秋に代表される菊の花。一口に菊といっても本当に色んな種類がありますね。また、菊は観賞用だけでなく食用菊というのもありますね。

食用菊で思い出されるのは、お刺身についている小さい黄色の小菊でしょうか?それとも板状に乾燥された黄菊でしょうか?

先日新潟県の中越地方に住んでいる友人が食用菊を一箱送ってくれました。これは黄色ではなくピンクがかった紫色をした少し大振りの菊です。この食用菊は同じ種類でも作られる地域によって名前がそれぞれ違います。友人の住む地方では、この菊は「おもいのほか」という名前でよばれています。何でも食べてみたら思いのほかおいしかったのでこの名前が付いたとか??

独特の香りとほのかな甘みがあるこの菊ですが、昨年は同じ新潟県でも新潟市界隈の方からいただいた菊は、もう少し大振りで香りは同じですが少し苦みがありました。どれも同じ種類だという話ですが、このように少しとれる場所が違うと味も少し変わるようです。

この菊が送られてくる少し前に、夫婦そろって流感にかかってしまいました。ものすごくたちの悪い風邪で、高熱は出ませんが頭痛、鼻水や咳が出て・・・こんなにひどい風邪にかかったのも久々ですが、ましてや夫婦そろってこんなにひどいのにかかったことなんて今までなかったのではないかと思います。

そのひどい風邪は治ったかなと思うとまたぶり返すというしつこさ、そして最後のひどい症状の所に菊が届きました。

届いた菊を早速お夕飯におひたしでいただきました。それも一箱もいただいたのと久々の秋の味が嬉しく、一人当たり通常の2人前ぐらいてんこ盛りにしていただきました。

そして食後、なんと二人そろって、気のつかえによる熱っぽさや軽く残っていた頭痛がフッととれ楽になったではありませんか!!

菊は、漢方薬でも使います。気の滞りによる熱の諸症状、頭痛やのぼせ等に使いますが、もちろんこの菊一品で使う訳ではなく他のお薬と組み合わせて使います。でも、風邪には使わないのですが・・・しかもお薬に使う菊とは種類が違います。しかし、これはまさしく菊の効用にうたわれているものズバリです。

二人とも漢方薬を飲んでいましたし、食事も体を温めるようなものにしていたこと等色んなタイミングが重なって、もしかしたらこんなにはっきりと効果がでたのかもしれません。

それにしても、二人そろって同じような風邪にかかること等今までになく、ましてや効果を確認できる等そうそうあることではないので、今回の件は本当に驚きであり、そしてなんとすばらしい経験をさせてもらったことでしょう!!

この効果が判り、それから数日は菊を食べ続けたのは言うもでもありませんが、この一回目程の効果は残念ながらあまり感じる事ができませんでした。しかし、こんなチャンスを与えてくれた友人には本当に感謝です。

リラックス効果があるといわれるカモミール。これも菊の仲間ですので、気の滞りを解消するというその効用はうなずけますね。そして菊花茶、日本ではあまりポピュラーなのもものではありませんが、暑い東南アジア等では日常的に飲まれているようです。こちらも熱中症にかかないようにする為の生活の知恵なのだということが良く判ります。

医食同源と言われますが、今回のことは改めて食事の大切さを痛感した出来事でした。


食用菊は、酢の物や天ぷらに使われる事が多いのですが、今日は、我が家流菊のおひたしをご紹介します。

我が家では普段お料理にお砂糖を使うことは少ないのですが、このおひたしのタレは甘みが主役です。今回の菊は、苦みが何もなかったのですが、だいたいの菊はわずかですが苦みがあります。始めて菊を召し上がる方や、苦みがちょっと苦手な方向きなタレです。



菊 菊のおひたし 菊

材料
食用菊     適量
酢       適量

醤油:砂糖:米酢=1:1:1 (例:醤油:砂糖:米酢=小さじ1:小さじ1:小さじ1)

作り方
1)菊は水洗いし、真ん中の芯の部分を残し、周りの花びらの部分だけを取ります。
2)お鍋に湯を沸かし、沸騰したら酢を入れます。次に取った菊の花をいれ、菊がお湯にしっかりつかるようにお箸で手早く沈めます。
3)菊をざるに取り冷水ですすぎ、手で水をしぼります。
4)タレを作ります。耐熱容器に同割り合いの醤油、砂糖と米酢を入れ電子レンジで軽く沸騰するまで加熱します。レンジから出し砂糖が溶けるまでよくかき混ぜます。
5)菊を器に盛り、タレを上からかけて出来上がりです。

*菊は、すぐに茹で過ぎになりますから、手早く作業します。
*タレは一人分小さじ1~2くらいを目安に作ります。