今年の流行語大賞になった「お・も・て・な・し」。
2020年五輪招致最終プレゼンテーション(ブエノスアイレス)で、
滝川クリステルさんが合掌する様子は何度もテレビで放映され、一躍、”時の人”となりました。
もちろん彼女は合掌するために壇上に上がったわけではありません。
(なぜ合掌なのか意味不明ですがw)
そのプレゼン内容を抜粋します。
『 東京は皆様を、ユニークにお迎えします。
日本語ではそれを「おもてなし」という一語で表現できます。
(中略)
ひとつ簡単な例をご紹介しましょう。
もし皆様が東京で何かを失くしたならば、ほぼ確実にそれは戻ってきます。たとえ現金でも。
実際に昨年、現金3,000万ドル以上が、落し物として、東京の警察署に届けられました 』
~引用終わり~
日本の良さのアピールに、なぜ”現金”が登場するかはひとまず置いておきます。
額面どおりに受け取れば、「日本は良い国だ」とIOC委員の目には映ったでしょう。
しかし、落とした現金が戻ってきたためしがない私としては疑問に思うわけです。
実際のところ、どうなんでしょう?お金って戻ってくるの?
そうだ!警察に訊いてみましょう♪ヾ(・∀・)ノ
参照:警視庁 平成24年度遺失物取扱状況
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/toukei/kaikei/kaikei_24.htm
遺失届け現金・・・84.1億円 に対し、
取得届け現金・・・29.8億円 (滝川さんの言った3,000万ドルがコレ)です。
落としたのが84億円、それに対し、届けられたのは約30億円です。
率にして、35.4% Σ(´・ω・`)
高いと見るか、低いと見るかは個人差があるでしょう。
しかし、この確率を、「ほぼ確実」 と認識する人はいないでしょう。
つまり、滝川さんの発言は嘘っぱちなのです。 (´・ω・`)
彼女はなぜ、こんなデタラメを公の場で言い放ったのでしょう?
冒頭に挙げた疑問、なぜ現金の話が出てきたのか? を併せて考えてみます。
実は今話題のあの人が、この話をしていたのです。
あの人とは、猪瀬前東京都知事です。
ブエノスアイレス以前、ロシア・サンクトペテルブルグでのプレゼンの場で、
猪瀬氏自身が、「東京で落とした現金の話」 をしているのですw
参照:中日スポーツ コラム月刊猪瀬直樹 「五輪招致プレゼンまずは成功」
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/entertainment/inose/CK2013061102000167.html
そもそも、「警察に届けられたお金=3,000万ドル(約30億円)」という数字自体、一般人は日常的に知りませんし、興味もありません。
しかし東京都知事という地位の人なら話は別です。治安行政の一部であり、知っていて何ら不思議ではありません。
すなわち、滝川クリステルさんのプレゼンは、単に猪瀬氏の”焼き直し”であり、「おもてなし」のくだりを後づけしたと考えるのが自然です。
さすが、元作家だな!猪瀬!(・∀・;)
もしそうなら、「東京五輪は俺の手柄だ」と言わんばかりの傲岸な態度も、あれほど都知事の椅子にこだわったことも合点がいきます。
今年の流行語大賞・「おもてなし」は、
猪瀬氏にあげるべきだったかもしれませんね(笑)
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昨日も書きましたが、「嘘で得た東京五輪」に何の価値があるのでしょう?
政府・自民党は、五輪準備などにまつわる工事技術者不足を理由に、外国人労働者の受け入れ基準の緩和する方向で動いています。
ならば、そもそもやらなければ済む話。
福島原発事故の収束には、今後何十年も掛かることが明らかになっています。
そのために必要な工事技術者の不足が懸念されています。
東京五輪が被災地復興の足を引っ張る恐れは十分あり得ます。
オリンピック辞退なんて、日本の恥だ!という人もいるでしょう。
しかし、嘘やデタラメで人を欺くというやり方こそが、よほど恥ずかしい。
本来の日本人の美意識から大きくかけ離れたものだと私は確信します。
勇気ある撤退ならば断固支持します!以上。