大学時代にお世話になった准教授からメールが来た。

アタシが通っていたのは「心理カウンセリング学科」

卒業してもう6年。
そんなに経ってもメール画面に映った先生の名前を見て
優しい笑顔と
落ち着いたあたたかい声を思い出す。

大学時代はバイトばっかりしててね。
仕送りだけじゃ生活出来ないし
夜中までバイトして寝坊して講義に遅刻…なんてこともあったっけな。
 
それでも
いつも優しく接してくれた先生。
 
とっても為になるメールを頂いたので
先生に許可を頂いて転載することにしました。

このブログを読んでくださっている方々にも
読んでほしいです。

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さて、計画停電など、状況は長期化しそうですね。

皆さんも、ニュースを見ては「困っている人のために何かしたい!」「自分は無力だ」
「苦しんでいる人がいるのに申し訳ない」などと思っていらっしゃるかもしれません。
災害時に、そのような感情が生じるのは、まったく正常なことです。

でも、このようなときだからこそ、まずは自分自身をケアすることがとても大切です。
警察、消防、医師、臨床心理士などの援助職者も、まずはセルフケアを最優先にします。

どうぞ皆さんも今はご自分のケアを最優先にしてお過ごしくださいね。

具体的には、まず安全確保、それが確保されたら身体のケア(睡眠、食事、ストレッチなど軽い運動)、そしてメンタルケアです。

以下に、メンタルケアに役立つ情報を送ります。

私が現在トレーニングを受けている「ソマティック・エクスペリエンス」という
トラウマ・セラピーの講師たち(アメリカ在住)からは、日本の代表者(藤原千枝子さん)のもとに、応援メールが次々と届いているそうです。

しかも、最初のメールはわずか地震発生10分後だったそうで、地震発生30分以内に メール、国際電話が次々と届いたそうです。

タイの津波、四川の地震、カトリーナ・ハリケーン等の被災地で救援に当たってきた経験あるセラピストたちが、世界各地から「日本のために何でもする」「どんなことでも頼ってほしい」と言ってくれているそうです。

どうぞ、そのようなサポートが世界中にあり、多くの人が日本のために祈ってくれていることを覚えておいてください。

さて、そのようにして届いたメールの内容をもとに、以下にわかりやすくまとめてみましたので、
参考にしてみてください。

1.自分の状態に気づいている

今自分がどんなことを感じているか気づきましょう。
何かしたくてたまらない、だるい、疲れている、涙もろいなど、どんな状態であれ、それに気づいていることはとても大切です。
気づいたら、「ああ、自分はこういうふうに感じているなあ」と、ただそれを感じてみましょう。
無理に変えようとせずにその感覚と一緒にいると、自然に落ち着くというメカニズムを私たちの身体は持っています。
たとえ大きな災害にであっても、PTSDにならない人の方が多く、なんと8割だそうです。
人間の持つ回復力は本当に素晴らしいものです。

2.テレビはなるべく消しましょう

テレビのニュースでは、繰り返し悲惨な被災映像が流されたり、避難所で過ごす方の過酷な
状況が報じられたりしています。
そのような映像は、非常に強い吸引力を持つので目が離せなくなりますが、
だからこそ私たちのメンタルヘルスには非常に悪い影響を与えます。

必要な情報はテロップで確認するか、必要最小限の短い時間見るにとどめ、テレビはなるべく消しましょう。

テレビを見続けることによって、身体がだるくなったり、ボーッとしたり、涙が出てきたり、罪悪感がわいてきたり、不安になったりすることがあります。
そのような自分に気づいても怖がる必要はありません。
ただテレビを消して、楽しいことを始めてください。

自分を安心させ、希望を持たせ、勇気づけてくれるような情報を選んで触れるようにしましょう。
(たとえば、携帯でもネットでも「pray for japan」で検索すると、世界中から日本を励ますメッセージが投稿されています。きっと他にもよい情報がたくさんあるでしょう)

3.落ち着かないときは身体に注意を向けましょう

不安や焦り、怖さで落ち着かないとき、安全で静かな場所に座ってみてください。
足の裏に床を感じてみましょう。
背中の後ろの背もたれや太ももの下の椅子を感じてください。
今自分の手は(足は、背中は…)どんな感じですか? 
あたたかい? 冷たい? 重たい? 軽い? ピリピリする? チクチクする?
どんな感覚があってもOKです。心配いりません。

涙が出たり、身体がふるえ始めたりするかもしれません。
それは身体が緊張をほどいているサインで、とてもよいことです。
止めようとせずに、起こるままにしてあげましょう。

また、身体の一部に不快な感覚があっても、心配しないでください。
必ず身体の他の場所にはよい感覚がありますから、身体を探検するようなつもりでゆっくり探してみましょう。
リラックスしている、あたたかい、やわらかいなど、よい感覚を感じている場所を見つけ、それをじっくり味わってみましょう。

痛みがない、特に不快感がないなど「悪くない程度」「まあマシ」でも十分に素晴らしいことです。
「不快感のなさ」を味わいましょう。

また、地震はないのに自分は揺れている気がする、なんとなくめまいがする、
頭がマヒしている感じがするという人もいるかもしれません。
それらは、このような状況では正常な反応ですので、怖がる必要はありません。

4.楽しむ♪

このような状況下では、楽しむことがとても大切です。

お笑い番組を見て笑うことや美味しいものを美味しいと感じることなど、「楽しむ」ことに罪悪感を持つ必要はありません。

自分自身が平和で安定した気持ちを持っていることが、周囲の人によい影響を与えます。

ぜひ、「被災者に申し訳ない」などと思わずに、楽しんでください!
楽しい時間を持ち、自分のストレスを癒し、リフレッシュした状態でいること、そのことが、今後、被災者を支援するための準備となるのです。
(もっとも、今回は私たち自身も被災者ですね)

楽しみの中でもおススメなのは、笑うこと、歌うこと、踊ることだそうです♪
わざわざカラオケボックスに行く必要はありません。
部屋でハミングするもよし、好きな音楽を聴くもよし、マンガを読むもよしです。

5.人とのつながりの中にいる

このようなときは、人とつながっていると感じられることが大切です。
なるべく人と一緒にいるとよいでしょう。
特に一人暮らしの方は、なるべく人と一緒にいる時間が増えるように工夫しましょう。
もし身体が一人でいるとしても、メールや電話、ツイッター、ネット、なんでもよいので、人とつながっているという感覚を保つ工夫をしてください。

二人の人がいるときは、背中をくっつけあって床に座るのがお勧めです。
お互いの背中のあたたかさを感じながら、しばらく座っていると、自然と落ち着いてきます。
これは、お互いの自律神経系が同調作用を起こして安定するからです。

不安なときはお互いにスキンシップをはかりましょうね。



何をしているかという行動も大切ですが、それ以上に、どのような精神状態でいるかが大切です。

ボランティア活動をしながらも自分が恐怖でいっぱいだったり、イライラしていたりでは、周囲の人が受け取るものはネガティブなものになる可能性があります。

たとえ普通の日常生活をしていても、その人が穏やかに安定して、丁寧な挨拶や行動をしていれば、それを見る周囲の人たちの中に安心感が生まれます。

ですから、日本で暴動が起こっていないというのは、本当にどれほど素晴らしいことか、計り知れないほどです。

麻雀をしながらも、穏やかな安定した気持ちで周囲の人にあたたかく接してください。

被災地の情報に触れた時にも、恐怖や悲しみでいっぱいになったり、自分を責めたりするよりも、その痛みを祈りに変えて、穏やかなあたたかい思いで被災地を白く輝く光で包むイメージをしてみてください。

「楽しんでもいいのですよ」「自分をケアしましょう」というのは「被災地に無関心でもいいのですよ」という意味では全くなく、
一人一人が自分を穏やかに安定させていることが、周囲に大きなよい影響を与え、ひいてはそれが被災地の苦しんでいる人々にも波及するからなのです。

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どの世界にも「プロ」と呼ばれている人がいて
よく麻雀界でも「プロとはなにか?」とか「プロとアマの違いはなにか?」などの議論を見かけます。

アタシね。
先生からのメールを見て思ったの。

先生の言葉はあたたかい。

心理学について知識のある人は
世界中にたくさんいる。

本を読みあさって勉強すれば
知識はどんどん増えていくと思う。

でも「心理カウンセリング学科の准教授」という仕事に就くプロは
知識はもちろんのこと
言葉がものすごくあたたかい。

頻繁に連絡をとりあっていたわけじゃない。

「プロ雀士として活動しています」
ということを伝えたのも今日だし。

それでも
こんなにあたたかい言葉をくれた。

「プロだな」って思った。

アタシもプロとして活動しているのだから
先生の言う通り
麻雀をしながらも誰よりも穏やかな気持ちで
周りの人にあたたかく接しようと思う。

明日からも元気に頑張ります(*´ω`*)