで投稿が届いていない可能性がありますので、お手数ですがこちらに投稿した旨再度お知らせくださいm(_ _)m①原作、台湾版、韓国版、Love in Tokyo版を明記。こだわりがない場合は書かなくてもOKですが、イリコトとスンハニは名前を分けて統一してください。②投稿者ペンネーム。アメブロで使っている名前と変えてもOK③お話のタイトル④話数。連作にする場合は全て書き上げてから送付し、切れ目をこちらにわかるようにしてください。連番のつけ方(1 2、ⅠⅡなど)を指定する場合はそれも書いてください。⑤あとがきや投稿コメントをつけてもOKです。投稿用メールアドレス:minnano_itakiss★yahooドットcoドットjp★を@に、ドットを . に書き換えて送ってください。スパムメール防止のため、お手数ですがご協力をお願いします。アメブロで使っている名前を私に伏せて投稿しても構いません。その場合はyahooメールを利用してください。ペンネームは明記してください。【ご注意】*お話についたコメントには返信の要不要を判断し、投稿者が各自で返信してください。*アメンバー限定記事は扱いませんので、未成年に閲覧させてはいけないような過度に暴力的、および性的な描写についてはご配慮ください。記事削除対象の禁止ワードが存在しますので、同様にご配慮ください。その他、管理人があまりにも不適切と判断した内容は、掲載できないことがあります。(例:イタズラ投稿のたぐい)*オリジナルキャラクターの登場はOKです。*もし他の方が書いているオリジナルキャラクターやお話の背景設定をお借りしてお話を書きたい場合は、当事者間でやりとりし、取り決めをしてください。これにより万一トラブルが生じた場合でも、当ブログおよび管理人には一切の責任はないものとします。*お話の著作権は投稿者様に帰属します。*一度投稿されたお話は原則お返ししません。書き直して再投稿したい場合はご相談ください。*管理人が投稿者様に関して知り得た個人情報、及びお話の内容に関することについての秘密は厳守することをお約束いたします。*あとがきや投稿コメントをつけたい場合は、お話と一緒に送ってください。

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  • 10 Mar
    • 韓【黄色い花の下で 6】 投稿者:七ツ星様

      【黄色い花の下で 6】      離れていた時間を取り戻すように濃密な夜を過ごしたハニとスンジョ  翌朝、気だるいながらも幸せな気分に包まれながら目を覚ましたハニにスンジョが思いがけないことを言った「ハニ、おはよう、今日はロッテプレミアムアウトレットにでも行くか?ここから近いだろ?」 「おはよう、スンジョくん~♪えっ?え~っ!ウソ、ホント?夢?現実?」 「...おいおい、どっちだよ」 「行く!行く行く~♪」ハニのあまりの喜び様に苦笑するスンジョだった朝食のバイキングの時にも「スンジョくん、アウトレットに行くってことは、一緒にお買い物してくれるってことだよね?ホントにいいの?」 「ああ」 「あ~夢みたい、嬉しすぎる!」 「早く食え!」 「どうしよう~♪」 「...」と興奮しっ放しでニコニコのハニに、今までどれだけ素っ気なかったかを振り返り、こんなにも喜ぶ顔が見られるならたまには付き合うのも悪くないと思うスンジョだった  実のところ、アウトレットに行くことをスンジョにアドバイスしたのはウンジョだった ハニを追いかけてスンジョが家を出る直前、起きてきたウンジョが言った「お兄ちゃん、ハニと仲直りしたらロッテプレミアムアウトレットにハニを連れていってあげて!絶対喜ぶから!」ここまで、心配そうにしながらも黙って見守っていたウンジョの真剣な顔に、スンジョは優しく微笑みながら言った「ああ、分かった。心配かけて悪かったな」 不安げだったウンジョがホッとした顔になり、そのやり取りを見ていたグミママもニッコリ微笑んだのだった    すっかり支度を済ませご機嫌なハニだったが、ふいに眉を寄せてスンジョを見た「ああ、スンジョくん今日もなんてカッコイイんだろう!アウトレットじゃ、また注目の的になっちゃうんだろうなぁ。心配...でも私が守るからねっ」 「はぁ?なに言ってんだか。でもまぁ、そう言うなら俺から離れるなよ」(お前の方が心配だろう...自覚無しだから困るよな)フワッとした水色のワンピースを可愛く着こなすハニはとても結婚しているように見えない キラキラした笑顔のハニを見て小さくため息を吐いたスンジョだった チェックアウトを済ませ、いよいよ目的地に向かう二人 「何か欲しいものがあるのか、奥さん?」 「きゃーっ奥さんだって!うれしい♪うふふ、あのね家族にもミナにもみんなにたくさん心配と迷惑かけちゃったからお土産で何か買いたいな」 「みんなのか?自分のじゃなくて?」 「うん、あっでも利川は陶磁器の名産地だからスンジョくんとペアの何か欲しいなぁ♪マグカップとか」 「そんなのでいいのか?お前、欲無いな」 「そう?スンジョくんと一緒に買い物が出来るだけで幸せなんだもん♪アウトレットが出来たってニュース見てからずっとスンジョくんと行きたかったんだ♪」 「そうか...そう言えば、ネクタイありがとな、教授にもセンスいいって褒められたよ」 「本当に?気に入ってくれた?少しは役に立てたならうれしいなぁ」 「ああ、気に入ったよ。俺のこと誰よりも一番に考えてくれてる奥さんが頑張ってプレゼントしてくれたんだからな」 「スンジョくん...ありがとう、すごく嬉しい」ハニの目には涙が浮かんでいた   それから二人は、回りからの視線を感じながらも全て無視して、とは言ってもハニには無理な話なのだが、ゆっくりと楽しい時間を過ごしたのだった ハニはスンジョが嫌がらずに付き合ってくれたことが本当に嬉しかった おまけに春らしい可愛いワンピースまで買ってもらい、最後にペアのマグカップも買うことが出来てご機嫌な一日だった夕方になるころ「明日は朝から授業だからそろそろ帰るか?みんなも夕飯一緒にって待ってるだろうし」 「...うん、そうだね。楽しい時間はあっという間だね。また、来たいなぁ、来れるかな?秋の赤い実もいつか見てみたいなぁ。その時は家族みんなで来れるといいね!」 「そうだな、いつかな。でも、とりあえず今日は帰ったら新しいマグカップでコーヒー淹れてくれるか?もうずっとハニのコーヒー飲んでないからな」 「うん♪」   それから仲良く帰った二人は家族みんなに横断幕とクラッカーで盛大に迎えられたのだった手を繋いで帰った二人に大喜びのグミママの興奮が収まらなかったのは言うまでもない        *******終*******

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  • 06 Mar
    • 韓【黄色い花の下で 5】 投稿者:七ツ星様

      【黄色い花の下で 5】      利川に着いたスンジョはハニを捜しながら祭り会場の広場まで来たが、たくさんの人で賑わう中にハニを見付けることは出来なかった携帯は電源が切ってあるのか繋がらない「...分かった、もういいよ...」そう言って涙を堪えたハニの悲しそうな顔が浮かぶ何であんな言い方しか出来なかったのか、ちゃんと話を聞かなかったのか、今更ながら全く余裕を無くしていた自分が情けない一体ハニの何を見ていたのだろう ハニはどんな思いで一人でここまで来て、そして今、どんな気持ちで一人でいるのだろうか じりじりと焦る気持ちを押さえながらハニの長い髪を捜すスンジョの耳に、二人組の男の会話が聞こえてきた「やっぱり、さっきの子いいよなぁ、もろ俺好みなんだけどなぁ」 「ああ、どう見てもひとりだと思ったのに家族と一緒とはな、惜しかったよな」 「連れがいるようにはみえなかったよな、もしかしたらまだあそこに居るかもしれないぜ、行ってみないか?」 「ああ、いいぜ、居たらラッキーだし、今度こそ口説こうぜ」  (まさか、ハニのことか?連れがいる?人違いか...)胸騒ぎを覚えたスンジョは遊歩道へと消えていく二人組の後を少し距離を開けて追ったのだった遊歩道を少し行くと人気は無くなり更に進んだ先に少し景色の開けた所があった休憩用の椅子だろうか、そこに座って景色を眺める長い髪が目に映った探し求めていた愛しい姿がそこにあった穏やかな春の日差しに包まれるハニの髪はそよぐ風にさらさらととかれ、眼差しは遠くを真っ直ぐに見ていて、口元は微笑みをたたえていた スンジョはホッとしたのと同時にその美しさに息を呑んだ「おお、やっぱりまだ居たぞ!それにひとりだし。なぁ、あの子マジでヤバイな♪」 「ああ、ラッキーだよ、今度こそだな。実は俺達を待ってたりして~」 二人組の浮かれた声に、スンジョは無性に腹が立った ハニがこんな奴らに声を掛けられることすら堪えられなかった スンジョは駆け出していた「オ・ハニ!」 名前を呼ばれたハニはそちらを向こうとした瞬間に力強い腕に引き寄せられ抱きしめられていた驚いたがそれと同時に感じた大好きな人の香り「えっ?、スンジョくっ...」 言い終わる前に、ハニの唇は塞がれた驚きで体を強ばらせたハニだったが、直ぐに一番会いたくて大好きな人に抱き寄せられて居ることが分かり、その力強い腕に身をまかせたのだった目の前で突然繰り広げられたキスシーンに二人組が言葉もなく去っていったのをスンジョは目の端で確認すると、ハニの甘い唇を堪能したのだった  長く甘いkissが終わると、ハニはスンジョを見詰めて言った「スンジョくん、どうしてここに?」 「ああ、お袋に全部きいたよ、ハニ、悪か...」 「そうなんだ...来てくれてありがとう!それにゴメンね。私、自分のことしか考えてなかった...少し頑張ったからって、スンジョく..」 再びハニの唇はスンジョの熱いkissに塞がれたのだった ようやく唇が離れると驚くほど優しい眼差しのスンジョがいた「俺の台詞全部取るなよ」 「スンジョくん...」 「俺のために色々考えて頑張ったんだな、ありがとうハニ。分かってなかったのは俺の方だった、ごめん」 「私のこと呆れてもう嫌いになったって言われちゃったらどうしようって...怖くて..電話もメールも何にも出来なかったの」 「そんなこと、あるわけないだろう」スンジョはもう一度ハニをしっかりと抱き締めた「スンジョくん、逢いたかったよ」 「ああ」ハニの眼からはハラハラと真珠のような涙がこぼれたのだった それから二人は黄色い花の下を散策しながら春の景色を楽しんだ ハニはスンジョの腕に手を回してニコニコしながら歩いた二人とも歩きながら同じ景色を並んで見られることの幸せを噛みしめていた ハニはいつもならまとわりつく自分を引き剥がすスンジョが微笑みながらそのままでいてくれることが嬉しかった スンジョもひどく傷付けたであろう自分のことを許した上に、尚も愛してくれるハニのことをどうしようもなく愛しいと思った他愛もないことを話しながらも、早くホテルで二人きりになりたいと切望するスンジョだった   ホテルにチェックインした二人は、食事はルームサービスを頼み、離れていた時間を取り戻すかのように、熱くて濃密な時間を過ごした甘い余韻に浸りながら、ハニはここまでのことを話して聞かせた そして、あの丘であった不思議な少女ミカに助けてもらった話もしたのだった「そのミカちゃんに感謝だな」あの二人組の男達の姿を思い出したスンジョはハニの長い髪を指でとかしながら心からそう思ったのだった「ミカちゃんの両親も医師と看護師なんだろ?ラブラブだって?今はまだ無理だけど俺達にもいつかそんな可愛い子供が欲しいな」 「///ホントに?うれしい!スンジョくん、だ~いすき♪」ハニが輝くような笑顔でスンジョに抱きつくと、スンジョの眼に熱い光が戻り、甘い時間が再び訪れたのだったつづく(次回、いよいよ最終回 )

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  • 02 Mar
    • 韓【黄色い花の下で 4】 投稿者:七ツ星様

      【黄色い花の下で 4】      ハニは小さな黄色い花の咲き誇る丘をひとり歩いていた ここは小さな山一つが花の見所となっていて、この季節には花見の祭りが開かれてかなりの人で賑わう山全体に遊歩道があり散策ができるが、中腹に開けた広場があり露店や休憩スペースのある祭り会場となっていた家族連れや、カップル、女の子同士のグループなどと次々にすれ違うが一人きりで歩いてる自分は随分浮いている様に感じられた賑わいの中にいるのに孤独だとハニは思った広場を離れ遊歩道を歩いていると少し開けた景色の見える場所があった小さな休憩用の椅子もある黄色い山肌の向こうに緑鮮やかな山が見え、さらにその向こうに町並みが小さく見えた今日は天気もよく空の青も清々しかった ハニは椅子に腰掛けしばらく景色に見とれていた「やっぱり、二人で見たかったな...」  「はぁ、何でこうなっちゃったんだろう」バスの中で耳にした話が思い出された『...で、サンシュユって花は小さくて黄色だけど秋になると真っ赤な実がなるんだって、日本ではアキサンゴって別名もあるらしいよ。漢方薬としても使われるみたいね。えっと花言葉は~持続、耐久、気丈な愛、成熟したした精神だって...』 偶然聞こえてきた会話だったが、その花言葉がハニの心に刺さったのだった今回は自分でも頑張ったとハニは思っていた いつも迷惑ばかり掛けてしまう自分がスンジョにできることは?と、ない頭で考えて出来る限りのことはしたと思っている だからこそ、スンジョに「下らない」と言われて拒絶された時に何も言えなくなってしまったのだった これ以上失望させてしまったら、呆れさせてしまったら、嫌われてしまったら...そう思っただけで心が耐えきれなかった それから後も拒絶の言葉が怖くて何も出来なかった でも今は、独りよがりだったのかなと少し違って思えていた「直ぐに諦めないでもっとちゃんと話をすればよかったな、一度で引き下がるなんてオ・ハニらしくないよね!スンジョくんが忙しくって大変な時だって分かってたはずなのに一緒に見ようとしてた花の花言葉がそんなのだって全然知らなかったなぁ...スンジョくん、今頃どうしてるかな?学会は無事終わったかな?まぁスンジョくんなら大丈夫よね?はぁ、それよりきっと怒ってるよね...」 連絡を入れようにも、何時ものごとく充電し忘れてしまった携帯は用を成さなかった「ホントに私って...」とため息を吐いたハニに後ろから突然声が掛けられた「ねぇ、君ひとり?」 「よかったら僕達と一緒に回らない?」 振り返ると若い男二人がハニを見下ろしていた「えっ?いぇっ...あの...」 考え事をしていたところに急に話しかけられたハニは上手く返すことが出来なかった男達はニコリと微笑みながら更に続けた「こんな所でひとりなんて詰まらないでしょ?僕達となら楽しいよ!」 「そうだよ、こんな可愛い子がひとりなんて危ないし」あなた達と一緒の方が危ないでしょと思いつつ、何とか落ち着いてハニは答えた「いぇっ、だ大丈夫です。かっ家族と一緒なんで!」 「ふーん、でも、さっきから一人きりで歩いてたよね~」 「そうそう、淋しげだったよ」と二人も食い下がる(ど、どうしよう...怖いよ~)その時ザッ、ザザザザーと突風が吹き抜けた とても目を開けて居られない程の強さで思わず男達もよろめいた風が収まり3人が顔を上げた時 「お姉ちゃん♪」と声がした3人がそちらを見ると可愛らしい女の子が立っていた(えっ、私?)ハニは戸惑った顔で女の子を見詰めた「お姉ちゃん、こんな所にいたの?ママもパパも向こうで待ってるよ!また迷子になったのかなって笑ってたよ」 女の子は確かにハニに向かって話し掛けている「なんだ、ホントに連れがいたのかよ」 「ちぇっ、残念!」そう言いながら男達はそこから立ち去って行った何が何だかさっぱり分からないハニだったが、窮地を脱したことに間違いない「ありがとう!あなたのお陰で助かったわ!」と天使のような女の子にお礼を言った少し茶色がかった長い髪はさらさらしていて色白にピンクの頬でとても愛くるしい女の子だった「ううん、でもほんとはお姉ちゃん一人きりなの?」 「...うん、本当は旦那さんと来たかったんだけどね...」 「ケンカしちゃったの?」 「うーん、ケンカって言うよりは、お姉さんが勝手にいじけちゃったのかな。お姉さんの気持ちを上手く伝えられなくて、で、伝える努力をしないでそのまま此所に来ちゃったんだ」 「ふーん、そうなんだ。仲直りしてないの?」 「うん、まだ連絡してないんだよね...何て言っていいのか分からなくって...怒ってたらどうしようかなとか、もう嫌いって言われたらどうしようとか色々考えると怖くなっちゃって」 「ママがね、教えてくれたんだけど、ケンカしちゃった相手に上手くゴメンねが言えない時は、先にありがとうを言うといいんだって!ありがとうの方が言いやすいでしょ?ありがとうを言うって相手のいいところを見付けるってことでしょ?それからゴメンねを言うと素直にあやまれるよって。だからあたしもお友達にゴメンねが言いにくい時は先にありがとうを見つけるんだ♪」 澄んだ瞳でそう話す女の子を見ていたハニの心は少し軽くなっていった「ありがとう...そうだね、旦那さんにもそう言ってみるよ。私たっくさん助けてもらってるし、ありがとうならどれだけ言っても足りないよ~そして、ちゃんと仲直りするね! 素敵なお医者さんになってもらいたいし、私も頑張って絶対看護師になるし!」 「お姉ちゃん看護師さんなの?」 「ううん、まだ、勉強中!旦那さんも医学生だけど、将来は凄いお医者さんになるからね~!」 「そうなんだ、あたしのママとパパも看護師とお医者さんだよ!とっても仲良しでラブラブなんだ♪お姉ちゃん達も早く仲直りして頑張ってね!あっ、あたしもう行くね~じゃあバイバイ~」 手を振りながら走って行く女の子に慌てて呼び掛ける「あっ、ありがとう!あなたお名前は?」 「ミカだよ~♪」ザッザザーとまた強い風が吹き抜けて目を閉じたハニが次に開けた時にはもう女の子の姿は見えなかった「ミカちゃん...ありがとう」 何であんなに小さな女の子色々話したのか、でも不思議にスッキリしていて、早くスンジョに会いたいと思うハニだったつづく

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  • 26 Feb
    • 韓【黄色い花の下で 3(ハニ)】 投稿者:七ツ星様

       【黄色い花の下で 3(ハニ)】      「スンジョくん♪明後日から学会だね随行員大変だけど頑張ってね」 「ああ、ありがとう」 「それでね、これなんだけど利川のホテル宿泊券当たったの。一泊なんだけど学会の後の休みに一緒に行ってくれる?」 「課題はないのか?」 「うん、一緒に行くために頑張って終わらせた!一発で受理されたよ♪」 「へぇ、めずらしいな。そうだな、ずっと一緒に出掛けてないしな...一泊ならいいよ」 「ホントに?やった~♪うれしい!あっ、それから、これネクタイなんだけど、よかったら学会の時につけて行って」 「どうしたんだ?」 「私に出来ることって言ったらこんなことぐらいだから...」 「ハニ、ありがとう。うれしいよ」   そんな私の甘い妄想を打ち消したのはスンジョの冷めた言葉と溜め息だった「行かない!」 「お前、なに考えてんの?そんなことしてる場合じゃないだろ」 「俺達まだ学生の身分だろ」 次々に投げられる言葉そんなこと私だって分かってるよ!だから...と続けようとした私を尚も遮りスンジョの口から出た言葉 「大体、分かってるやつがそんなこと言うか?自覚がないからそんな下らないこと言い出すんだろ!」 「...下らない...スンジョくんには下らないことなんだね...分かった、もういいよ」 私はもう何も言えなくなってしまった でも、ここで泣いちゃいけない...涙を流すのを堪えるので精一杯だった結婚してからずっと、看護師になることを決めてからも胸の中で燻る思い スンジョの側でスンジョを助けたい、それが夢!そう言っているものの...(スンジョのために何か出来ている?ただ、負担になって迷惑をかけているだけじゃ?私といて幸せ?)お義母さんは大丈夫よと言ってくれるけど、最近はますます不安だった医学部に復帰してから今までの遅れを取り戻すために一生懸命だったスンジョ本気になったスンジョはやっぱり凄くって、遅れを取り戻すどころか、今では(と言うより当然)医学部の期待の星で、教授達のスンジョ争奪戦が起こるほど今は知識を得たいからとスンジョも出来るだけ応えるようにしているため本当に忙しい身体を壊さないか心配だ その上、出来の悪い私に何だかんだ言っても付き合ってくれて、大事な試験や課題の時には力を貸してくれる私も自分なりには頑張っているものの、結局は頼りにしちゃって助けてもらっている スンジョが凄く先を進んでいて私は置いていかれてる気がしていた でも、何時までもこれじゃダメ!スンジョの隣にちゃんと立てるようになりたい! 少しは成長してハニと結婚してよかったと思ってもらいたい!そう思って私なりに色々考えてみた(忙しいスンジョの邪魔にならないように出来るだけ頑張ろう! 学会の随行員に決まったからますます忙しくなっちゃうけど何か出来ないかな?まぁ、何にも出来はしないけど、せめて応援の気持ちだけでも...そうだネクタイ!ネクタイを贈ろう ちゃんと気持ちも伝えたいから自分で稼いだお金で贈りたいなぁ バイト?でも忙しいから無理だよね...あっ、お父さんに頼んでお店手伝わせてもらおうかな? 授業終わってからだからあんまり時間はないけど...)そうして皆には内緒で、お父さんに頼み込んでバイトさせてもらって買ったネクタイ お店で見つけた時「これしかない♪」って思った スンジョがしめた姿を想像しただけで頬が緩んじゃったけど、お店の人も新作で入ったばかりでその中でもイチオシと薦めてくれたし おまけにそのお店でもらった福引きが当たるなんて、私とスンジョを神様も応援してくれてると思った それまでの事を話すとお義父さん達も快く旅行に行くことを許してくれた もちろんお義母さんは大喜びで、ウンジョまでもが、よかったじゃん課題頑張れよって言ってくれた それからは必死に課題をクリアすることだけを目標に頑張った ここでも今までスンジョが手伝ってくれてまとめたノートやテキストが役立って、本当に助けられてるって思った だから、あの厳しい担任に、今回は頑張りましたねって言われた時、涙が出るほど嬉しかった スンジョがやってることに比べたら、って言うか比べ物にはならないんだけど、全然大したことではないけど...それでもスンジョに一番に報告したら、喜んでくれるかななんてスンジョの笑顔までも想像して...ネクタイも旅行も課題も喜んでくれるって勝手に思い込んで浮かれてた少しはスンジョに近付けたかななんて でもそれはただの自惚れで、私のしてたことはスンジョからしたら「下らないこと」だった私にとってはこれ以上ないくらい考えて頑張ったことだったのに...だからもうどうしていいか分からないよ呆れちゃったかな?こんな私、嫌気がさしちゃったかな? 隣にいる資格ないのかな?ねぇ、スンジョ...でも、もう怖くて聞くことも出来ないよリビングに降りていくとお義母さんがどうだった?と聞いてきた堪えたかったけど涙が零れてしまった「行かないって言われちゃいました」そう答えるのが精一杯だった お義母さんは怒って意見してくれようとしたけど、学会前の大事な時だからそれだけは止めてくださいとお願いした でも、その日は辛いからゲストルームを使わせてもらった ひとりぼっちで寝るベッドは冷たくて、シングルなのにすごく広くって私は自分を抱くように小さく丸くなって眠った次の日も決定的なことを言われるのが怖くて顔を会わせないようにした ネクタイもお義母さんにお願いした ミナにだけは事情を話して旅行まで泊めてもらうことにした メールも電話もできなかった今までもスンジョと顔を会わせないようにしたことは何回かあるけれど、そんな時は電話やメールが来ないかと待ちわびて、自分からするのを我慢するのが大変だったのに それが今はこんな風に繋がらないようにと思うなんて自分でも不思議だった それでも旅行を止めようとは思わなかった お義母さんとミナが心配してくれて二人とも同行してくれると言ってくれた凄くありがたくて嬉しかったから申し訳なかったけど、それは断った今回はスンジョのために頑張ったから一緒に行くのはスンジョ以外考えられなかった スンジョが行かないならひとりで行こう! 私は今回の自分を否定したくない、そう強く思った バスターミナルまではミナが送ってくれた心配かけちゃって申し訳なくて、今回は私は悪くないもんね!なんて強がってみた そして、ミナとは笑顔で別れて、私はひとりバスに乗り込んだつづく

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  • 22 Feb
    • 韓【黄色い花の下で 2】 投稿者:七ツ星様

       【黄色い花の下で 2】             スンジョは呆然としながら部屋の灯りを点けた そこにハニの姿はなかった「まだ、拗ねているのか?何時になったらこのベッドに戻るんだよ」スンジョはひとり溜め息をついた  翌朝、リビングへ降りていく ダイニングを見回すがハニの姿が見えない「ハニは?」 朝食の支度をするグミママに尋ねる「あら、おはよう、ハニちゃんならミナちゃんの所よ」 「ふーん」 「ハニちゃんが居なくて淋しいのね~」 「はぁ、何言ってんだか...」 「素直じゃないわね~まったく。ホントにハニちゃんが可哀想だわ」 「...今日は図書館か本屋に寄って、そのまま報告書作りに行ってくるから」 「あら、お休みじゃないの?」 「ああ、今回は早めに提出したいから」 母とそんなやり取りをしながらも、この時はまだ、ハニが拗ねて自分の気を引こうとしているのだと思ってるスンジョだった  結局、スンジョが帰宅したのはこの日も夜遅くになってからだった グミママが用意してくれていた夕食、その横のメモが目に留まる『ハニちゃんはミナちゃんの家に泊まります』 「はぁ?」これにはさすがのスンジョも混乱した確かハニが言っていた一泊旅行は明日のはずである部屋のカレンダーにピンクで二重丸とハートがマークされていた あれから顔を会わせるどころかハニからはメールも電話もない実のところ、旅行直前になれば堪えきれなくなったハニから謝ってくるだろうと踏んでいたスンジョだった そして、自分からは言い出せないが、一緒に行くつもりでいたのだった そのために報告書も早々に仕上げ提出してきた なのにミナの所に泊まるということは、ミナと一緒に行くということかなのか...ここに来てやっといつもとは違う何かを感じたスンジョだった確かに何時もなら大騒ぎする母がやけに落ち着いているし、スンジョの肩を持ちハニへの悪態をつくウンジョも今回は遠巻きに心配そうにしているだけだった そう気付くと、早く真相が知りたいと思うが、もうリビングには誰もいない、こんなことならもっと早く帰ればよかったと後悔したがもう遅い取り敢えず、多忙な日々と学会で疲れきった体を少しは休めようと横になったもののハニのことが気になってなかなか寝付くことができなかった ハニの甘い香りだけが残るベッドは冷たくやけに広く感じられた朝早くに目覚めたスンジョはダイニングへと降りていき、コーヒーを淹れようとお湯を沸かし始めた スンジョはいつも自分のためにコーヒーを淹れてくれるハニの姿を思い浮かべていた「お兄ちゃん、おはよう」 振り向くとグミママが立っていた「ハニちゃんがいないとホントに静かで淋しいわね」 独り言なのか、話し掛けているのか静かに呟いた  「ハニちゃんね、本当に頑張っていたのよ」 「...」 「ねぇ、お兄ちゃん...ハニちゃんがお兄ちゃんにデートしたいとか一緒に出掛けたいって最後に言ったのいつ?」スンジョはハッとして母を見た グミママは小さく頷いた そう、あれだけデートしたい出掛けたいと煩かったハニが、このところは思い出すのも難しいくらい何も言ってなかったのだった  母から真相を聴いたスンジョは利川に向けて車を運転していた ハニは、最近ずっと考えていたという スンジョの為に何かできているか、力になりたいと言いながら負担になっていないか、自分といて幸せなのかと...もちろん、グミママは大丈夫と太鼓判を押したが、それでも不安そうな様子は変わらなかったと今回、スンジョの学会随行が決まった時、ハニは力にはなれないが、せめて応援の気持ちだけでもとスンジョへネクタイをプレゼントしようと決めたらしい そして、その為にグミ達にも内緒で忙しい時間を割いてはアルバイトとしてギドンの店を手伝っていたという宿泊券が当たった時も、学生の身分である自分達が泊まりで旅行に出掛けてもいいかと、スチャン、ギドン、グミに了承を得ていたのだった その後はスンジョに頼ることなく課題を提出するために、必死になって頑張っていたと...「ずっと休みなしで頑張ってるスンジョくんが少しでも癒されるといいなって、キラキラした眼で話すハニちゃんとても可愛かったわ」グミは話ながら涙ぐんでいた更に驚くことに、ハニはひとりで出掛けたという グミかミナが同行しようかと言ったのだがハニはそれを申し訳なさそうに断ったと スンジョと二人で行くために必死になった今回、スンジョが一緒でなければ意味がない スンジョが行かないのであれば、ひとりででも行きたかったという スンジョには言葉が無かったつづく

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  • 18 Feb
    • 韓【黄色い花の下で 1】 投稿者:七ツ星様

      どうも七ツ星です久しぶりにもかかわらず、前回のお話を読んでくださり、いいね!してくださった皆さまありがとうございましたm(._.)mとてもとても嬉しかったです♪えーっと、今回、無謀にも連載を投稿してしまいましたf(^^;読んでいただければ幸いです☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚* ☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚* 【黄色い花の下で】             「はぁ、何でこうなっちゃったんだろう」 辺りに咲き誇る花を眺めながら、小高い丘でハニはひとり溜め息をついた      「今回は、私は悪くないもんね!」ソウルから高速バスで約一時間、バスに乗る前には威勢のよかったハニだったが、後ろの席の乗客の会話を耳にしてからは考え込んでいた      そもそもの発端は三週間前だった その日、ハニは久しぶりにデパートで買い物をしていた「これなら気に入ってくれるよね♪」お目当ての物を手に入れてご機嫌なハニは、さらに創業記念の福引券を持ってくじ引き会場へ そこでなんと!カランカラン~♪「おめでとうございま~す!特賞です!」 済州島(チェジュド)ペア旅行券が当たったのだった済州島と言えば新婚旅行で行った思い出の地、幸せ気分が甦り喜びかけたハニだったが、スンジョもハニも今は忙しい学生の立場、三泊の旅行なんてとても無理な話である残念!とため息をつきながらも隣に並ぶ副賞に目がいく「はっ、これよ~♪」ハニは係の店員に頼み込んで、特賞と二等の賞品を交換してもらったのだった それは京幾道(キョンギド)の利川(イチョン)のホテル一泊のペア宿泊券 利川ならソウルから高速バスで一時間程である花の祭りに合わせた宿泊券だった物覚えの悪いハニだが、貴重な休みが無駄にならないようスンジョと自分のスケジュールだけは頭にインプットされている宿泊券に書かれている日付を確認して「きゃあ、バッチリ~♪」と喜んだのだった  旅行まで三週間、ハニにはそれまでに提出しなければならない課題があった スンジョも教授の随行員として一泊の学会があるが、旅行の三日前だ学会の直ぐ後は余程のことがない限りはきちんと休みになる ハニが課題を提出して受理されれば行けるはず目標があれば俄然張りきるハニ! 忙しいスンジョには頼らずに自分の力で何とかしようと頑張った しかし、急に頭がよくなるわけでもなく、テキストや今までスンジョに教えてもらいながら作ったノート、インターネットなど総動員してなんとか課題をやりとげたのだった いつもは厳しい担任も今回のハニの頑張りは認めてくれて、とは言ってもやっと人並みなのだが、一発合格で受理してくれたのだった     スンジョは学会を前にいつもにも増して忙しい日々を送っていた学会の二日前、ハニは細長い包みと宿泊券の入った封筒を背中に隠しながら、机に向かっているスンジョに声を掛けた「スンジョくん♪明後日から学会だね随行員大変だけど頑張ってね!」 「ああ」 多忙極まりない数日ですっかり余裕の無くなっていたスンジョはチラリとハニを見ると素っ気なくそう言うだけだった一瞬怯みそうになったハニだったが、気を取り直して封筒を見せながら明るい声を出した「ねぇ、スンジョくん、これなんだけど、利川のホテル宿泊券当たったの。一泊なんだけど学会の後の休みに、一緒に..」 「行かない!」 不機嫌な声に遮られた「えっ、でもいつも学会の後はちゃんと休みになるよね?」そしてスンジョは大きな溜め息を吐く「お前、何考えてんの?そんなことしてる場合じゃないだろ」 「でも、ちゃんと課題も終わらせたし、たまには...」 「俺達まだ学生の身分だろ!」 「それは分かってるよ、だから...」 「大体、分かってるやつがそんなこと言うか?自覚がないからそんな下らないこと言い出すんだろ!」 「...下らない...スンジョくんには下らないことなんだね...分かった、もういいよ」 瞳いっぱいに涙を溜めながらも、泣くの堪えてハニは部屋を出て行った スンジョは言い過ぎたと思いながらも間違った事は言ってないと、学会の準備を進めたのだった   それから顔を会わせることなくスンジョは学会に出掛けて行った出掛ける前の夜、用意してあった荷物の上に細長い包みが置いてあり、開けてみるとネクタイが入っていた深いブルーの地にスモキーピンクとパステルピンクの細いラインが斜めに入っていてよくみると青い糸で小さな音符の刺繍が施されている「ハニ...」スンジョはそのネクタイを締めて出掛けたのだった  一泊の学会も無事に終わりスンジョが帰宅したのはもう日付が変わりそうな頃だった もう皆寝ているのだろう暗いリビングを通り、階段を上がる あれからスンジョと顔を会わせないようにしていたハニだったが、きっと今日は寝室で寝ているだろうと思いながら部屋の扉を開ける暗いのが苦手なハニは眠る時もベッドサイドのライトは点けたままだ しかし、部屋の中は真っ暗だった スンジョは呆然としながら部屋の明かりを点けたのだった「...ハニ...」つづく

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  • 30 Jan
    • 韓【そこにいるだけで・・・】 投稿者:七ツ星様

      【そこにいるだけで...】  久し振りにゆっくり出来る夜 風呂を済ませた俺は何時ものようにベッドのヘッドレストにもたれて本を読んでいた こんな風に本を読めるのも何日振りだろうか読み進めたいと思っていた所まで読み終えていた俺は目の端に机に向かうハニを捉えていた随分と長い時間頭を抱えながら看護計画を書いていたハニがウーンと伸びをしてくるりとこちらへ体を向けた どうやらやっと終わったらしい ハニの方へ視線を移し「何?」とそっけなく聞いた「ねぇ、スンジョくん、私はちゃんとスンジョくんに刺激的な毎日をプレゼント出来てる?」 唐突過ぎる問いかけに「はぁ?」と呆れた声を出してしまった さらにハニは以前にした約束を忘れたのかと言う(おいおい、真剣に看護計画立ててたんじゃないのか)そんな事考えてたのかと呆れる俺にハニは慌てて弁解する ハニ曰く患者さんの事をあれこれ考えている内に自分の存在する意味を考えたらしい そして、上手く言えないけどなどと言いながらも「....私と過ごす全ての日がスンジョくんにとってひとつひとつ贈り物になればいいなぁって♪」 輝くような笑顔でそう言い切った俺は少し驚く「マルティアリスか?」ハニに聞いてみるが「マルチアイス?」と食いしん坊なハニらしい答えが帰って来た まぁ、ハニが古代ローマの名言なんて知っているわけないか エピグラムと言っても頭に?マークが並ぶだけのハニだった   ハニがそこにいるだけで、ただ繰り返すだけの色彩もない俺の毎日が色鮮やかになった ハニがいるだけで、感情を表すことの無かった冷血男が喜怒哀楽を知った ハニが笑うだけで、家が明るくなり心の中が何故か温かくなった ハニの一言で、夢を持ち、自分の力を活かす事を考えられるようになった ハニが寄り添ってくれたから、その夢を諦めようとした時も折れずにいられた ハニを手離そうとした時、その全てが壊れそうになって自分自身が見えなくなった そして今、ハニがそこにいてくれるから、 俺がペク・スンジョでいられるハニが笑って泣いて怒って色々やらかして、毎日を楽しくて意味のあるものにしてくれている こんな毎日ハニ以外となんて考えられない今日もこうして俺を驚かせてくれた そして改めて気付かせてくれた ハニの存在そのものが意味なんだ ハニと過ごす毎日のひとつひとつが掛け替えのない贈り物なんだってことを この無自覚な詩人に感謝しよう まぁ、口には出せないが ありったけのありがとうと愛してるの気持ちを込めて感謝の口付けを返すよ*******・*******・*******『おくりもの』のスンジョくん目線ですこういうパターンのお話ばかりでごめんなさいf(^_^;でもやっぱり好きなんです...(*^^*)七ツ星

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  • 29 Jan
    • 韓【おくりもの】 投稿者:七ツ星様

      ご無沙汰しております とっても久しぶりに投稿です よろしければどうぞm(._.)mでも超~短編です(^^;        【おくりもの】              何時ものように悩みながらも何とか看護計画書を書き上げたハニはウーンと言いながら両手を挙げて大きく伸びをするとくるっとスンジョの方へ体を向けた ベッドのヘッドレストにもたれ掛かりながら本を読んでいたスンジョがチラッと視線を寄越す「何?」 「ねぇ、スンジョくん、私はちゃんとスンジョくんに刺激的な毎日をプレゼント出来てる?」 「はぁ?」 「だって、大学に入る前に刺激的な毎日を保証するって約束したじゃない?あの漢江でのプロポーズの時も///天才なのに忘れちゃった?」 何を言い出すのかと思えば、また突拍子もないことを...と呆れるスンジョには気付かずに、真剣な顔のハニ「忘れてはないけど、お前、看護計画じゃなくてそんなこと考えてたのか?」スンジョにそう言われ慌てて首を振るハニ急いで机の上を片付けると勢いよく膝からベッドに飛び乗った「ううん、それはちゃんとやったよ!看護計画を立てながら患者さんのこと考えてるうちに色々思っただけ」 「何を?」 「えーっと、一日一日の大切さとか、私の存在意味とか?かな?うまく言えないけど...私と過ごす全ての日がスンジョくんにとってひとつひとつ贈り物になればいいなぁって♪」うまく言えないと言いながらもキラキラの瞳でそう言いきるハニにスンジョは少し驚いたような顔をした「...マルティアリスか?」 「へっ?マルチアイス?」 「...ハニが知ってるわけないか。マルティアリス、エピグラムで知られる古代ローマの詩人」 「???」 「*omnis habet sua dona dies、すべての日がそれぞれの贈り物を持っている。って名言があるんだ」 「へぇ、素敵だね」 「お前も今、同じようなこと言っただろ?」 「エヘヘ、そうかな?」 「まったく...そういうところだよな」 「何が?」 「おバカなくせに、偉大な詩人みたいな事言っちゃうところ。驚かされるよ、しかも俺のためにだし...」 「それってバカにしてる?」 「いいや、感心してる。ハニには敵わないって」 「ほんと?」 「ああ、今日もいい贈り物もらったよ」 「なんだかよく解らないけど、そう思ってもらえてるならよかった♪」 「でも、もっとプレゼントが欲しいな」 「えっ?」 「刺激的な」スンジョは妖しい微笑みでそう言うとハニを腕の中に閉じ込めてその愛しい唇を塞いだのだった(こんな毎日、ハニ以外となんて考えられないな。オ・ハニ、サランヘ)*******・*******・*******以前読んだローマの名言集に取り上げられていた名言のひとつから妄想いたしましたf(^^;超短編ですが、無自覚な詩人ハニちゃんでした              *マルティアリス『エピグラム』第八巻より                     七ツ星

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  • 09 Nov
    • 韓【溢れる】 投稿者:七ツ星様

      とても短いのですが、久し振りにお話をひとつ、よろしければどうぞ(^-^)  【溢れる】   夜中にふと目が覚めた普段は朝まで起きることなんてほとんどない私なのに左腕に感じる重みに思わず頬が緩んじゃう視線を少し上にあげると穏やかな寝顔がぼんやりと見えた久し振りに見ることが出来た顔は疲れきっていたから、その寝顔にほっとする(少しは癒してあげられた?)     男の人とは思えない綺麗な顔スッと通った鼻筋と薄い唇から顎までの美しいラインについ見とれちゃう意地悪だけど本当は優しい彼 頭が良くて器用で何でも出来るのに感情を見せるのだけは苦手な彼いつでも私の中心にいて私を翻弄する彼 私の欲しい言葉はくれないのにそれ以上の感情を与えてくれる彼 一緒に居れば居るほどどんどん大きくなっていく大好きじゃ足りないこの思い、きっと愛しいってこう言うことなんだと思う でも、私は頭が悪いからこの溢れてくる感情を上手く言葉で表現することはできなくて だから、私はわたしの全てで表すんだ彼が望むなら、ううん望まなくても私の全てを差し出そう私にとっての彼のように、彼にとっての私でいられたらいいのにな...いつも私の思いの方が大きい気がしちゃう...でも、今夜は彼が心から私を必要としてくれてるってことを感じられたから本当に嬉しかった       彼の腕の中で彼のことだけを考えている私ぽろぽろぽろ気付くと私の瞳から涙が溢れていた    今日、初めて知った幸せすぎても涙が出ること涙って感情で一杯になると溢れるんだってこと       涙をそっと拭った時、彼が身じろぐ「..ん、どうした?」 目を閉じたまま囁く彼に「ううん、何も」とそっと答えた「...ん、そう...」 私をぎゅっとしてから再び眠りに落ちてく彼が堪らなく愛しくて「スンジョくん、だ~いすき」とちいさく囁いてその広い胸に頬を寄せたのだった      『スンジョくん、この涙の成分は100%「幸せ」だよ!』     *******・*******・*******ご無沙汰してました七ツ星です ちょっとお邪魔しちゃいました(*^^*)  【癒して】の夜のハニちゃんです幸せを噛み締めてます(*^-^*)  私の書くスンハニはあまりイタkissっぽくないですよね ハニちゃんもシリアスなテイストが多いかな もう少しどじっ子でおちゃめなハニちゃんを書けるといいのになぁと思うのですがこれが案外難しいf(^^;)

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  • 07 Oct
    • イリコト【ふわふわ】 投稿者:まつだ様

      ウエディングドレスの琴子も、お色直しの後のドレスの琴子もとても綺麗だった。それが俺の為だと思うと本当に嬉しかった。勝手に今日という日が設定された時点である程度は覚悟していた。設定したのがおふくろで相手が琴子なのだから、すんなりと行くはずがないと。案の定、いや予想以上の騒ぎをあのふたりは起こした。それでも、結婚という形で、俺達がずっと一緒だと示すことができたのは良かったと思う。……そうでも思わないと、最悪な披露宴が思い出されて、それはそれは最悪な気分のまま今日を終えてしまいそうだった。そして、今日、改めて実感した。琴子のくちびるは本当に甘い。くちびるだけじゃなくて、琴子自体が甘くて、柔らかくて。ああ、本当に俺は琴子に毒されてるなと。いや、正直に認めなきゃいけない。それだけ、俺は琴子に夢中なんだと。だからこそ、今の状態は何とも言えない気分だ。泊まるホテルの部屋に戻り、不貞腐れてベッドに横になった俺はそのまま一時間ほど寝ていたらしい。俺がそんな状態だから、目が覚めた時には琴子も寝てしまっていた。そうだよな、今日は疲れたよな。今日の主役なんだから。でも、それでよかった気もする。あんな最悪な気分だと、甘くて柔らかい琴子を壊しそうな気がしたから。せめて、優しく柔らかく触れたいから。……残念な気持ちがないと言ったら嘘になるけど。シャワーを浴びて、ミネラルウォーターを飲みながらベッドに腰を下ろす。バレンタインの時のように寝相の悪い琴子のほほをやさしくなでる。「おやすみ。奥さん」覚悟しておけよ、と心で念じながら。

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  • 06 Oct
    • イリコト【木枯らし】 投稿者:まつだ様

      沙穂子さんの話です。一人称が原作と異なっています。原作を知ってだいぶ経ちますが、沙穂子さんについて考えるようになったのは去年くらいからかもしれません。◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇【木枯らし】おじいさま、お忙しいのにごめんなさい。どうしてもすぐにお話したくて。車の中でも仕方ないわ。急にお願いしたのは私ですもの。前もって時間を取っていただいたら、お茶をしながらお話できるのでしょうけど。でも、どうしても今すぐにお会いしたくて。……ごめんなさい。ちょっと目が痛くて。今日は風が強いもの。ゴミでも入ったのかしら。街路樹の葉、昨日の雨と今日の風で全部落ちそうね。一気に冬が近づくわ。舞い上がる落ち葉は綺麗。晴れているから、そう思えるのでしょうね。何があったかって?……とりあえず話をさせて。 おじいさま、あのね、婚約をなかったことにしていただきたいの。ええ、そう。昼にお会いしたわ。朝早くに連絡があって、それで。初めて、そう、初めてだったの。その日のうちに会いたいって言ってくださったの。嬉しかったけど、少し怖くて。悪い予感が当たったわ。婚約を解消して欲しい、気持ちをごまかせなくなったって。……おじいさまはもっと驚くかと思ったんだけど。そう、気付いていらしたのね。私もね、もしかしたらとは思ってたの。ううん、違うわ。もしかしたらじゃなくて、そういう気持ちでいらしたのに知っていたの。最初、一緒暮らしてるって聞いた時からもしかしてとは考えたのよ。それに、お母さまもたいへん気に入っていらしたし。でも、そんな心配するような関係ではないとみなさんおっしゃっていたし、調べた結果もそうだったのでしょう?だから、お見合いからしばらく間はそんなことはないんだと思えたのね。私を選んでくれたということで幸せだったもの。でも、やっぱり、その間もその考えが全く消えることなかったんでしょうね、今思うと。だから、琴子さんにもそれとなく確認したの。そうしたら、私のことはげましてくださって。ええ、あの時。退院祝いでお邪魔した時、二人でお話した際に。それでもね、何度もお会いしてもやっぱりモヤモヤしたものはなくなることはなかった。優しくて、紳士的で、一緒に過ごすことができて、私、楽しかった。でも、いつもどこか遠く感じるの。人を寄せ付けない感じで。たった、そう、たった一度だけ。その寄せ付けない感じが消えた時があったの。ええ、琴子さん会った時。デートの途中で、同じようにデート途中の琴子さん達と会ったの。直樹さん、琴子さんに非難するようなことをおっしゃって。私、あんな直樹さん知らなかった。こわかった。おじいさまの言う通りだわ。わかっているのよ、私にひどいことを言う訳がないって。私を好きであったから、そういう面を見せないんだと思っていたの。そしてね、はっきりとわかってしまったの。ご自身で気付いてないのか、気付いているけど気持ちをごまかしているのかまではわからなかったけれど。けれどね、気付いてないなら、ううん、気持ちを表すつもりがないなら、このままずっと一緒にいたかったの。だって、人は変わるでしょう?ずっと一緒にいるのだから、私にもいつかはきっと、と思ったの。琴子さんへの態度を見ても、そのいつかを待ってみようと思ってたの。信じていたかったの。いつか、きっと、私にも心のすべてを見せてくれる日が来るのだと。私、最初、お見合い断るつもりだったのよ。大泉の家に生まれたからには、いつかはお見合いするんだろうなとは考えていたけど、まだ心の準備ができなくて。大学で許婚がいらっしゃる方々のお話は聞いたけれど、まだ、遠い事だから実感がわかなかったの。お見合いして、結婚するということが。お見合いがいやなのかって?そうではないわ。きちんとわきまえているつもりよ。大泉の人間であることを。いやなんて、考えたこともないわ。おじいさま、私が決めていいとおっしゃったでしょう?だからパンダイへ行ったの。お断りするつもりで。その時、たまたまエレベーターで助けていただいたの。本当に素敵だった。一目惚れってああいうのをいうのね。部長さんにお写真いただいて、お相手が先程の方だと知って嬉しかったの。お見合いの席はいろいろあったけれども、あちらからお話し進めてもいいって言われて嬉しかったの。私なんか断られると思ってたから、私を選んでもらえたことが嬉しかったの。だから、不安に思うこともあったけれども、お見合いから本当にずっと幸せだったの、私。夏のお見合いから、この秋の間、ずっと幸せだったのよ。それならって?でも、このまま婚約なかったことにして欲しいの。今の私の望みはこのまま身を引くことだから。どうして身を引くのかって?好きでないのかって?大好きよ、もちろん。誰かを特別に思えるなんて初めてだもの。でも、つらいの。つらいからから諦めるのかって?そうね。だから諦めるの。彼がわかってない?立場と選択権の在り処が?でも、もういいの。彼が選んだのは彼女だもの。誰よりも将来を歩む相手として私自身を選んだって思ったけれども。――そう思いたかっただけかもしれないけど。おじいさま、言いたいことは何となく分かるわ。お願い、言わないで。私の件で融資を失くすという判断はしないで。融資が取りやめで当然?私が傷ついたから?傷ついてないと言ったら、確かに嘘だわ。でもね、潔く身を引きたいの。おじいさま、直樹さんを高く評価されていたじゃない。ご自分の判断が間違っていらっしゃるとは思っていらっしゃらないでしょう?だったら、ね?おじいさま、ありがとう。わがままを聞いてくださって。……ごめんなさい。すぐに落ち着くわ。すぐに涙は止まるから。……目的地まであとどの位?その位なら大丈夫。落ち着くわ。あそこのビル、確か地下鉄の駅に直結していたから、それで帰ります。帰りは大丈夫。電車で十分。おじいさま、本当に私は大丈夫。わかっていたから、覚悟はどこかでできていたみたい。……もう着いたのね。ありがとう、おじいさま。無理なお願いを聞いてくださって。今日は風が強いわ。このあたりの木の葉、すべて落ちてしまったのね。本当にもうすぐ冬なのね。秋は終わってしまうのね。

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  • 05 Oct
    • イリコト【秋の夜長に 後編】 投稿者:まつだ様

      【秋の夜長に 後編】定時になり、他の重役や秘書達に声をかけ会社を出る。社用車は断り、電車で帰ることにした。外は日が暮れ、西に多少の明るさを残すのみとなっていた。夏にはよく定時で退社していたものだった。その頃は西日の中を歩いた。少し前のことのはずだが、遠い昔に感じられる。最近は社内や外で夕食を済ませ、暗い中を社用車で帰宅していた。父が倒れ、会社の状態がよくないのはすぐわかった。治療に専念させる為社長代行として仕事をするようになった。ただ、ヒットの実績がある社長の子息とは言え、たかがハタチを過ぎたばかりの若造に振られる仕事はやや少なかった為、最初のうちは明るい内に帰ることができていた。あの頃は、玄関を開けると弟と琴子が笑顔で迎え、三人で文句を言いつつも不味い琴子の手料理を食べた。ほんの僅かな時間だったけれども、賑やかな様子が会社でのことを忘れさせてくれた。今日もそうなるだろうな、などと考えていると自然に口元が緩んだ。最寄駅に着き、電車を降りる頃には西に残っていた明るさもなくなり、夜の帳が下りていた。「ん?」ホームから改札へ向かう途中、改札を全速力でくぐる琴子を見かけた。声をかけようかほんの少し躊躇している間にホームへ駆けて行ってしまった。――あいつ何で出掛けているんだ?いつも、どんな時でも、直樹に気付く琴子。そんな琴子が直樹に気付かない程急いで。重樹が入院してからは、夕方紀子が外出する際は裕樹を一人にしないように琴子も在宅していたはずだ。パンダイに来なくなってから、琴子が紀子にそう言ったと裕樹は言っていた。ひとりで留守番くらいできると裕樹はとても憤慨していたが、その怒った表情の中に安心を見た気がした。確か電話では紀子も病院に泊まると言っていた。心の中で舌打ちする。――裕樹をひとりにするほど、大事な用があるのかよ。もやもやした気持ちのまま、家路を急ぐ。玄関の開けると、その音を聞き付けたのか、リビングから裕樹が出て来た。「ただいま」「おかえり、お兄ちゃん」「お前、ひとり? 琴子は?」直樹の問いに驚くこともなく、裕樹は答える。「琴子はおじさんの手伝い。今日の昼に突然頼まれたんだって。なんか、常連さんの団体が来るから、ちょっとだけ手伝うんだって」少しためらいながら、さらに続ける。「あのね、あいつ、僕が一人になるからってさっきまで家にいたんだ。店に着くの、頼まれた時間にギリギリ間に合うかどうかって感じだと思うよ」「そうか」裕樹はもっと言いたいことがあるような顔を一瞬したが、口を閉じてしまった。ソファに荷物を置き、水でも飲んで一息つこうとキッチンへ行く。「夕食は?」「お兄ちゃん、聞いてない?」直樹が問いかけるとびっくりした裕樹がそう返してきた。「何が?」それに答えることなく、裕樹が口を開いた。「とりあえず着替えて来たら?」その言葉に甘え、部屋でスーツから普段着に着替えリビングに戻る。さっきと同じ問いをソファで本を読む裕樹に投げかけようとした瞬間、電話が鳴った。「電話、僕が出るよ」その間にコーヒーでも、キッチンで準備しているとインターホンが鳴った。どうせ宅急便とかだろう、すぐ終わるはずとそのままにし、リビングの裕樹を伺う。裕樹は電話応対に忙しいのか、こちらを見ることはなかった。「はい、入江ですが」「こんばんは、直樹さん。大泉沙穂子です」最近聞きなれた婚約者の声。意外な来訪者に急いで玄関へ向かう。背後からは電話で話す裕樹の声を聞こえてくる。「大丈夫だよ。お前が出てそんなしないうちにお兄ちゃん帰ってきたから。お前の方こそ大丈夫かよ。息切れして、相当慌てて行ったんだろ? その調子で失敗するなよ」月のない真っ暗な夜。外灯で明るい玄関には婚約者。その後ろには運転手らしき壮年の男性。「こんばんは、沙穂子さん。こんな普段着ですみません。今日はどうされたんですか?」いつも通り、優しく紳士的に声をかける。「あの、夕食をご一緒にと思いまして。昼前、お誘いの為にお電話しようと思ったんです。そうしましたら、祖父が、今日弟さんとお二人だそうだからお宅に作りに行けば良いと言われて。お聞きになってませんか?」「弟しかいなくなるから、父に定時に退社するようにとは言われましたが、沙穂子さんのことは言ってませんでした。父は、きっと、僕を驚かしたかったんでしょうね」微笑みながらそう言葉をかけると、沙穂子も微笑んだ。彼女の後ろに控えていた運転手が沙穂子に声をかける。「それではお嬢様、9時前にはお迎えに上がります」「わかりました」「これはどうしましょうか?」運転手の手には高級スーパーの袋。「僕が持ちますよ」そう言って直樹は沙穂子のそばに寄り手を伸ばした。優しい控え目な香水の匂いが直樹の鼻腔をくすぐった。直樹が荷物を受け取ると、運転手は深く一礼し車に戻っていった。玄関に入り、廊下で待っていた裕樹に挨拶させる。驚く様子が全くない裕樹の様子から、さっきの問いの答えが推測できた。裕樹はリビングに待たせ、沙穂子をキッチンへ案内し、準備を手伝う。「あとは私だけで大丈夫です。少し時間かかりますので、お待ちくださいね」持参のエプロンをし、キッチン周りを見渡した沙穂子がコーヒーの道具に気付いた。「あ、コーヒー、飲むところだったんですか。だったら、淹れてお持ちしましょうか」「……すみません。では、お願いします」沙穂子はそういって準備を始めた。料理ができる間、リビングで直樹は裕樹に勉強を教えていた。傍らには沙穂子の入れたコーヒー。沙穂子は、紀子にも劣らない手際の良さで、短い時間で普段の夕食にも勝るとも劣らない料理を作り上げた。配膳を裕樹と共に手伝う。「どちらにいつも座ってるのですか?」「……僕、こっち」さて、どうするか、と思案していたちょっとした瞬間、裕樹は普段琴子が座る席を指差す。「沙穂子さんはそちらの席で宜しいですか?」そう言って普段裕樹が座っている席を示す。申し分ない夕食。普段食卓にて自分から話し出すことのない直樹もこの日は違った。この場の時間が穏やかに過ぎるよう、タイミングを見ては二人のどちらかに話を振っていた。食事が終わり、裕樹と共に片付けを手伝う。「いつもこうやって片づけされるのですか?」「……いえ、ときどき。すみません、ちょっと戸惑ったりして」ちょっと見ただけで食器の場所を把握していた直樹と異なり、裕樹は食器を戻すのに多少戸惑っていた。「いえ、そんな気にしないでくださいね。お手伝いしていただけてとても嬉しいです。祖父や父なんかは男子厨房に入らずで全く台所のことなんてわかりませんし、やろうともしないんですよ」そういって沙穂子はほほ笑み、それを見た裕樹もぎこちなく笑った。すぐにキッチンは片付いた。ちょっとだけ違和感があった。コーヒーの道具の置き方が普段と少し違うのだ。リビングに移り、何とか会話を続けている二人に声をかけるのも憚れ、そのままにして直樹もリビングに向かった。インターホンが鳴り、時計を見る。9時少し前。先ほどの運転手が迎えに来たのだろう。裕樹と玄関まで沙穂子を見送りに行く。「今日はありがとうございました。とても美味しかったです」裕樹がぎこちなく微笑みながらそう言って頭を下げる。隣で直樹も微笑みながら礼を言う。「本当にありがとうございます。助かりました」「いえ、そう言っていただけてとても嬉しいです。また、こうやってお手伝いさせてくださいませんか」「いえ、そんな。沙穂子さんの手を煩わせる訳には行きませんよ」「むしろ、今日みたいにお手伝いすること、とても楽しいんです。お仕事のお手伝いはできませんが、これ位ならできますから。お二人が好きな物何ですか? 次はお好きな物を作りたいです」そういってほんのりほほを染める沙穂子の様子は美しかった。まるで絵画のように。二人でリビングに戻る。大きな溜息が一つ。「お兄ちゃん、本当に彼女、料理が上手だね。言ったとおりに。僕、もう寝るよ。おやすみなさい」「おやすみ」何か言いたげな表情を浮かべながらも、裕樹は部屋に戻っていった。書斎で持ち帰った仕事をしなければと思うものの、足が動かなかった。何もする気が起きず、リビングのソファに腰を下ろし、目を閉じる。――どうしてこうなったのか。今日の検査については会社の人間しか知らないはず。それをなぜ大泉会長が知っていたか。結納の事で重樹に電話して知ったか、土屋部長あたりが告げ、重樹に確認した、そんなところか。そして、常々婚約者の役に立ちたいと思っていた孫娘の願いを叶えた。会長の話を聞いていてそれを感じ取った重樹が気を使い、病院に一泊となったのだろう。気に触るようなことをして、融資に差し障りが出てはたまらない。あちらが望むのなら受け入れるしかない。母は見合いの際に酷い言葉を投げつけているから病院に留め置く。結婚前だ、二人きりでなく、小学生の弟が在宅すれば向こうも安心する。そして、話せば重雄はすぐに事情を察して配慮くれる。きっと、そうだ。そうに違いない。それでも、思ってしまう。――どうしてこうなったのか。思い巡らしている間に寝てしまったようだった。玄関の鍵を開ける音で目が覚める。書斎で仕事しようかとリビングを出た所で玄関に入って来た琴子と顔を合わせた。「おかえり」「えっと。た、ただいま」こうやって顔を合わせて挨拶したのはいつ以来だろう。目をすぐにそらす琴子。それが直樹には面白くない。当然のように二人の間は気まずい雰囲気。沈黙を破ったのは直樹だった。「帰って来てすぐで悪いんだけど、コーヒー頼める?書斎で仕事するから」「うん、わかったよ。」直樹の脇を通り、先にキッチンに向かう琴子。脇を通るほんの一瞬、琴子の顔が曇る。その表情さえも面白くない。一緒に住むようになってから、よくコーヒーを頼んでいた。気付けばいつのまにか琴子に頼んでいた。頼めばいつもニコニコしてコーヒーを入れていた。いつもと変わらないはずなのに、ああいう表情をするのが気に食わなかった。何となくリビングに残っていると琴子が声をかけてきた。「コーヒー淹れてから書斎に行く?」「いや、持ってきて」「――じゃあ書斎に持ってくね」書斎に向かう際に盗み見た琴子の表情は泣きそうだった。いつもと違うコーヒーの道具の場所。コーヒーを入れるのをためらう琴子。目を合わせることのない琴子。笑顔を向けることのない琴子。何かが胸を締め付ける。しかし、その何かを考えてはいけない、そう思った。書斎のドアを開ける。カーテンが開いており、月の光で室内は明るかった。外を見ると東の空に出たばかりのようだった。夏とは違う。夏は終わり、季節は変わったのだ。夜は長い。やらねばならないことはたくさんあるのだ。

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  • 04 Oct
    • イリコト【秋の夜長に 前編】 投稿者:まつだ様

      【秋の夜長に 前編】病身の重樹に代わって直樹が出社するようになってしばらく経つ。季節は夏から秋に変わっていた。もっとも、社長代理として奔走する直樹には、季節が変わったという実感はなかった。社長である重樹は体調が落ち着き退院した。大泉との縁談のおかげで会社の資金面の目処もついた。目処がついたためか、一時よりも会社の雰囲気も落ち着いてきていた。しかし、再建への鍵になりそうなものがまだなかった。直樹は机に置かれた企画書や決裁に目を通す。どうしたものかと思案していたが、内線でそれが中断された。「はい」「社長からお電話です」「繋いで」重樹はしばらく自宅療養が必要だが、本人の立っての希望で早めに復帰する予定だ。それに備え、今日は念の為に検査しに病院へ行っていた。――もしかして。嫌な予感が頭を掠める。「もしもし」『忙しいところ悪いね』「今日検査だったよな。どこか引っかかったのか?」『そういう訳じゃないんだ。ただ、もうちょっときちんとみた方がいいということになってね、一日入院することになった』「入院? 本当に引っかかってないんだろうな?」『ああ、大丈夫だよ。本当に念の為だ。それでな、すまないが、今日は定時であがれるか?ママも病院に泊まることになってしまってね、夜は家にいて欲しいんだが』「ちょっと待って」保留ボタンを押し、手帳に書かれた予定を確認する。約束や会議はない。「大丈夫。定時で上がれそうだ」『すまないね。家には会社を定時であがって帰ると言うよ、それでいいかい?』「ああ。頼むよ」電話を切り、溜息をつく。――最近、溜息ばっかりだな。先日の退院祝いの際、家族に婚約者を紹介した。おそらく結納もすぐだろう。婚約者は誰もが羨む非の打ち所がない大和撫子。――幸せ、なんだろうな。もう一度溜息をついた。~後編へつづく~

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  • 03 Oct
    • イリコト【ぼくには甘すぎる】 投稿者:まつだ様

      【ぼくには甘すぎる】「チョコ、おいしそうだね」「そうだな」「食べていいって、おばさん言ってたね」「言ってたな」ダイニングでぼくは琴子と留守番している。ママはカレーの隠し味にしてる何かを買い忘れたとかで出かけてしまった。……隠し味って何を入れてるのさ。チョコではないのはわかる。だって、ぼくらの前で入れたから。で、ぼくらの前にはチョコがある。和風な柄が描いてあったり、扇を模したものある、贈り物用だろうチョコ。このチョコにしようかしら、なんていいながら、いつも使うらしいチョコを入れていた。あまったこれを、見ていたぼくと琴子に食べてもいいと言ってママは出かけた。ぼくらが躊躇しているのには理由がある。「一個だけなら大丈夫かな?」「大丈夫だろ。普通に夕飯食べられるだろ」そう、これから夕食なのに、ぼくらはチョコを食べるかどうか迷ってる。「そうだね、一個くらい」そうしてぼくらはチョコに手を伸ばした。「「……」」一個だけ、といいながら、やっぱり一個じゃすまなかった。「一個だけになっちゃったね」「そうだな」もうちょっとチョコを食べたい気持ちと、最後のチョコを食べたほうが悪い感じがなんとなくして、お互いチョコを取るのをためらっていた。「裕樹くん、食べていいよ」「いいよ、琴子、食べなよ」「「……」」そうして、二人とも黙ってしまう。「ただいま」お兄ちゃんだ。「「!!」」「か、隠さなくっちゃ。え、え、えっと」「おい!」隠す必要なんてないだろ、と言ってやろうとしたら、急いで最後のひとつを口に入れ、箱を物陰に隠してしまった。ふたりでリビングから玄関へ行こうとする。聞こえた声に反応して、先を競うように急ぐ。だって、大好きな人の声だから。「「おかえり!」」ぼくと琴子が玄関に行くとお兄ちゃんは靴を脱いでいた。「おふくろは?」「ママ、足りないものがあったからって買いに行ったよ」「で、おふくろがいない間に、二人でチョコ食べてたのか」「「!」」(ばれてる!)(どうしてばれたんだろ?)二人でびっくりして、顔を見合わせる。「どんな食べ方すればこんなふうになるんだよ」そういうとお兄ちゃんは琴子のほっぺに付いたチョコを取って口に入れた。「どんなって普通よ!そんな汚ない食べ方するみたいに言わないで!」琴子、お前が突っ込むところはそこじゃないだろ!ぼくは心の中で突っ込む。「普通の食べ方だったら、口のまわりや顔にチョコがついたりしねぇよ」「なっ!」もっと言い返そうとする琴子の額をデコピンをする。額を押さえ、涙目になりながらも琴子はお兄ちゃんをにらんでいた。……全然恐くないけど。そんな琴子を一瞥して笑うと、独り暮らしをする前と同じようにお兄ちゃんは琴子に頼む。「琴子、コーヒー」「あ、うん、わかった」ぼくは知ってる。琴子はお兄ちゃんの一言だけで満面の笑みを浮かべるってこと。やっぱりうれしそうに琴子はパタパタとキッチンに走っていく。「裕樹くんはどうする?カフェオレにする?」「大声で叫ぶなよ。それじゃあ、カフェオレでいいよ」お兄ちゃんみたいにしたくて、琴子にブラックを頼んだこともあるけど、ぼくにはちょっと早かった。こっそりお兄ちゃんを見る。なんだかお見通しみたいで、ちょっぴり笑いをかみ殺しているのがわかった。――まったく、大声で叫んだりして、やっぱり琴子は乱暴だ。しばらくして、琴子がマグカップを3つ持ってきた。真っ先にお兄ちゃんに渡す。一口含んで、満足そうな表情を浮かべるお兄ちゃん。琴子はぼくに渡そうとしてるから見えてない。なんだろう、すごく居づらい。「ぼ、ぼく、郵便物見てくるね」外に出てポストを確認する。ダイレクトメールに混じって斗南大学からのものがあった。お兄ちゃん宛て?琴子なら単位がやば過ぎてとか想像できるのに。なんだろう?ダイレクトメール以外の郵便物を持って戻る。「お兄ちゃん宛のがあったよ」他のをママがいつもおいているところに片づけて、さっきの封筒だけをお兄ちゃんに渡す。その封筒を見て満足そうに微笑むお兄ちゃん。「大学から?何かしたの?」琴子が慌てて聞く。「お前と違って、やばいことなんか何もない。単位が足りない、なんてな」「じゃあ何?」「何でもいいだろ」教えてもらえず、不服そうな顔の琴子。しばらくそんな表情をしてると、思いついたように聞いた。「住所とか、学校に届け出てないの?」「してない。いちいち面倒くさい」「じゃあ、何かあったらどうするの?」「なんかって何だよ。連絡とかあればこっちに来るだろ。そんな遠い訳じゃないんだから、それでいいだろ」「ちゃんと届出してないと何かあった時に住所ふていって言われるって、同じゼミの子が言ってたの。ねえ、住所ふていって何?」琴子の言葉にぼくらは顔を見合わせる。「「それくらい辞書で調べろ」」「お兄ちゃん、今日は泊まれるの?」ぼくらがリビングで話してたのはたぶん30分くらい。もっと話したくて、気にしていたことを聞いた。「いや、やることあるから帰るよ」「そっか……」思わず落胆した声を出してしまう。琴子もきっと同じ思いのはず。「ごはんは?食べていける?」ちょっと必死な声で琴子は聞く。「時間がないから。今日はこれが来たか知りたかったから」「そっか……」今度の落胆した声は琴子。「じゃあ、帰るな。これ、ごちそうさん」ちょっと笑ってマグカップを少し持ち上げるお兄ちゃん。落ち込んでるぼくらの様子にほんの少しさびしげな顔をすると、ぼくらの頭を撫でてリビングを出てってしまった。「い、入江くん。お見送りぐらいさせて!」そういって慌ただしくお兄ちゃんの後をバタバタをついていく琴子。琴子はどうでもいいけど、ぼくもやっぱり見送りたくて一緒についていく。「ったく。騒がしいな」「「ごめんなさい」」「まあ、いいよ。今日来たこと、おふくろに言うなよ」「ママがうるさいから?」「そういうこと。じゃあ、またな」お兄ちゃんが帰ったあと、僕らはチョコの箱を片づけ、カップを洗って元に戻した。僕らのカップまで片づけを急ぐことはなかったけど、何となく、無言で急いで片づけてしまった。それも終わったけど、何もする気がなかった。琴子も同じ気分みたいだった。「さびしいね」「うん」そうして、また無言。琴子はきっとお兄ちゃんが帰ったことだけでとってもさびしいんだと思う。ぼくにとって、そりゃお兄ちゃんが帰ったことはさびしいけど、さっき、なんか僕が邪魔者に感じたことが一番さびしかった。お兄ちゃんが琴子にコーヒーを頼む様子も、琴子のほっぺに付いたチョコを取って食べる様子も、当たり前のようで。それにぼく、知ってるから。お兄ちゃんが琴子を好きだって。早くお兄ちゃんが素直になってほしいと思った。そうしたら、ママは狂喜乱舞するし、琴子だって嬉しくないはずはない。ぼくだって、今日みたいな日は堂々と席を外せる。そんなことを考えた。

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  • 02 Oct
    • イリコト【星に願いを】 投稿者:まつだ様

      【星に願いを】「裕樹くん、何作ってるの?」「七夕の飾りだよ。見て分かるだろ?」「だって、今日が七夕だよ?昨日飾り付けしたじゃない」「何か、余った折り紙とか出てきたんだってさ。で、ママがもう少し作ったらって」「そうなんだ。裕樹くん、上手だね」「ああ、そっか。お前の作った、不恰好な飾りと交換しちまえばいっか」「ちょっと~!上手だからってそれはないじゃない!」「それより、お前、おじさんの手伝いはもういいのかよ」「うん、あたしがやる分はおわったよ。あたしももうちょっと作っちゃおう」「やれる分、だろ」「もう。どうせ、あんまりできることありませんよ~だ。あ、おばさん、何かお手伝いすることあります?」「もう全部家の事終わったわ。琴子ちゃん、ありがとう。あら、裕樹、作ってるのね。上手なものねぇ。相原さん、すみません、お任せしちゃって」「いえいえ、いつもよくして頂いてますし。こっちはあとは茹で上がりを待つだけですよ」「お休みの日にすみませんね。あら、これ琴子ちゃんが作ったの?」「はい!家でそうめんにする時もたまにこういう飾り、作ってたんです」「へぇ、星型の野菜とか?うまくできてるじゃん。あ、型抜きじゃ失敗しないか」「もう、ほんとにさっきから失礼ね」「相原さん、このそうめん、どうされたんですか?」「昔、修行していたお店の常連だった方にお中元でいただきました。わしが独立する頃に、実家に戻られて家業を継がれて。修行の時、よくワシのことを気にかけてくれた方で、新しいお店には行けないけど、何かさせてくれって。もうずっと何年も。それで、毎年、七夕の頃に馴染みのお客さんにも振る舞っているんですよ」「本当に美味しいんですよ!」「今まではこちらに持ってくる前に無くなってしまっていたので……。すみません」「そんな、気にしないでくださいな。さあさ、二人とも片付けて、一緒に食べる準備をしましょうか」「「はぁい」」 「ただいま」「お帰り!」「おかえりなさい!」「あら、おかえりなさい。どうしたの?今日は」「ちょっと本を取りにきたんだ」「おう、お帰り、直樹くん。夕飯はまだかい?一緒にそうめんはどうだい? たくさんあるんだ」「ええ。いただきます」「お兄ちゃん、今日は泊まる?泊まるなら、勉強教えて欲しいんだけど」「そうだな、久しぶりにそれもいいな。じゃあ食後でいいか」「うん!ふふん。残念だったな、琴子」「誰も何にも言ってないじゃない!」「へぇ、じゃあ、平気だな。大学生だもんな、俺が教えることなんかないよな。学部だって違うし」「え?あ?教えてくれるの?だったらね……」「ばぁか」「いったあ! なにもデコピンすることないじゃない!」「もう!お兄ちゃんたら、女の子になんてことするの! 相原さんすみません」「いえいえ。こちらこそ琴子がすみません。おっと、茹で上がりましたよ。さあさ、座って座って。」 「本当に美味しいかったです。ごちそうさまでした」「いえいえ、そう言っていただけてよかったです」「そうめん、どうかしたんですか?」「知り合いの方にお中元いただいたんだ。七夕にはそうめんとも言うし、毎年こうやって、ね」「短冊だけじゃないの?」「星だって眺めるだろ」「そうだけど、そうめんも? 裕樹くんは知ってた?」「……当たり前だろ」「もう、裕樹ったら。いろいろあるみたいよ、そうめんを食べるのって。お供えしていたから食べるようになったと聞いたことがあるわ」「織姫は機織りするのは琴子だって裕樹だって知っているよな。そうめんを機織りの糸に見立てて食べるという話もあるんだ」「おくさんも直樹くんもさすがだなぁ」「七夕ってさ、織姫にあやかって、機織りや裁縫の上達を願ったり風習が七夕の由来のひとつっても言われてる。機織りや裁縫だけじゃなくて、芸事や書道の上達を願うようにもなったらしいけど」「へえ、だったら、琴子さ、短冊に書くべきだったんじゃないの?書道がうまくなりますようにって」「琴子、書道やってるのか?書き初めもなかなかやらなかったお前が?」「お父さん、それは言わないでよ!学校の授業で取っているの。もしも教職とか目指す時に必須だから、とりあえず取ってみようかなって。あれ、なんで裕樹くんが知っているの?」「時々、顔に墨ついてるから。まあ、お前が先生なんて無理だな」「無理とかわかんないじゃない!って、墨汁ついてるときがあるの?えっ?うそ?」「うそに決まってるだろ。家じゃやってないくせに。前に墨汁が~とか聞きに来たのお前だろ」「だましたわね~!」「もう! 裕樹、いいかげんにしなさい!」「ったく。おい、二人とも片づけるぞ。勉強教えてほしいんだろう?」「「は~い」」 「お兄ちゃん、これ、笹に括り付けてくれる? 風が強かったみたいで落ちたみたいなのよ」「ああ、どの辺?」「せっかくお兄ちゃんにつけてもらうんだもの。高い所にお願いするわ」「どんだけ願い事があるんだ? たくさん短冊つけすぎだろう」「いいじゃない。願い事がたくさんあるって。いろいろ思いをはせるだけでもステキじゃない」「……そうだな。だからって、琴子とふたり、暴走するのは勘弁してくれ」「もう、つまらないわね。お兄ちゃんも書いてく?」「いや、俺はいいよ」「もう、遠慮しないでいいのに。琴子ちゃんとずっと一緒にとか書けばいいじゃないの」「遠慮じゃねぇ。書くつもりは全くない!」 「琴子?」「あれ、入江くん、どうしたの?」「書斎で本を探そうと思って。ちょうどいい。コーヒー入れてくれる?」「うん、ちょっと待ってね。書斎に持っていこうか?」「いや、ここに持ってきて」「わかった。待っててね」「はい、どうぞ」「サンキュ」「お前、何してた訳?」「へ?」「ベランダで黄昏れて。お前でもそんな時あるんだな」「何よ。あたしだってたそがれたりするわ。今日、ちょっと風があるけど、お月さま出てなくて、星がきれいでしょ?だから、眺めてたの」「ああ、星に願いをかなえてもらおうって?」「ち、ち、違うわよ。そ、そりゃ、かなえてくれたらいいけど」「まあ、願うだけなら、誰にも被害は行かないからな」「何よ~。もう!」「間違ってないだろ?」「入江くんは短冊書いたの?」「いや」「書けばよかったのに」「誰かさんが書いてただろ、入江くんの願いごとがかないますように、てさ」「! いつの間に見たの!?」「お袋に括り付けてと頼まれた時」「何も見なくたっていいじゃない!」「見えちまったものは仕方ないだろ。好きで覚える訳じゃない。……お前さ、自分のこと書けばいいだろ」「ほんとにあたしのお願いなんだけど、そんなにヘンかな?」「ヘンだな」「もう、あたし寝るから!おやすみなさい!」「琴子」「何?」「……いや、何でもない。おやすみ」「おやすみなさい!入江くん、大好き」「知ってる。耳にタコ」「えへへ」「……確かに今日は星がよく見えるな。さて、本を探すとするか」

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  • 29 Sep
    • イリコト【かけがえのない】 投稿者:まつだ様

      【かけがえのない】誰もいないマンションに帰る時。温もりのないベッドで横になる時。目が覚めてひとりだと気付く時。口に含んだコーヒーの味に満足できない時。琴子がいないことを思い知らされた。あの時のふたりの選択に、ほんの少し後悔したりもした。研修医なんてもんは忙しくて、寝る時間も足りないし、マンションに毎日帰ることなんてできなかった。いつも、しばらくぶりに帰るとマンションの留守番電話は琴子の声が限界まで入っていた。毎日のできごとを話す琴子。さみしいと泣き出す琴子。次の日に看護科の連中にダメだしされる琴子。仕事をしている時はあまり考えないけれど、これを聞いている時、やっぱり俺もさびしいのだと実感させられた。仲の良い連中と学んでいる様子からはあの選択が正しいことを実感できた。ほんの少しの寂しさとともに。何度がこっちに来たことがあった。手の届く距離で話すことができること、望めばその温もりを得られることがこんなに嬉しいものだなんて。ほんの一瞬でも、どうなってもいいからこのまま引き止めたいなんて考えたなんて。琴子が東京に帰った時、こんなに寂しくなるものだなんて。わかってはいたけれども、そばにいなくても琴子ひとりのことでこんなに俺の感情が動くとは思わなかった。 やっとマンションに帰ってきた。ここ数日病院に詰めっぱなしだった。朝日が眩しく、目に痛い。体は疲れている。今すぐ寝たい。でも、その前に。『はい、入江でございます』「もしもし、おふくろ?」『あら、お兄ちゃん!ひさしぶりじゃない。ちゃんと琴子ちゃんに連絡してる?』「忙しいんだよ」いつものように、声を張り上げて非難するおふくろ。『だからって連絡もしないで。琴子ちゃんに甘え過ぎじゃない!』「だから、こうやって電話してるだろ。琴子に代わってくれる?」途端に、今ニヤニヤしてるだろって声に変わる。『はいは~い。ちょっと待ってねえ』ゴン!おふくろらしくもなく、保留ボタンも押さずに受話器を置いたようだ。受話器から向こうの様子が聞こえてくる。――琴子ちゃん!お兄ちゃんからよ!バタバタ、ゴツン!これは琴子、急いでかけてくるような音。その様子が手に取るように分かるから思わず頬が緩んでしまう。ガツン!そして、何かにぶつかったような音。――いったぁ。琴子!痛いだろ!――ごめんね!――おい!ちゃんと謝れよ!あの家にいた頃はよくあった風景。怒鳴る裕樹に、謝る琴子。『もしもし!入江くん?』久しぶりの琴子の声。息を切らした、焦った声。「おはよう」『あ、え、えっと、おはよ!今、マンション?』「ああ。久しぶりにね」『ずっと病院だったのね。もう留守番電話はムリだったから……』「お前、また」ほんの少し咎めるような感じになってしまった。言った後、すぐに後悔した。『ごめんなさい』こんな落ち込んだ声が聞きたいんじゃなくて。今日だからこそ使える、絶対に琴子が喜ぶ言葉。いつもは望むような言葉はなかなか言えないけれど、これくらいなら。「誕生日おめでとう、琴子」『え、あ、ありがと』予想に反して、返ってきたのは涙声。「どうした?」『だって、こんなふうに入江くんが言ってくれるなんて……。ぐすっ』これまでだって何度か言ったはずなんだがな。その時は満面の笑みでお礼を言ってたのにな。「ったく。泣くなよ」『だってぇ』――琴子ちゃん?どうしたの?また、お兄ちゃんがいじわるなこと言ったの?「おい、おふくろには言うなよ」『どうして?』「面倒だから。で、嬉しくないわけ?」『そんな、すっごくうれしいよ!』だんだん弾んだ声になっていく。「そりゃあよかった」『うん。うん』「勉強、がんばれよ」『うん。絶対、一回で受かるよ』「じゃあな」『えっ?もう切っちゃうの?』「おれ、ここんとこ働き詰めだったんだけど」『あ、そうか。ごめんね。疲れてるところありがとう。絶対がんばるからね。入江くん大好き。おやすみなさい』涙を浮かべながら、にっこりと大好きと言う琴子が思い浮かぶ。「おやすみ」受話器を置いて、一息つく。話したに疲れているし、眠い。しかし、電話してよかったと思った。こんなに幸せな気分になるなんて。琴子の声を聞いて、がんばろうと思った。あいつだってがんばってる。夢を叶えるため。体がどんなに疲れていて、限界かもと思えても、あの声を聞いたら、がんばろうと思えた。がんばっているのも、さみしいのは同じなんだと分かるから。まあ、俺からさみしいなんて言わないけど。

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  • 20 Sep
    • 韓 【癒して】 投稿者:七ツ星様

      【癒して】   その日、ペク・スンジョは完全なるオ・ハニ欠乏症だった勤務のほかに学会のデータ整理と資料作りに追われ、まともに家に帰れず、やはり忙しいハニとすれ違いでもう5日も顔を会わせていない いつもなら暇を見つけて顔を見に来るハニだが、そうもいかないらしい    くっきりと眉間にシワを寄せて不機嫌全開なスンジョを見かねて、先輩の医師がなにか差し出した「ペク医師、相当お疲れだね~これで糖分とって血糖値あげて」その掌には飴が一個、包み紙には『honey-candy』 「...ありがとうございます」といつもなら断る甘い飴を受け取って口に入れた「今日は早く上がれるんだろう?久しぶりにゆっくり休んだら」 「そうさせていただきます」そう言って手にしていた包み紙に目を落とした(お前じゃ全然ダメだな)    疲れた体を鉛のように感じながらも家に帰り、リビングに入るとグミママが迎えてくれた「お兄ちゃん、お帰り~」 「ただいま、ハニは?」 「んま~♪帰るなりハニは?なんて、もう素敵だわ!」と盛り上がる母にイライラするも言い返す時間が無駄だ「...で?」 「ハニちゃんね~♪明日初めてつく検査があるから下調べがあるんですって。お兄ちゃんが早く帰って来れるって分かったら、先に終らせるんだって、今二階で頑張ってるわ♪久しぶりに会えるってワクワクしてたわよ~♪なんて可愛いんでしょう!」 「そうか...今日は夕飯は..」 「分かってるわよ~♪後でゆっくり食べられる物用意しておくわ!お邪魔しないからごゆっくり~♪」とすっかりテンションが上がっている母に呆れるもののその申し出はありがたく受けることにした「ああ、よろしく」と弛みそうな口元をごまかしつつ階段をのぼった  部屋の扉を開けると、ブツブツ呟きながら机に向かうハニがいた集中しているのか気付かない仕事に熱心なのはいいことだが、今日はそれも別の話 気付かれないことに若干の物足りなさを感じながらも、自分の瞳にハニが映っている事実に気持ちがホッと緩むのが分かった「ただいま」そう言うと バッとハニが振り返る目が合うと、飛びっきりの笑顔をくれた「お帰りなさいスンジョくん!お疲れ様!お出迎え出来なくてゴメンね~」ちょっと眉毛を下げて情けない顔をする椅子に座ったまま見上げるその顔は完璧に反則で、重度のハニ欠乏症には堪らなかった   「ああ、疲れた、ハニこっち来て」そう言いながら両手を広げる ハニは少し驚いた顔をしながらも、とても嬉しそうにスンジョの前に進み、その胸に顔を寄せた「ちょっと癒して」スンジョはハニをきゅっと抱き締めると、大きく息を吸い込んだ鼻腔一杯に拡がるハニの香、癒される甘いその香それから左手はそのままに、スンジョの右手がハニの髪の毛を優しく撫でる指の間をさらさらと流れるようなその手触りはスンジョに更なる癒しを与えた暫くの間そうしていたが、ようやくハニを少し離すと今度は両手でハニの頬を包んだ色白でシミひとつないその頬はツルツルと堪らない肌触りだった   そして、顔を少し赤らめながら潤んだ瞳で見上げるハニはあまりにも可愛らしく、でも扇情的でもあり...性急に激しく求めてしまいたい衝動を押さえながらハニの唇に軽いkissを落とした「スンジョくん大丈夫?」と掠れるような声で尋ねるハニに甘い微笑みを返し、耳許で囁く「ハニ、今日はゆっくり癒してくれる?」ハニは真っ赤になりながらもコクンと頷いた スンジョの眼差しが熱を帯びたものに変わる再び唇にkissを落とす それはすぐに甘くて深い口付けから熱くて激しいものに変わっていった  ...その夜スンジョはしっかり癒してもらったのだった///**********************************   スンジョ『サラサラだ   あぁ、ツルツルだ   スベスベだ』   ハニ『ワクワクよ   えぇ!?ドキドキよ   クラクラよ///』  激務続きのスンジョくんがハニちゃんに癒してもらう気満々って設定です この先は自主規制、後は皆様のご想像で(//∇//)     どうも~ 相変わらずの七ツ星ですf(^_^;前回の投稿へのコメント&いいね!ありがとうございました♪ホントに懲りずにまたまた登場です ごめんなさいm(__)m先に謝っておきます このくだらない川柳(もはや川柳と呼べませんが)、私的にはくだらなすぎて結構気に入っていて、ずっと投稿したかったのです で、完璧に川柳ありきでしたが、お話を頑張って書いてみました(^_^;)呆れてください( ̄O ̄)よければ笑ってください(^w^)少しでも笑って頂ければ幸いです失礼いたしましたっ(>_<")    『このみんなのイタkissブログに初投稿してから早いものでもう四ヶ月 私のようなものにもコメントやいいね!をしてくださる皆さまに甘えて調子にのっては度々投稿させていただきました読んで頂きまして本当にありがとうございました これから少しの間、現実の方で忙しくなってしまうので、今までのようには投稿出来なると思います自惚れてると思われてしまうかもしれませんが、待っていてくださる方や心配してくださる方が、もしひとりでもいらっしゃるとと思い、今までの感謝と共にお知らせさせていただきましたなんてことを言いながらも、堪えきれずに投稿しちゃうかもですがf(^^;またの機会を迎えられるように頑張ります七ツ星』

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  • 16 Sep
    • 韓 【ぷろぽーず】 投稿者:七ツ星様

      【ぷろぽーず】   珍しく早く帰ることが出来たスンジョに、お帰りの挨拶もソコソコにグミママが詰め寄った「ねぇお兄ちゃん、ハニちゃんと何かあった?」 「いや、何も...ハニがどうかした?今日は友達と出掛けるって聞いてはいるけど?」 「そう...そうなのよ!中学の同級生と久しぶりに会うって楽しみにしてたはずなのに、出掛ける時には元気がなくって様子が変だったから、てっきりお兄ちゃんとケンカでもしたのかと思って...」 「ケンカなんかしてないよ。第一、今日は食堂で顔見掛けただけで、話をする暇も無かったよ」 「ハニちゃん何かあったのかしら?心配だわ~帰りも1人じゃ危ないし迎えに行くから電話してって言ったんだけど、悪いから迎えはいいですって遠慮して...」 「今日は何処に行くって?」 「確か、漢江(ハンガン)のカフェダイニングって言ってたわよ、お店の名前までは分からないけど。夜景が綺麗だからってお友達が予約してくれたって」 「...そうか、お袋、迎えは俺が行くから、ハニから連絡あったら教えて」 「んまぁ~♪なんて素敵なの~分かったわ♪何ならお泊まりしてきていいわよ~!」 急にテンションの上がるグミママを尻目に階段を上るスンジョだった  「漢江か...」 深い溜め息をついたスンジョは呟いた あの時と同じ季節、漢江、夜景...嫌でも甦る苦い記憶ハニにとっては辛い記憶 2年経った今でもハニを苦しめているのかと思うと、あの頃自分の取った行動の罪深さを痛感し、急いで出掛ける支度をしたのだった * * *    「ハニ、少し元気がなかったけど、具合でも悪かった?」 「そんなことないよ、楽しかったよ!でも、最近忙しくて寝不足だったからちょっと疲れてたのかも、久しぶりの再会なのに心配かけてゴメンね!」 「そっか、看護師になるのも大変だね~頑張ってね!」 「うん♪今日はありがとね、また会おうね~じゃあ、またね!」 友達と別れてから漢江の畔をひとり歩く   出掛ける前、元気の無かった自分を気に掛けてくれたグミママにこれ以上心配をかけたくなくて、もうすぐ帰るとメールだけ入れた夜の漢江を眺めながら歩けば鮮明になっていくあの頃の記憶...ジュングとのデート、偶然行き逢ったスンジョとヘラ、スンジョの冷めた眼差しと言葉...そしてジュングからの突然のプロポーズ、いきなり過ぎて驚き戸惑った...確かこの階段だったはず その後のまさかの展開でスンジョと結婚して2年、毎日本当に幸せだと思いながら過ごしている しかし、あの頃を思い出すとやはり何とも言えない胸の痛みを感じてしまうハニだった    「...私はとても幸せ、ジュングもクリスと出逢えたし、ヘラとギョンス先輩も上手くいってよかった、でも...」そんなことないと思いながらも拭いきれないでいる思い...スンジョくんは幸せなのかな?後悔してない?弾みで結婚しちゃったとか?そんな考えが次々に浮かんで来てしまう「だって、私プロポーズされてない...」あのスンジョくんが家族の前でお父さんに、ハニと結婚させてくださいと言ってくれた お母さんとお祖母さんのお墓に挨拶もしてくれたからそれで充分なはずで、それは分かっているのに...時々堪らなく不安になってしまう私は奥さんでいていいのかな?スンジョくんにとって必要なのかな?スンジョくんの役に立ちたくて目指している看護師の勉強も、結局は忙しいスンジョくんに手伝ってもらって何とかなってる次第で、凄く迷惑掛けてるし奥さんとしての役割もお義母さんに頼りっきりだし...考えれば考えるほど自己嫌悪に陥る        お袋から連絡をもらい、ハニを探す多分この辺りだろう まだそれほど遅い時間ではないが、こんな所にひとりでいるかと思うと気が気ではない俯きながらトボトボと階段を下りるハニを見つけ、ホッとする(ひとりじゃ危ないだろ!)無防備過ぎる後ろ姿に溜め息が出る何て言ってやろうかと思いながら、ハニの方に歩みを進めたが、その後ろ姿はやけに悲しそうで儚げだった何を考えてる? 何でそんなに悲しそうなんだ? 声を掛けるのを躊躇っている俺を通り越して、軽そうな男二人がハニに近付き話しかけた突然の出来事に驚き怯えた表情のハニに、思わず駆け出していた「俺の奥さんになんか用?」 冷たくいい放つと男二人は慌てて去って行った   「スンジョくん、どうして...」と驚くハニを思わず抱き締めた「この時間、こんな所にひとりじゃ危ないだろ!」ついきつくなってしまう口調 「ごめんなさい」と小さくなって謝るハニにハッとして「心配したぞ、元気ないみたいだけど何かあったのか?」と頭を撫でた「ううん、別に...ただ、ここでジュングにプロポーズされたんだなって思い出しただけ」ハニはぎこちなく微笑みながら答えた(ジュング、プロポーズ...)そう聞くと冷静な俺は何処かに消え去り、ざわざわと心が落ち着かなくなってしまっていた口をついて出た言葉は自分でも信じられないものだった「...あいつからのプロポーズ...それで?受けとけばよかったなって後悔してたって訳か?」 「...っな、何で!」ハニの顔色が変わった「そんなことあるわけないじゃない!!私がスンジョくん以外好きになれないって分かりきっているのにどうしてそんなこと言うの?」 思った以上に強い反応に驚いた「スンジョくんの方こそ、私なんか選ばなければよかったって思ってるんじゃないの?結婚して後悔してるんじゃないの?こんなはずじゃなかったって...」 最後は涙声になって震えていた ハッと我に返る さっきまで、ハニを傷付けてしまった自分を反省していたくせに「ごめん、ハニ...ジュングのプロポーズに嫉妬した」ハニを抱き寄せて耳許でそう囁いた泣き出す寸前だったハニの顔がぱっと輝く「えっ、ほんと?本当にジュングに嫉妬したの?じゃあ、私と結婚したこと後悔してない?」 「ああ、するわけないだろ、刺激的な毎日を保証してくれるんじゃないのか?ハニ以外の誰にそんなこと出来るんだ?それに看護師になって俺を助けてくれるんだろ?同じ道を歩くのはハニだけだよ」 「それってプロポーズ?」きらきらの眼で問いかけてくるハニが余りにも可愛い俺の一言でこんなにも変わるハニが愛しくて、いつもなら言えないが、傷付いて悲しげだったハニが少しでも笑顔になれるなら...苦い思い出を消せるなら...「ああ、遅くなったけどプロポーズだよ。これからも俺の傍にずっと居てくれよ。待たせてごめん、俺の奥さん」と甘い口付けを落としたのだった  それからは嬉しそうに俺の回りをぴょんぴょん跳ねながら歩くハニに「お袋が、迎えに行くならついでにお泊まりも、って言ってたぞ」そう言うと真っ赤になって固まったのだった いつもは煩いお袋に今日は感謝だな それから急遽、夜景の綺麗なシティホテルに部屋を取った俺達は誰にも邪魔されず甘いハネムーン気分を存分に味わったのだった   *******・*******・*******『“幸せな  記憶”に上書  complete』   何時もおつきあいくださりありがとうございますm(._.)mそして、コメント、いいね!に感謝致します!どうも七ツ星です途中で視点が変わるので、読みにくかったらごめんなさい韓国の教育制度も医療制度もよく解っておりません('';)なので、結婚後のお話は設定に矛盾があるかもしれません とりあえず結婚して2年目は二人とも学生ですよねってことで、悪しからず...   色々あっても最後はラブラブなスンハニが大好きですo(^o^)oまた、おつきあい頂けたら嬉しいです(*^^*)

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  • 02 Sep
    • 韓【A lost girl】 投稿者:lemon様

      A lost girl  ひやりとした風が開け放った窓から入りこんでくるのを感じた。その瞬間、するりと何かの拍子で俺は目覚めてしまった。ベッドサイドに置かれた時計は午前3時。随分と中途半端な時間に目覚めてしまったと思う。明日の講義は1限からだから、早起きをしなければならないのに。そっとため息をこぼして、寝返りをうつと、ハニの小さな背中が目に入った。すっかり眠りこけているのだろう、と思って再び瞼を閉じようとした。 「っや、怖い…」 その瞬間、小さく零れた彼女の声に、何事かと思って再び目を開ける。見れば、彼女の背中が少し震えているのが分かった。すすり泣くみたいな声も聞こえる。うなされてでもいるのだろうか、と心配した俺は、ためらいがちに小声で声をかけた。 「おい、ハニ。」 彼女の表情を伺おうと上体をおこし、肩に手を置けば、ハニはぼんやりとした顔で天井を向き、それから俺に焦点を合わせた。 「スン…ジョ…?」「どうした。うなされたのか?」 彼女の表情はこわばっていて、頬にはうっすらと涙のあとがみえる。俺は、少し夜風で冷えたその頬にふれ、その涙のあとを親指で拭って消してやった。 「よかったぁ。」 触れた手の感触に安堵したのか、心底ほっとした表情をうかべ、ハニは俺の方へと腕を伸ばしてくる。そうして、俺の背にきゅっと腕を回すから、促されるように俺も彼女に腕を回した。 「よかった、スンジョがいたぁ。」 寝ぼけたようにわけのわからないことを言うハニに、少し笑いながら、あやすようにその背をトントンっ、と叩いてやる。 「なんだよ、悪夢でも見てたのか?」 そう聞けば、そうなの、とハニはきゅ、と強く俺の背のシャツを握りしめた。 「あのね、スンジョとね、遊園地でデートしてたの。」「…へぇ。」「それで、遊園地で迷路に入ったら、スンジョとはぐれちゃって。焦って、焦って、どんどん歩いても見つからなくって。」 なんだよ、またこいつの変な夢か。 「それでね、ずっと歩いていたらね、変なネコにあったの。そのネコってばね、わたしに意地悪ばっかりいって、まるでスンジョみたいで。」「おい。」 黙って聞いてれば、怖い話なのか、嫌味なのか分からない。 「それから、今からテストだって言われて!」「はぁ?猫に?」「そうなの!スンジョに会えないし、テスト勉強なんてしてないし。」「そう言う問題じゃないだろ。」 ネコがテストだとか言いだす時点で色々おかしいが、とにかく、彼女にとってテストに勝る怖いものはないらしい。 「なに、お前明日小テストでもあるの?」 それを聞いたハニは、ぱっと俺から離れると、驚いた顔をしてじっとこちらを見つめる。 「どうしてわかるの?スンジョすごいっ。」「分かりやすく深層心理に表れてるだろ。」 こんな真夜中にどっと疲れが襲ってくる。ったく。 「ほら、いいからもう寝ろ。」「やだ、こわい!」 俺の腕にすがりついて泣きそう目をしてくるハニは、可愛いには可愛いが、残念ながら俺は明日1限がある。 「スンジョ、子守唄うたって!」「バカなこと言うな。」 まだわぁわぁと喚くハニの頭上から、勢いよくふとんをかぶせてやった。 「ふがっ!」 とりあえず大人しく横になったはいいが、怯えた子犬みたいな目で上目づかいに俺を覗きこんでくる。どうしても怖いらしい。 「ったく。最後まで世話がやけるな、お前は。」 ため息をつくと、ふとんの下で俺はそっと彼女と手をつないでやる。 「怖いんだったら、俺が起きてる10分以内に寝ろ。」「えぇっ」「お前、勉強してる時はすぐ寝るくせに。」「意地悪っ。」 ぶつぶつ言いながらも、ハニはそっと瞳を閉じる。 「いなくならないでね、スンジョ。」 小声でそう呟く彼女に、俺は小さく笑う。 「俺がお前を見つける方が早いと思うけど。」  君が、どこで迷子になっても。Fin.

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