子育て波乱万丈・フランス編。
今回は、みなさまに公開でお届けいたします
前回のあらすじ
フランスでのホームステイ、2日目。
ホストが連れて行ってくれた、ローマ時代の遺跡、ポ・デ・ガールで。
次男が耳の痛みを訴えてきました。
我慢しなさい。
と言ったものの、痛みはどんどんひどくなる様子。
せっかく連れてきてくれたホストに申し訳なかったけれど、勇気を出して、説明。
ピクニックを途中で打ち切り、帰宅してもらいました……。
「神様。私が何か悪いことをしたのでしょうか……」
ホストがせっかく予定してくれたピクニックをダメにしてしまったことへの思いと。
帰国してから、このことがバレたときのことを考えた恐ろしさと。
次男への申し訳なさと。
3つの思いで、いっぱいいっぱいになっていた私に、ホストのママンは、
「大丈夫」
と言ってくれました。
パパは、ホームドクターに電話をしてくれていました。
「優子。夕方の4時に予約が取れたよ。ラッキーだったね」
日本と違い、予約がないと診察してもらえない、こちらの病院。
そして、基本、ホームドクター制です。
パリなどの大都市でしたら、観光客用の救急もありますが、ここにはありません。
その日のうちに診察してもらえるようになったことは、本当にラッキーでした。
でも、その4時までの長かったこと……。
診察室に入るころには、次男は痛さでおいおい泣いていました
診察室に入ってからは、今度は私が必死です。
あらかたの日常会話はわかっても、病院の用語がちんぷんかんぷんなのです。
保険のことなど、何度も聞き返したら、
「あなた、フランス語わからないの」
と、当然言われ、それをママンが、
「焦ってるんですよ。私から説明しておきます」
と、先生をなだめてくれて……。
診断は、やっぱり、中耳炎でした。
近くの薬局で、薬をもらい。
服用方法を間違えないように必死に聴いて。
……こんなに必死に、相手の言葉を聞いたことなかったな……。
次男に薬を飲ませて。
それが効いてきて。
次男がすやすや眠り始めた。
それを報告しに、ホストの所へ降りて行ったら……。
ホストへの申し訳なさと。
自分のフランス語のふがいなさとで。
涙がぼたぼた落ちてきてしまいました。
ごめんなさい。
ほんとうにごめんなさい。
迷惑かけて、ごめんなさい。
そうやって、泣くわたしに、ママンがこう言いました。
「優子はなにも悪くない。
だって、彼は子供だもの。
子供が急に具合が悪くなるのはよくあることよ。
だって、子供なんだもの。
ふつうよ」
C'est normal.
セ・ノーマル。
当たり前。
子供が風邪をひいたら、母親のわたしのせい。
けがをしたら、それもわたしの管理が悪かったから。
忘れ物をしたら、それも、母親であるわたしのせい。
子供が人前でさわいだら、それは、わたしのしつけがなっていないから。
早く向こうに連れて行って
……そう言われ続けていた、わたしに。
このママンの言葉は、衝撃的でした。
わたしは、このフランスで。
結婚後、初めて人前で涙を流して、泣きました。
「神は、必ずあなたと共におられる。」
この日を境に。
わたしのフランス語は飛躍的に伸びます。
そして、子供達にも変化が……。
続きは、また
これまでの記事はこちらから。
衝撃の第一話はこちらから ①突然の宣告
ちょっとホッとする?第二話はこちらから ②子供と海外へ行こう!
そんなミスもあるのね~~~!の第三話はこちらから ③あきらめる?いいえ!
障害ってどれだけ続くんですか?の第四話はこちらから ④障害、障害、まだ障害
それを言ったらおしまいよ、の第五話はこちらから ⑤「あなたはいいけど…」
さよなら、日本!の第六話はこちらから⑥「ぼくは、何もしゃべらないから!」
これは、もうアメンバーでしか話せないの、の第七話はこちらから ⑦「思いがけないピンチ!フランス三日目」(アメンバー)
自分が責められたくないの、の第八話はこちらから⑧「誰のため、守るのか」(アメンバー)