昨年の9月に


改めて「ビクセン:ED81S」の性能を検証してみる(続くかも)

http://ameblo.jp/foreign-sukiyaki/entry-11033352890.html


という記事を書きましたが、一年の時を経てその続編です(笑)



SUKIYAKI ~小諸・快適生活~


今回は直焦点撮影での適正です。


この望遠鏡は、ノーマルのままだと中心像は非常に鋭いのですが、視野周辺にいくにしたがって像面湾曲の影響で、星像が著しく肥大してしまいます。これでは平坦な撮像素子をもつデジタルカメラには都合が悪いので、像面を平坦化しつつより明るい視野(写野)を提供するためにF値を明るく(F5.2)する レデューサーレンズ という専用オプションがあります。


この望遠鏡の光学的特性は、以下の本に詳しいです。



SUKIYAKI ~小諸・快適生活~


       デジタル天体写真のための 天体望遠鏡ガイド (amazonへリンク)


今回は、レデューサーつきでの写真性能です。


さて、この望遠鏡で撮影した以下の写真。



SUKIYAKI ~小諸・快適生活~


先の記事で取り上げた、M31の写真のJPEG画像の撮って出し。なんの画像処理も加えておりません。



SUKIYAKI ~小諸・快適生活~


上記画像の、中央部。ピクセル等倍きりだしです。


星像は非常にシャープ。上記の本では、およそ40ミクロンほどの星像が得られるようですが、それはクリアしてると思われます。注目してもらいたいのは輝星に色滲み。いわゆる「青ハロ」が認められないこと。EDレンズを含んだ二枚玉の対物レンズでは、申し分ない性能でしょう。



SUKIYAKI ~小諸・快適生活~


画像左下スミのピクセル等倍画像です。


コマ収差、非点収差の補正がイマ一歩のようです。上記の本のスポットダイアグラムでも同じような形に結像する様子が確認できますが、そのとおりの性能のようです。星像直径はおよそ100ミクロン。


対物レンズ自体は色収差も球面収差も少なく、非常に優秀なのですが、レデューサーの性能が、タカハシなどと比較してイマイチなようです。もう少しコストがかかってもいいので、もっと収差補正が良好で、圧縮率の高いレデューサーが販売されれば、天体写真マニアからの評価も変わるかもしれません。あと、ピントのズレないレボルビング装置もオプションであると、より写真派には便利ですね。


この望遠鏡を直焦点に使用してみてまだ日が浅いですが、自分のようななるべくいろいろ楽しみたい方。マニアを目指す初心者の方には、十分な性能、高いコストパフォーマンスでいろいろ楽しめる望遠鏡に仕上がってると思います。