こんにちは。

 

さて前回の続きです。

 

創業90年を超える企業に対し、抜本的な改革を提案した企画書は果たして通るのか!?

 

結果は、、、

 

見事、満場一致で賛成を得ることができました。パチパチパチ

 

しかしコレ、実はあまり喜ばしいことではないんです。

なぜなら、あまりにもすんなり通り過ぎたからです。

 

私は提案の時点で多くの質問を受け、それに応える形で戦略の意図をしっかりと伝えるつもりでしたが、質問がほとんど無かったため、中途半端な理解のままスタートを切ることになってしまいました。

 

でもとにかくスタートを切ることができたので、あとは走りながら考えましょう。

 

最初に着手したのはもちろん①理念の明示です。

 

前回も少し触れましたように、企業としての理念はすでに明示されており、Vision Bookという本にもまとめられていました。

 

そこで、ブランドとしての理念を改めて明示することを提案しました。

 

理念をまとめるにあたっては山元浩二氏の著書、

「小さな会社の人を育てる賃金制度のつくり方」

を参考にさせていただきました。

 

 

①経営理念は経営者に考えてもらい、②基本方針、③行動理念については各店の店長・調理長に考えてもらいました。

このようにメンバーを巻き込むことで、参加意識が高まり、自分事として捉えてもらうことができます。

そして、理念に向かう一貫性のある方針を自身のコトバで語ることは、幹部社員としての成長にもつながります。

 

数度にわたるすり合わせを経て、ブランドの理念BOOKはすでに完成しました。

会社の承認を得ていないので全ては公開はできませんが、一部を紹介しましょう。

 

今回、社員に対する基本方針として打ち立てられたのが「プロフェッショナル」です。

 

コロナ以前、会社は順風満帆で拡大に向けて邁進しておりました。

拡大のためには当然戦力が必要なので積極的に採用を行い、社員数も増加傾向にありました。

 

そんな中、新型コロナウィルスにより、会社は拡大路線の道を閉ざされました。

そして、拡大からコンパクト化へ大きく舵取りを変えることを余儀なくされのです。

 

しかし、ただで転ぶ我が社ではございません。これを機に構造改革を行い、より強い会社へと生まれ変わることを決意しました。

その柱とされたのが、社員のプロフェッショナル化です。

 

・理念に向けて自ら考え、行動し、成果を出せる人財を育てる。

・社内だけでなく、社会で活躍できる人財を育てる。

 

そのためには、人財を育成する仕組みが必要です。

私が提案したのはコンピテンシーモデルを軸とした人事制度です。

 

 

 

コンピテンシーとは、ハイパフォーマーが持っている行動特性です。表に現れている行動だけでなく、動機や性格、考え方なども含めて分析する必要があります。

詳しくはこちらなどが参考になると思います。

 

自社におけるハイパフォーマーの行動特性とは?これをイチから考えると途方も無い時間がかかってしまう可能性があります。

実はバンコクでもコンピテンシーを取り入れようと半年ほどかけて人事部(※)とミーティングを重ねておりましたが完成には至らず、半ばにして帰国せざるを得なくなってしまいました。

 

そこで、イチから作るのではなく、世間一般的なコンピテンシーモデルを多少カスタムした形で取り入れることにしました。

世間一般的なコンピテンシーモデルであれば、社会で活躍できる人財の育成にもつながると考えたのです。

 

そして、これが評価制度の改革へとつながっていくのでした。

それはまた、次のお話。

 

本日もお読みいただきありがとうございます!

※)ミーティングをしていた人事部とは、シンハービールでおなじみのタイ最大手のビール会社「Boon Rawd Brewery」の人事部です。7000人を超える社員を抱える大企業の人事のプロでも、コンピテンシーモデルをイチから作るのは相当時間がかかると言っておりました。