新司法試験2日目民事系 | 大江ゆかりのブログ

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平成24年度新司法試験再現答案。
私は『とめはねっ!』に出てくる鈴里高校書道部唯一の男子部員、帰国子女です。
第14巻(最終巻)は平成27年5月29日発売!

2時までには就眠。5時覚醒。2度寝、6時覚醒、民法。3度寝。会社。


民法、設問1易(1)相続共有と第三者への譲渡、882・887Ⅰ・900④本文、906など条文ていねいに挙げました。遺産分割の有無で場合分け。(2)占有の承継と時効取得。売買契約により、占有の客観的性質として「所有の意思」認定。売買契約は、時効取得(162条1項)の時効取得の要件事実である「所有の意思」を推認させる事実、という法律上の意義を有する。~11:25。

設問2難 寄託契約では、「寄託物」を返還するので、原則として寄託した1000箱の引渡請求可能。もっとも、本件契約で、「他の寄託者」の同種物との混合寄託可能、かつ、寄託割合による共有持分権という特約。つまり、寄託者は、受託者に「他の寄託者」の権利保護義務あることを認め、寄託者も契約上それによる制限を受ける。盗取により2000箱が1000箱に減ったことから、共有持分の限度で500箱のみ引渡請求可。Hの主張は相当。Gは損害賠償請求で補てんされる。

設問3 「山菜おこわ」の無償寄託契約。受寄者は「自己の財産と同一の注意義務」(659)。としても、施錠忘れは、重大な過失として、債務不履行成立。相当因果関係(416条1項)肯定、商品額300万円の「損害」賠償請求可能。

Fが「山菜おこわ」をQ百貨店で扱ってもらえなくなったことは、債務不履行時点で、特別事情として予見可能(416条2項)。よって、Qとの取引解消の「損害」につても賠償請求可能。4p.10行目まで。


会社、設問1難 定款を合理的解釈。会社提案、株主提案により、選任可能員数5人をこえる候補者を得たときは、選任に必要な賛成数を得た上位者から最大5人選任される。Q・Rの集計をせず、上記手続をしなかったことは取締役選任の決議方法の「定款違反」あり。Bの選任(Q・Rの不選任)決議につき株主総会決議取消事由(831条1項1号)。もっとも、「三箇月」徒過、争えず。

設問2 本件貸付けは、取締役Pが唯一取締役である乙社への貸付けであり「直接取引」(356条1項2号、365条1項)、不景気な資本金30億の甲社が15億貸し付けるので「重要な財産の処分」として役会決議必要。決議は経たものの、Pの説明不十分。善管義務・忠実義務違反の「法令違反」。

ここで経営判断原則を検討。上記のとおり、判断過程の著しい不合理あり。ほとんど事業活動を行っていない乙社に無担保で回収の見込みのない15億貸付けは、判断内容としても著しい不合理。よって、善管義務違反阻却されず。なお、差止請求の場面での同原則の適用もありと断る(笑)。「著しい損害」のおそれ。監査役Fの差止請求(385)肯定。Fによる差止なければ、「回復し難い損害」のおそれ(360条3項)を肯定し、株主Aによる差止請求(360)肯定。

423条の損害賠償請求は、423条3項各号でP、H、Dの任務懈怠推定。損害、因果関係、重過失肯定。

Fによる賠償請求訴訟(386)なければ、Aによる代表訴訟。

Aからは、429条請求可能。429条の性質、株主の間接損害も救済対象。

設問3難 監査役選任につき、監査役の意見陳述権なし(345条1項参照)。株主提案の監査役選任議案に関し、監査役会の同意不要。5P.15行。途中答案。


民訴難、4P.ていど。

設問1(1) 前段 当初の請求原因②の事実を立証する場合、本件契約書は、成立の真正を前提として、Bの意思表示を記載した処分証書として、事実②を推認させる間接事実。Bの印章による印影の顕出は、Bの意思による押印と推定させ(1段目の推定、判例)、かかる推定事実を前提に契約書の成立の真正が推定される(2段の推定)。

Bの主張「Cに預けている」は、1段目の推定事実への反証で、本証を要す。

 後段 第2の請求原因事実③の事実を立証する場合、契約書は、成立の真正が認められたとしても、ただちにBの処分証書とはならないし、③の立証にも意味をなさない。Bの印章の印影は、Bが印章とともに代理権をCに授与したことを推認させる間接事実。
(2) Pの見解は、弁論主義の第1原則(主張責任)に反する。

 代理による契約締結を認定する場合、契約締結が代理によること(代理権授与、代理権の範囲内の代理行為、顕名と代理意思)は主要事実として主張必要。

 弁論主義の趣旨、機能を少々。

 主張なき代理行為によるとの認定は、不意打ち、第1原則違反。これを避けるためには、適切な釈明権(149条)の行使をすればよい(*)。~16:55

(*)こういう加点狙い。1点でも。

設問2 訴訟告知(53)あれば46条の判決効を及ぼしうる(53条4項)。46条は、既判力とは異なる、参加的効力。

Cから、訴訟1で両当事者から訴訟告知あったゆえ、敗訴した一方当事者からの参加的効力の主張は認められない、との主張が考えられる。しかし、46条各号の一に当たらなければ、46条の効力は排除できない。

①の事実の否認はできない。

②の事実の否認はできる。訴訟1で、第2・第3いずれの請求原因が認められるかを分ける事実で、BCの利害関係が背反する。敗訴責任の公平分担にいう「公平」が当てはまらない場面。

設問3難 

同時審判申出訴訟は、同一裁判所に両事件の控訴が継続すれば、弁論・裁判が併合され、その趣旨が及ぶ。しかし、一方の事件のみの控訴にとどまった場合、「両負け」の危険が生じ、その趣旨の貫徹に限界がある。

①では、XC訴訟のみ控訴審に移審、確定遮断効が生じる。審判範囲は、Cの不服申立のあった限度である(296条1項)。審判の統一、「両負け」回避は働かず、Xの敗訴可能性も。

②では、両事件とも控訴審に移審、確定遮断効が生じる。審判範囲は、C・Xの不服申立のあった限度である(296条1項)。


再現ではないが、部分的には再現に近いな。

民法50点、会社法45点、民訴法55点。