数十年前、初めてこのお酢にであったときには、日本のどのお酢とも違った味にどのように使っていいのかわからず戸惑ったことがありました。
その頃は今のようにネットなどというものもなかったので、手持ちのわずかな資料や自分の味覚を頼りにいろいろ試行錯誤したもののうまく使いこなすことができず、小さな瓶にもかかわらず最終的にはずっと放置されたままだったことを記憶しています。
今になって考えてみますと、当時自分の味覚がその味に慣れていなかったというだけでなく、なめてみても他のものと合わせてもうまみを感じることができなかったというのは、なんとなくあまりいいバルサミコ酢ではなかったのでは??という気もしますが・・・・
バルサミコ酢は、本来は産地、ブドウの種類、熟成期間などが厳密に規定されており、その中で25年以上かけて熟成させたものは珍重され、もちろんお値段も最高級ワインに匹敵するほどです。
ニュージーランドにいた頃には、イタリアの食材を売っているお店に行くといろんな種類のバルサミコ酢を見かけることができました。でも、この最高級品を見かけることはありませんでしたが、その下のランクの6~8年ものは見かけることができました。
しかし、これさえもかなり高価なのでいつも横目で見るだけ。我が家で買い求めるものはカラメル色素などが使われた安価なものだけでしたので、残念ながら本当のバルサミコ酢の味を知らぬまま現在に至っています。
さて、今回ご紹介しますお料理は、下味をつけた鶏のもも肉をじっくりと時間をかけてフライパンローストしたものに、このバルサミコ酢を半量に煮詰めたソースをかけていただくチキンソティーです。
バルサミコソースはお酢だけ、もしくはお砂糖を加えたものを煮詰めることが多いのですが、今回このソースには少量の醤油を加え少し味を引き締めています。
ほのかな甘みがあるソースなので、お肉のみならず野菜や果物をソティーしたものにかけてもおいしくいただくことができます。
またこのソースは煮詰めるため、そのまま使うよりも量を使うのでキッチンで眠っているバルサミコを使うよい機会にもなりますよ。
一緒にいただいたものは、
エリンギとピーマンのソティー
サツマイモのフライドポテト
トマトと貝割れ大根のサラダ
チキンソティー・バルサミコソース
材料
バルサミコ酢 60cc
醤油 小さじ1/2
鶏もも肉 250gx2
塩 小さじ1+1/2
刻みローズマリー 小さじ1・・・ドライローズマリーの場合は小さじ1/3
粗挽き黒胡椒 小さじ1/2
赤ワイン 大さじ2
サラダ油 大さじ1
薄切りニンニク 3~4枚
作り方
1)バルサミコソースを作ります。バルサミコと醤油を小鍋に入れ、弱火で少しとろみが出るくらい(約半量)まで煮詰めたら出来上がりです。種類によってはあまりコクのないバルサミコの場合があります。その時は砂糖少々を加えて煮詰めてください。
2)鶏もも肉をバットに入れ、フォーク等で数カ所突き刺し、塩を全体にすり込み、次に刻みローズマリーと粗挽き黒胡椒を合わせたものを
まぶします。赤ワインも全体に振りかけます。
3)フライパンにサラダ油とニンニクを入れ火にかけます。鶏もも肉の皮目を上にして入れ、中火の弱火くらいの火加減でゆっくりと焼きます。時間をかけると焦げそうな場合は、火を弱火にします。
4)鶏肉の厚さの半分位まで色が白っぽく変わったら裏返し、反対側もじっくりと焼きます。
5)全体に焼き色がつき、透き通った肉汁が出てきたら焼き上がりです。
6)2cm厚くらいのそぎ切りにし皿に盛りつけ、バルサミコソースを適量かけます。