本日は、先生業(ピアノ)について。
職場には、色々な先生がいらっしゃいます。
うちの職場は、素晴らしい(面白い?)先生が多く、
わたしも刺激やヒントをたくさんいただいています。
目的は、全員が、
「学生に上手くなってもらいたい」
ですが、その方法は、様々です。
わたしは、「自立支援型」。
悩みや、気持ちの下がりにも、きちんと向き合いますが、
あまりに相手が依存したり、解決しないグチばかりを言い始めると、かなりバッサリと突き放します。
今学期も、堂々巡りを始めた学生がいました
「わたしなんか、どうせ出来ないんだ。
実力がないのに、こんな上のグループにいちゃいけないんだ」
「出来ない。無理です。ここにはいたくない」
「どうして、わたしがここにいるの。
グループ、代えてください」
以前ついていた先生や、主任教授も巻き込んで、大騒動に。
わたしは担当ですが、変わったばかりのときは、以前の担当のほうに、愛着があるもの。
黙って、見ていました。
もちろん、声かけはして、話も聞いていましたが、
学生本人がしたいと望まなければ、解決はしません。
1ヶ月経って。
またまた、レッスン室に入るなり、泣きごとを言い始めた学生に、
わたしは、静かに言いました。
「あなたはそれで、どうしたいの
本当に、下に下がりたいの
それとも、何
泣いて同情してもらいたいの
同情したら、あなたは上手くなるの
あなたが泣いている間にも、他の子達はどんどん進んでいく。
わたしは、あなたを上手くするために、ここにいる。
あなたが上手くなるためには、全力で手伝うけれど、あなたが落ちていく手伝いは一切出来ない」
学生は、言いました。
「わかってる。
だけど、出来ない。
そんなに、わたしは上手くない」
「あなたの前回の試験は、わたしも聞きました。
あなたは、上手に弾いた。
そのときのあなたの努力と実力に、わたしたちは、上のレベルに上がるだけの評価をした。
あのときのあなたが素晴らしかったから。
あなたの、その頑張りをそのまま続けてくれれば、いい。
あのとき以上の頑張りはいらない。
あのときのままの頑張りをしてくれれば、いい。
それは無理ですか」
しばらく、沈黙が続きました。
そして、ポツリ。
「あれ以上、頑張らないといけないと思っていました」
「あのときのあなたで、十分です」
「なら、出来ます」
次のレッスンから、その学生が、泣きごとを言うことは、一切なくなりました。
今では、笑顔で、試験にあれを弾こうと思っている、と、話してくれます。
わたしは。
ただ、話を聞いて、頷くだけのことは出来ません。
そういう優しさは、わたしにはありません。
泣くなら、泣いてもいい。
でも、そこに居心地の良さを感じだしてしまったら……。
わたしは相手よりさらに下に降りて、迷わず、落ちてくる学生を下から蹴りあげます。
そんな、ピアノ教師です。
わたしは。
空が好きです
そして。
誰かが成長するお手伝いをするのが、大好きです