2010年秋から、生物多様性かんさいでは、「関西から考える‘企業と生物多様性’研究会」 を
不定期に開催しています
この会は、NPO・NGO所属者だけでなく、日中は企業や行政などに籍を置いている方にも
参加いただきながら、 「有志の個人」 として率直な意見をぶつける研究会です
7月11日(水)夜は、先月下旬にブラジルのリオデジャネイロで開催された
通称 Rio+20(地球サミット2012) の報告会という切り口から、生物多様性を考えてみました
ゲストスピーカーは、京都大学先端政策分析研究センターの佐藤正弘准教授
佐藤准教授は、地球サミット2012ジャパンの代表、NPO法人CEPA JAPAN理事など、
市民目線の活動でも精力的に活動されている方ですが、
今回は 2週間弱、現地にも滞在された写真なども交えて広く語ってくださいました
Rio+20は、1992年以来10年に一回開催されている国連最大規模の国際会議ですが、
今回の会議の正式名は、「国連持続可能な開発会議」、特に途上国が深く関わる貧困克服について、
持続可能性=環境との調和 が根本的な課題のひとつとしてクローズアップされました
日本の一般メディアなどでは、「Rio+20は失敗した」などと総括されていますが、
佐藤准教授の分析は、とても明快かつ示唆に富んでいました
さまざまな詳しい分析については、後日、ご本人からも各方面に発信されることと思いますが、
心に残ったポイントを以下にいくつか挙げますと、
★ 20年前の地球サミット以降の環境変化としては、「アルゼンチンと同面積の森林の消失」など、
極めて深刻な悪化も多かった、と確認
★ 国連会議としての「Rio+20」は、事前の熱心な議論の末、「論争が続く問題は全て削除され」、
ほとんど踏み込んだ解決策等を条文に書き込まずに「先送り」された
⇒ 「先送り」=「現在のスピードの環境悪化を容認したに等しい」 と言えるため、
「失敗」「後退」と分析されている
★ 国連会議は「国」「地域(EU)」の代表による国際交渉の場だが、会議室外のサイドイベント会場
はとても熱く、さまざまなイニシアティブが発表され、実効力を持ちそうな勢いがあった
⇒ サイドイベントの個々の主催者は、一家言ある各国政府や企業団体、NGOなど多彩で、
先進的な事例を携えた「宣言」や「提言」が多くなされ、活況だった
「条約や法令を待たずに、直接国際社会や市民社会に訴え、独自のイニシアティブ
で存在感を示す(=世界に支持される) 動きが、今後さらに活発になるのでは
ないか?」
佐藤准教授のこうしたご指摘( 現地で得た肌感覚!?)に、参加者一同、とても刺激を受け、
さまざまな質問もさせていただきました
企業もNGOも、否応なく「国際社会」を意識せざるを得ない昨今ですが、
各国政府や国連を飛び越して、各地に求心力のある別のイニシアティブが勃興しつつある、
ということは、なんとなく私たち自身が肌感覚で感じ始めていたことかも知れません
大いに視野を広げていただき、かつ多くの新しい宿題をいただいた研究会でした
まだ未消化の部分は、徐々に私たちなりに肉付けして発信していきたいと思います
(・・・あ、もちろん、このブログや丹波の活動でも・・・!?)
佐藤先生、ありがとうございました!
☆ ☆ ☆
今夜も、皆さんに素敵な夢がたくさん訪れますように。。。
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