3月も終わりの日曜日というちょっと前の話になってしまいますが、いつものお魚屋さんにはいつになくたくさんの種類のお魚が並んでいました。いつも見慣れたお魚に混じって、見るのも聞くのも初めてという変わったものもあります。その色々並んでいる中にちょっと地味に並べられているけれど素晴らしいお魚を見つけました。

それは、春が旬の青森産の桜マスです。本マスとも呼ばれ、身は名前の通り本当に鮮やかなサーモンピンクをしていて、この時期は脂ものりきっています。

マスというと、富山のマス寿司が有名ですね。そう、頭の中はすぐにそのマス寿司のことでいっぱいになり後先も考えずに購入を決定してしまいました。

売り場のお兄さんにマスをお酢で締めてお寿司を作りたい旨を告げると、並べられているものでも十分新鮮なのですが、なんと新しい箱からよりビンとした活きのいいマスを出してくれました。お兄さんありがとう!!

3枚におろしてもらい、もちろんアラも持ち帰りました。

家に帰ると半身はすぐにお塩をまぶして冷蔵庫へ。しかし、今週はとっても忙しいはず・・・・まぁ~なんとかなるさ??

アラはその日の夕食にブイヤベースにしていただきました。お塩でまぶしておいたものは、夜にはお酢に漬け込み、もう半身はさらに半分に切り、しっぽの方をきつめにお塩をまぶしてお茶漬け用に保存、そしてもう半分は翌日さっとお塩を振り焼いたものを大根おろしと共にいただきました。

そして火曜日、お寿司を作りたいと朝から段取りすれど、色々用事が立て込んでいて断念。ついには延びに延びて一週間がたちこの日曜日にようやく押し寿司を作ることが出来ました。

途中でお酢から引き上げて密封して保存しておいたものの、やはり表面のお酢に浸かっていた部分の色は、あの鮮やかなピンクから少し黄色みがかってしまいました。そしてもう一つ、お酢がきつくなってしまい肝心のマスのうまみも薄れてしまいました。残念。

予定を顧みず食い気が先に立つとこんな失敗もあります。でも、おいしかったと、言うことで、このマスの押し寿司をご紹介します。

押し寿司を作るときには、木型を使いますが、我が家ではお菓子を作るときの流し箱を使います。また、それをお持ちでない方は、同じ大きさのバット2枚を使用しても作れます。

また、押し寿司は、最低半日くらいは押しをしたほうが崩れにくくかちっとしたお寿司になります。逆に言うと、忙しい日には朝の内に作っておくことも可能なので、とても便利です。

今回は生のマスをお酢でしめることから始めましたが、マスをスモークサーモンに替えて作るともっと手軽に出来ます。

このお寿司は、普通にワサビ醤油でいただくのもいいのですが、そこにマヨネーズを入れていただくと、又違った味わいになります。我が家では、お寿司の上に少しマヨネーズを絞り出し、その上にレモンを切ったものを添えたりすることもあります。こうするとお醤油の中にマヨネーズを入れる必要もなく、見た目もちょっと洋風になります。是非一度お試しください。




一緒にいただいたもの

tulip 納豆とキュウリの海苔巻き
tulip ホウレン草のごま和え
tulip キノコ汁



桜舞い散る マスの押し寿司 桜舞い散る

材料
生マス   半身・・・見下ろしして30cm位のもの、もしくは大きめの切り身3~4枚分
塩     大さじ3~

酢     50cc
水     50cc

米酢    100cc
白だし   小さじ2 

酢飯    2合分・・・米2合、水360cc、米酢50cc、砂糖大さじ3/4、塩小さじ3/4
大葉    8枚   千切り

マスの作り方
1)マスにきつめに塩をまぶし、ラップをして冷蔵庫に3時間くらい入れておきます。
2)ボールに、米酢と白だしを入れたものを準備しておきます。
3)大きめのボールに酢と水を同割りにしたものを作り、その中に1)のマスをくぐらせ塩を落とします。マスの表面が少し白っぽくなったら取り出します。
4)包丁を皮と身の間を滑らせるようにして皮をむき、骨も抜きます。
5)マスが丁度入るくらいの大きさの容器にマスを入れ、上から2)のダシ酢を注ぎます。もし、マスが全部隠れないようならさらに同じ割合で作ったダシ酢を加えます。蓋もしくはラップをしてそのまま冷蔵庫に入れます。
6)丸一日たったら、ダシ酢からマスを取り出しキッチンペーパーなどで水分をよく拭き取ります。
7)マスをまな板に置き、頭のついていた方から斜めに薄くそぎ切りにします。

押し寿司の作り方
1)米をとぎ、炊飯器ですし飯に合わせてご飯を炊きます。もしくは、上の割合でご飯を炊きます。
2)米酢、砂糖、塩を耐熱容器に入れ、電子レンジで砂糖が溶けるくらいに軽く温めます。この時、酢を決して沸騰させないようにして注意してください。
3)ご飯が炊きあがったらすぐにボールに移し、2)の合わせ酢を全体に振り、しゃもじで切るように全体をよく混ぜます。ボールの真ん中にご飯を集め、固く絞った濡れ布巾をかけそのままさまします。急ぐときにはうちわで扇ぎながらご飯を混ぜると早くさめますが、前記の方がご飯にお酢が十分含まれおいしくなります。

4)15cmx12cmの流し箱の内箱の部分をはずし、外箱に大きめに切ったラップを底にぴったりと貼り付けるように敷き、余った部分は周りの外側に垂らしておきます。
5)薄くそぎ切りにしたマスを底にきれいに隙間なく並べ、刻んだ大葉の半分を散らし、その上にすし飯の半量を平らになるように敷き詰めます。周りに垂らしておいたラップを真ん中に集めるようにしてたたみます。内箱をはめ込み上から手でぎゅっぎゅっとまんべんなく押します。
6)内箱をはずし、さらにラップをして2段目を同じようにして作ります。出来上がったら内箱の上に丁度入るくらいの容器に水を入れるか、または重石をしてそのまま半日くらい(急ぐときは2~3時間)おきます。
7)重石をはずし、箱からお寿司を取り出します。ラップをしたまま、ぬらした包丁で好きな大きさに切ります。
8)ラップをはずし、お皿に盛りつけます。